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2013年09月04日16:01

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『愛を読むひと』

映画『愛を読むひと』を観た。

(2008年 米・独 監督:スティーヴン・ダルドリー
出演:ケイト・ウィンスレッド レイフ・ファインズ デヴィッド・クロス レナ・オリン ブルーノ・ガンツ アレクサンドラ・マリア・ララ )

ずっと気にはなっていたんだけど、なんとなく後回しになっていた作品。確か、ケイト・ウィンスレットがこの作品でオスカー獲ったのよね。

【1958年のドイツ、15歳のマイケルは21歳も年上のハンナ(ケイト・ウィンスレット)と恋に落ち、やがてハンナはマイケルに本の朗読を頼むようになり、愛を深めていった。ある日、彼女は突然マイケルの前から姿を消し、数年後、法学専攻の大学生になったマイケル(デヴィッド・クロス)は、無期懲役の判決を受けるハンナと法廷で再会する。(シネマトゥデイより)】

原作は、ベルンハルト・シュリンクのベストセラー小説「朗読者」。

うーん、なんとも感想が書きづらい映画だこと…。ふとしたことから出逢った20歳以上歳の離れたハンナに、心奪われてしまうマイケル。序盤は二人の歳の差をものともしない嬉し恥ずかしの恋愛映画かと思った。 でも、違う。それだけではない。

ハンナの「秘密」はすぐにピンとくる。そして、その秘密がハンナのこれまでの人生に大きな影響と影を落とし、彼女がそれによってとても縛られているということがわかってくる。…が「なぜ」が語られない。

なぜ、彼女がそこまでその秘密を守り、翻弄され、呪縛されなければならないのかが謎なのだ。ナチス支配下という時代背景にもあるのだろうが、どうも私の理解を超えた何かがあるような気がしてならない。

少年から青年に成長したマイケルが法廷でハンナを見た時、彼女の罪を知った時、彼は苦しむ。苦しんだ末に出した彼の答えが私の中で「なぜ」を膨らませ、その秘密の重さが理解できない。

ハンナは時代の犠牲者であり、ナチスの遺した虚しさと残酷さを映画は物語っている。「マイケルの無償の愛に感動した」という感想をよく耳にしたけれど、本当にそれだけだろうか。無償の愛という形の贖罪だったのではないかと、ふと思う。

この作品にはあまり説明めいた描写がないので、なんというか、行間を読むという感じの面白さと同時にもどかしさを感じた。そして、見逃した何かがあるような気がしてならない。

…ってことは、原作を読めってこと?あー、いやいや、映画として充分面白くて見応えはあったことは確か。でも、なんかスッキリしないので、私の場合は原作を読んだ方がいいのかもしれないな。もし、運よく古本屋さんで見つけることができたら読んでみようっと。

あまり予備知識がなかったので、まったりした恋愛映画かと思っていたら、ずっしり重い作品だった。ちょっとビックリしたけれど、なかなか印象に残る作品ではあるかな〜。



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