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2012年08月03日21:42

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想い出がいっぱい

どうも。泣くと小さい目がさらに開きにくくなる葉桜です。

先日のボイスでお察し頂けた方も多いかもしれませんが、お局衛生士、三沢さん(仮名)がご退職されました。

以前の反応を見る限り笑っていただけないような気もしますが、笑っていただけたら嬉しいので。
本人は笑って欲しくて書いているということをご理解いただき、読み始めていただければなと思います。
そしてまた長いです。よろしくお願いいたします。


去年の日記に散々書かせてもらいましたが、私はお局衛生士さんとアラフォ歯科助手に大層叱られていた。

しかしアラフォが退職してから、三沢さんの態度は随分と変わった。

それを友人は「1人じゃイジメも何もできない人だったのね」というが、それは違うんじゃないかと思う。

アラフォが辞めた後、私の仕事量が大きく変わった。

院長は今まで私にさせずアラフォにさせていたことを、私にさせるようになった。
それを「成長した」と評価してくれたのだ。

アラフォにさせたほうが精度がいいのだから当然といえば当然だ。


しかし油断していると「あなたのこと、全部許したわけではないのよ」と牽制がやってくる三沢さん。


私「・・・・・・・って私の友達が言われてたんですよ」

三沢「へえ、その葉桜の友達もトロいのね」


も?


私「あの患者さん、ちょっと変ですよね」

三沢「ふーん。葉桜でも、ああいう人のことは変わっているって思うんだ〜?」


でも?


私「ほんとヨメ子ムカつくんですよ!」

三沢「ったくアイツこそ頭がオカしいっていうか…」


こそ?


すいません、三沢さん。「変」とか「おかしい」とかいう会話の要所要所に、葉桜の存在が前提となっているような気がするのは気のせいでございましょうか?



そんなことがありながらも、三沢さんは私と仲良くしてくれて、いろんな話をした。
まぁ、アラフォが辞め同期が辞め、たった2人となった従業員同士、仲良くしなければ仕方がない。


三沢さんのご長男がテニス部で頑張っているという話、
三沢さんが子供さんに「ちいちゃんのかげおくり」の絵本を読んであげる最中に、三沢さんが大泣きしてしまった話、
三沢さんの旦那さんがウリ坊をナタで倒した話、
三沢さんが「バーモンドカレー中辛」が辛くて食べられない話、
三沢さんがハローズが24時間営業だと知らなかった話、
三沢さんのお子さんがよく寝言いうが、三沢さん自身は寝ながら笑い出すという話。



岡山に台風が接近した日、荒れる空模様を見ながら、自宅の心配でもしているのかと思ったら、「ふふふ…、今日は早く帰れる…」とニヤニヤした三沢さん。

夜11時からのテレビが好きで、翌日の午後は眠くてしょうがないらしく、三沢さんのいるチェアの方を何気なく見たら白目むいていた三沢さん。

三沢さんの髪の色が変わっていたので、「カラーの色変えたんですね。気分が変わって良いですね」と声をかけたら、「濃い色にしないと白髪が染まらないの」と言った三沢さん。

医局でご自宅に電話をかけ、「T(ご長男の名前)、おる?」と長女さんに話しているので、昼食かなにかの話かと思ったら「“帰ってらしばく”って伝えといて」と言い出した三沢さん。そして「しばく」という言葉に条件反射で体が『ビクッ』となる葉桜。

「去年、院長に〜〜〜って言われたんですよ!ひどくないですか!?」という話をしたら「それ言ったの、院長じゃなくて私」と言った三沢さん。そして固まる医局の空気。


そんな日々がしばらく続いた、6月のある日の昼休みのこと。


三沢「S歯科医院に求人が出ていたから受けてみようかな」


三沢さんはウチでパートとして働いているのだが、正社員として働ける医院を探して就職活動をしていた。

無論、うちの医院でも正社員の衛生士は常に募集しており看板まで出しているのだが、半年以上まったく音沙汰がなかった。
おまけにスタッフ募集看板は春先の強風で飛ばされていき、隣の老人ホームに停めてあった車にぶち当たってあやうく訴訟問題となるところであった。


三沢さんのS医院の面接日は、ウチの診療時間と丸かぶりだった。

さすがに院長に「他の医院の面接に行きますので休みをください」といえない三沢さんは、お子さんの仮病をつかった。

友人の方に協力を頼み、「学童の者ですが、末っ子くんが嘔吐しました。すぐ来てください」という電話を面接日当日に医院にかけた。

その偽電話をとりながら三沢さんが私に向かって「にたぁっ」と笑ってきたので、私は必死に笑いをこらえながら、その時担当チェアだった泣き叫ぶ子供を押さえこんだ。

その日はまあまあ予約の入っていた日で、院長はなんとか三沢さんを引きとめようと、「誰か家で看てくれる人はいないのか」と言い出し、そのことを後日三沢さんは怒り狂って医局で話していた。


三沢「やっぱりアイツは最低な人間だわ!ウチの子が吐いているっていうのに、子供の心配より医院の儲けが心配なんだ!嘔吐は嘘だけど!」

三沢「ウチの子が嘔吐で苦しんでいるっていうのに!嘘だけど!」

三沢「食中毒とかだったらどうするっていうの!嘘だったけど!」


「そうですよね」「やっぱ最低です」などと相槌うってみせたが、なんか面白かった。


数日後の朝、医院に来た三沢さんは挨拶もそこそこに私をスミに呼び出した。

予感を感じつつ三沢さんのもとへ行くと、「S歯科医院から内定が出た」と伝えられた。


私「えぇー!…それはそれは。お世話になりました」

三沢「はい、短い間でしたが…」


あのぅ、三沢さん、私2011年入社なので1年半ほどご一緒に働いているのですが?
仲良くしたのは短い間ってこと?そういうこと?


私「おめでとうございますー。よかったですねー!」

三沢「うん、ありがとう。8月から働くことになったの」

私「そうですかー」


瞬時に『しばらくmixiでは黙っておこう』と思ったネト充の葉桜。


それから「正直に『他の医院で働く』といえば辞められない」と知っている三沢さんは、「旦那がやっている事業が不景気と人材不足で大変なので、私が手伝わなくてはいけなくなった」という作り話を院長に話した。もはや構成作家である。

私は現場を見ていないので、ここからは三沢さんの話をもとに書いている。


院長「そりゃあ三沢さんにとってはウチの医院よりも自分の家が大事だよな」


意外にも常識的なことをぬかす院長。
拍子ぬける三沢さん。

が、しかしそこへ常時ノイローゼ兼ヒステリーのヨメ子登場。

卓上の退職届を見るなり、お釣り用の金銭箱を抱きしめてすすり泣く。


ヨメ子「みんな勝手なことばっか言って辞めていって…!みんな私のこと大変そうだなんて思っていないでしょうけど、私はもう壊れそうなんです!」

(注)もう壊れています。


ヨメ子「電車を見るたび、あの中へ飛び込んだらどれほどラクかと思うんです!」

(注)よっしゃ、電車へGO!何なら手伝います!アシストします!アシスタントが私の仕事なんで!


それから1ヶ月。毎日がものすごいスピードで流れていった。
「わぁぁぁぁぁ」といっていたら昼になり、「ひゃあぁぁぁぁ」といっていたら昼になる、そんな感じである。

院長は三沢さんの後任を探したり、派遣の事務員さんが来たり、
私は最終日にわたす三沢さんへのプレゼントを買いに行ったり、
S医院の前を通るたび、「この三沢ドロボウ!」「あたしの三沢さん返せー!」と車の中から叫んだり、
退職した同期と久しぶりに遊んだ時に三沢さんに最終日何をいえばいいか相談したり、三沢さん最終日への準備は進んでいった。


同期「葉桜、アンタしょっちゅうチビりそうになるくらい三沢さんに怒られてたくせに、よく『三沢さん』『三沢さん』って言えるねぇ。やっぱりドMなんだねぇ」

私「違うっつーの!今では本当に仲良くしてもらっているの!」

同期「すごいよねぇ。三沢さんを恐れるあまり、三沢さんと話すたびに声ひっくり返っていた葉桜が三沢さんと仲良くなるなんて」

私「『山陽本線、三●行き』の電車に恐くて乗れなかった葉桜が」

同期「失敗経由、説教行き、みたいな」

私「おうよ…。誰かさんが従業員2人残して急に辞めてくれたおかげでな!」

同期「感謝してよ」

私「ざけんな、この無職がぁっ!」


そんなこんなで迎えた最終日。

午前中の仕事をそこそこに終わらせ、医局へ。
医局には何故か5人分の弁当が置かれていた。

私、三沢さん、院長、ヨメ子、事務員の青田さん(仮名)。
どうやら5人で三沢さん引退セレモニーをするらしい。


三沢「あ、そうだ。葉桜さん、私のアドレス教えておくよ。また面白いことあったら教えて」

私「わぁ、ありがとうございます!」


喜んでアドレス交換する。
ここ数日、無意識にゴールデンボンバー「また君に番号を聞けなかった」を口ずさんでいたのだ。

セレモニーといっても、普通に院長とヨメ子を交えてご飯を食べながら話すだけである。

しかし、最終日だというのに、喋る言葉がうまく出てこなくて静かになってしまう。
おまけに目が合うと自分からそらす。

片思いか!
3年ぶりの片思いの相手、20歳年上の既婚者3児の母か!
タイトル「同情無用」か!そりゃ実らんわ!


院長「それじゃあ、葉桜さん、お別れの言葉を言ってあげて」


いちおう、セレモニーっぽいことはするらしい。


私「このあいだ、三沢さんと『8月2日(8月1日は定休日)の朝10時あたりから、三沢さんが恋しくなって泣くと思います』という話をしていたんですが、気を抜くと今日からすでにヤバそうです」


昔、叱られて医局で泣いていると、「泣くなら外で泣いて!」「私は職場で泣く人が1番きらい!」「職場で泣くなんて甘えている証拠だ!」とものすごく怒られたので、泣かないように。
当時は「泣かしたヤツが何をいうか」「もうすでに私のことなんか大嫌いなんだから、嫌う理由が100個から101個になったからって、どうってことはない」と思っていたものだ。


私「三沢さんには、いっぱいご迷惑をかけて、本当にすみませんでした」

三沢「うん!」

私「あ、そこは『そんなことないよ』とは言えないんですね」


そりゃそうですよね。


私「いつもは、いろいろお話したりするんですけど、今日に限って言葉が見つからなくて…」


このあたりから、涙で潤み始める。
一気に流れでる涙。
この現場を同期が見たら、確実に「ドM確定」と笑われているところだった。
ちがうのー!なんか昔の失態が申し訳なかったり、仲良くしてくれた日々が嬉しかったりして、一気に感情として流れるの!


三沢「おっと」


突然、驚いたような声をあげる三沢さん。


三沢「…泣けてきたっ」


三沢さん、驚いた顔のままティッシュで目を拭き、本当に泣いている。
お局さんに泣かされたことなら何度もあるが、泣かしたのは初めてだ。
スゴい偉業を成し遂げてしまった。別の意味で感動だ。
まぁ、それ以上に私がわあわあ泣いているのだが。

ヨメ子が「頑張って」と肩に手を乗せてくる。
ええい、触るなぁっ!
おかげで一瞬涙が止まった。


私「本当にいままでお世話になりました。ありがとうございました」


大泣きしながら、なんとかいい終えた。

いままでにない、感動的なムードの医局。


院長「まぁ、三沢さんの旦那さんの事業は一段落して、またここで一緒に働ける日を、楽しみにしております!」


涙を流しながらも、私と三沢さんは同時に「そんな日は来ない」と思った。
すっかり忘れていた、そんな設定。


三沢「いま思えば、ひどいこともいっぱい言ったよね。ごめんね。頑張ったね」

私「もう、やめてください〜!せっかく涙が止まりかけたのに…。私は忘れっぽいから、ひどいこと言われたって、すぐ忘れるからいいんです」

三沢「本当によく辛抱したと思うよ。でもね、きらいで言っていたんじゃなくて、葉桜さんに成長してほしくて言っていたんだよ」


うそだ!「きらいだ」ってあの時ハッキリ言っていた!←しっかり覚えている人。


プレゼントや花束を渡し、みんなで写真を撮った後、また
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