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2013年11月16日22:23

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シュワッキマッセリ

どうも。初めて遊んだ友人と下着売り場の前を通った際「ねぇ、ランジェリー見てもいい?」と言われ、「コイツとはもう遊べない…!」と感じた葉桜です。

「ら、ランジェリーって言うんだ…?」というと不思議そうな顔で「じゃあ何ていうの?」と聞き返されてので「『ブラ買う』っていうよ」と答えました。

その日の午後に彼女が「『聖☆おにいさん』ってマンガがあるらしいね。友達が好きって言ってた」というので、お返しに「『聖☆おにいさん』って2人いるけど、どっちのことかな?」と言って惑わせてやりました。


さて、今回は聖なる夜には1ヶ月早いですが、そんな話を書かせていただきました。
よろしければお付き合いください。


私はその日、大学時代からの愚痴友と、愚痴り愚痴られの1日を過ごし、家へ帰った。


母「おかえり、葉桜」

母の口元がモゾモゾしている。
これは何か話したいことがあるしるしだ。


母「今日ね、ウチにお客さんがきてね」

私「へぇ、お客さん」

母「『葉桜ちゃんと妹ちゃんはいますか?』って聞いてきて、最初は押し売りかしら、と思っていたんだけど」

私「うんうん」

母「マッちゃんだったのよ」

私「!!?」


今日1日、院長一族を命持たざるものかのごとく罵倒し続けていた葉桜。
院長と朝ケンカしたばかりなのに、午後また似たようなことで大喧嘩する葉桜。
中学受験落ちた院長の息子に「高校も落ちろ」と呪いをかけている葉桜。

そんな葉桜だが、約20年前。
キリスト教会の日曜学校に通っていた。

マッちゃんというのは、その教会の牧師さんである。(例によって仮名であるが)

私は彼に大変懐いていて、日曜学校以外のときも、教会に遊びに行ったりしていたほどだった。


私「そ、れ、は…、お会いしたかったなぁ…」


今まで忘れていた記憶が、ぽつりぽつりと蘇える。

日曜学校に行っていたから、毎週月曜日はいつもより良い子にしていたこと。
『最期の晩餐』のジグソーパズルを作ったクリスマス。
復活祭で作ったイースターエッグ。
そこで初めて飲んだミルクティ。

マッちゃんは5年ほど私の地元で暮らして、それから倉敷のほうへ引っ越していった。
牧師さんというのは、同じところに留まらず、各地を転々とするものなのだそうだ。
マッちゃんがこの町を出る日。
私は泣かなかった。
泣き虫の子供だったのに泣かなかった。

マッちゃんが、それはそれは自信をもって「また会える」といったから。
「神様を信じていれば、また会える」といったから。

私が最後にマッちゃんにいった言葉も覚えている。


『もし会えなかったら、“目撃ドキュン”で探してあげる』


もうこの時点でちょっと神様を信じていないではないか…。
『もしくは“バラ珍”で!』ともいった。
今となってはバラ珍の司会だった島田紳助もいなくなってしまった。
もしも今お願いするのであれば、徳光さんあたりに探してもらうことになるか…。

話が脱線した。

いろんなことを思い出した。
懐かしい気持ちでいっぱいになった。

あぁ、でもやっぱり、お会いしたかった。
口を開けば悪口の私だけど、しかもその悪口を不特定の人が見るmixi日記に書き散らす私だけど、それでもたまに「優しいね」とか「ありがとう」とか言われることがあるのは、日曜学校に行っていたおかげなんじゃないかなぁと思う。
そのお礼を言いたかった。
直接、元気にやっていますと言いたかった。

でもまた会えることがあるのだろうか。

20年近く教会なんて行っていない、
怠惰で、嫉妬深くて、浅ましくて、嘘つきで、ひねくれていて、
イエス・キリストをモデルにしたギャグ漫画を愛読していて(ブッダもいるよ)
しかもそれを買わずに友人から借りて読んでいるという私を、
神様はマッちゃんに会わせてくれるだろうか?

私は十何年かぶりに、お祈りをしてみた。
久しぶりすぎて、どのようにお祈りしていたのかもあまり覚えていないのだったが。

そういえば私は夜寝る前お祈りをしている時期があった。
何をお祈りしていたのか思い出そうとしてみた。
が、私は忘却癖がある。
だから歯医者で嫌なことがあっても3年も勤めていられるのだが。
なにか日記に書こうと思うと当時の日記や受信メール送信メールを読み返したりして、ようやく書くことができる。
だが今回、自分の脳内だけでしていたお祈りだ。まったくヒントがない。

なんとか思い出したのは、
「今日も1日お守りいただきありがとうございました」という文で始まっていたこと、
「明日も私と地球のみんなをお守りください」と割と壮大的な文に続いていたこと。
あとは「お爺ちゃんが天国に行けますように」という愛らしいものから、
「ノストラダムスの予言がはずれますように」といった情けないものまであった。
あと可愛がっていた近所の犬が死んでからは前文が「お爺ちゃんとマックスが天国に行けますように」と変わっていった。犬と同列…。


『またマッちゃんと会えますように』

『せめて”あの頃はありがとうございました” ”本当にお会いしたかった”という気持ちだけでも伝わるといいのに』

敬虔なクリスチャンは神の声が聞こえるというではないか。
ジャンヌダルクなんかは教会の外で神の声を聞いたために処刑されたという。
なんとか私のこの気持ちも伝えてもらえないだろうか。

そう思ったが神を伝書鳩扱いするのは良くないと思い直した。


だけど、今はどこにいるのかも分からないのに。
手がかりも何もないのに。
本当に徳光さんに頼むしか方法はないんじゃないのかと思っていた。


しかしその数日後。

母「あぁ、そうそう。これ、教会のマッちゃんがくれたお菓子ね。あとA教会のパンフレット。今ここにいるんだってさ」



祈りが…
通じた…!?Σ(゚Д゚;≡゚Д゚)

一瞬、母が神の使いかに見えたが、「パンフレットくれたなら、早よ出せよ」と気づいた。


もらったパンフレットを見てみると、A教会のホームページのアドレスが載っていたので覗いてみることにした。
しかしホームページがあるとは、なかなか若いな、マッちゃん。

ホームページを覗いてみると、当時の私と同じくらいの年齢の子供が、マッちゃんと遊んでいる写真がたくさん載せられていた。

あと、もうひとつ懐かしい思い出が載っていた。
『替え歌』だ。

マッちゃんはよく替え歌で賛美歌を歌っていた。

おかげで私は音楽の時間、みんなの前で思いっきり歌詞を間違えて歌ったことがある。
「なんだこの歌、イエスさまの『イ』の字も出やしねえ…!」と呆然としたものだ。

あの時はよくも…、いやいや、あれも素敵な思い出である。


「マッちゃん、あんま変わってないなぁ」と思いながら、ホームページを見ていたのだが、
『初音ミク』というページがあったのには驚愕した。
初音ミク!?初音ミクってあの!?
たぶんそうだよな。だって「クリプトン」って書いてあるもの。
マッちゃん…、若いなぁ…。


さて、せっかく祈りも通じたことだし、パンフレットにも電話番号が書いてあったので、
私はA教会に電話をしてみることにした。

15年ぶりにマッちゃんに電話するのでとても緊張する。


プルルルルルルル、プルルルルルルル、プルルルルルルル、プルルルルルルル…カチャッ


?「はい、広島A教会です」


出たっっっ!!

おっと、これではお化け扱いだ。

まずは落ち着いて、相手がマッちゃんなのか確かめよう。


私「松原先生でいらっしゃいますでしょうか?」

?「☆#%&×■$*◎、広島A教会です」


・どうしてこんなにキョドられているのか?
・反逆者だと思われたのか?
・名乗ってくれなかったが、相手はマッちゃんなのか?
・24歳にもなって「マッちゃん」と呼べないので先生とつけてみたのだが適切ではなかったのか?
・いま広島A教会と2回言わなかったか?
・あと前半何と言ったのか?


15年ぶりに聞いたマッちゃんの声は、私に懐かしさと7つの疑問を届けてくれた。


まぁ、いいや。とりあえず名乗ってみよう。


私「私、○○町でお世話になっていました、葉桜と申します。1週間ほど前、自宅に方へ来ていただいたと母から聞いたのですが、外出中でお会いできなくて。ご挨拶だけでもと思い、お電話させていただいています」

マッちゃん「あぁ、葉桜さん!」


電話の相手はやっぱりマッちゃんだったらしい。


マッちゃん「そう、わざわざ電話をくれたの、ありがとうねぇ。もちろん元気にしてるんでしょう?」

私「はい、元気にしています!」


感激だ、最近私の生活で「もちろん〜でしょ?」という文は嫌味としてしか使われていなかったのに。


《例文》
院長「もちろんあの書類は先にやっとるんだろうな?」

私「まだやっていませんけど、何か!?」


マッちゃん「懐かしいねぇ、あ、ちょっと待ってね…おぉ〜い、お母さん、お母さん!葉桜さん(が電話くれた)!葉桜ちゃん!!」


電話の向こうで奥さんを呼ぶマッちゃん。
私の地元にいたときは、マッちゃん夫婦にまだ子供さんがいなかったのだが、いまは中学生のお子さんがいるそうだ。
奥さんの呼び名も『お母さん』になっているのだなぁ。


マッちゃん「家内に代わるね、私より家内のほうがあなたのことを覚えているから」


アンタ覚えてないんかいっ!?
さすがだ!さすが牧師さんは正直者だっ!

しかし弱った。マッちゃんはホームページにもフルネームで名前が載っていたからいいのだが、奥さんのほうは、『たしかマキコさん』というぐらいの記憶しかない。
「お久しぶりです!マキコさん」と呼んで「マミコです…」と言われたら腹を切るしかない。


マキコ(?)「あらあら、こんばんは」

私「こんばんは、お久しぶりです、葉桜です」


腹を切りたくないので、名前を呼ぶのを避ける葉桜。


マキコ「わぁ懐かしい。よくあなたたちのことを話すのよ、石で字を書いていたこととか」

私「石で字?」


前記のとおり、私は日曜学校以外の日も教会によく遊びにいっていた。
子供なのでアポイントなどとっていない。
大人の人が来ていることもあったが、別の部屋で待たせてくれていた。

ある日、私と妹は教会に行ったが、マッちゃん夫婦は留守だった。
しばらく待っていたが、帰って来そうにないので、家に帰ることにした。


小桜「せっかく来たし、マッちゃんに手紙書こう」

小妹「そうしよう」


そこで私たちは教会の庭に石で
『まっちゃん まきこさん
はざくらと いもうとが きたよ』
と字を書いて残していたことがあったらしい。

そういえばそんなことをした気もする…。


何はともあれ、元気でしていることも、お会いしたかったと思っていることも、
子供のころ可愛がってくれたお礼も伝えることができた。



マキコ「電話くれて本当にありがとう。久しぶりに声が聞けて嬉しかったわ」

私「いえいえ、夜遅い時間にすみませんでした」

マキコ「全然そんなことないよ。じゃあね、お祈りしているからね。おやすみなさい」

私「ありがとうございます、おやすみなさい」


…カチャッ

ふはははははは。
なんとか名を呼ぶことなく電話を切ることができた。


濃密な1週間だった。現在と15年前とを同時に生きていたような気がする。

翌日、実に晴れやかな気分で仕事へ出かけた。


院長「おぇ葉桜さん、昨日の仕事が残っといてヨメ子さんがヒートアップして熱を出したじゃねえか」

私「昨日その仕事したの私じゃないですけど!?だいたいどうしてヨメ子が熱出したのが私せいなんですか!?」

院長「したのがあなたじゃなくても確認して帰ったんか!?全部確認して帰るのがあなたの仕事であって…」

私「あぁ、はいはい、私のせいなんですね!いいですよ。どうせ明日地球が滅んだって私のせいなんでしょうよ!」

ものの5秒で、いつもの日常に戻ったのであるが。

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