1日毎日。コラムで中野剛志が発送電分離に反対する論陣を張っていた。理由は、
1)日本の電気料金は、国際的に突出して高いワケではない。
家庭用は英独より低く、産業用は同じくらい。欧米の電気料金は
上昇傾向なのに、日本は低下傾向だったし。
2)平均停電時間が短い(停電が少なく回復が早い)のは発送電一体だから。
3)分離しても再生エネルギー活用は進まない。
なぜなら安定化が必要だから。そのためには火力発電所が必要で、
分離してしまうとその責任を送電会社に負わせることになる。する
と、火力発電会社の言い値で電力を買うことになる。競争原理が働
き火力の値段は下がると分離推進論者は言うが、参入はタイヘンで
実際には競争は働かない。
4)安全対策やインフラ強化への投資が手控えられる。
だそう。
ホント、この人は逆バリの人だよねぇ。ケレン味たっぷり、評論家向きのキャラ。経産省に戻らず、評論家に本格的に転職したら?
言ってることのウチ、一理あるのは3番目くらいだと思う。順に反論すると、
1)日本より高い少数の国を挙げて比較するのはペテン。また、欧米で
上昇傾向だったのは、高価な再生可能エネルギーなどに重点を移し
たりしたため。日本で低下傾向だったのは原発を増やそうとしてい
たため。
2)停電時間が短いのは、発送電一体云々は直接関係ない。その証拠に、
発送電一体の日本だって昔は停電多かったし。技術革新と適切な投
資と適切なマージン見積もりの成果。
また、某国や某国で大事故を起こしたからと言って、高速鉄道す
べてが危険なワケではない。安全な高速鉄道も存在する。それと同
じで、安全な発送電分離もある。
3)これは半分本当。単純分離して増えるのは火力発電会社と予想され、
再生可能エネルギーの利用は、分離だけでは進まない。再生可能エ
ネルギーの利用を進めるためには、不安定でも良い電力系と安定性
を保証された電力系、2送電系を持つ必要がある。これは、発送電
分離し、長い時間をかけて送電系も2系統分離しなくては実現しない。
4)これは法的規制を強めれば良いだけの話。
そんな中、1日朝日と2日東京によると。東電は「火力&燃料調達」「送配電」「小売り」「コーポレート(戦略と人事)」の4部門を社内分社化する案をまとめたそうな。
形式的に分社して、誤魔化そうと言う意図を感じる。火力部門が燃料費増大でどれだけタイヘンか、送配電事業は儲からないですよ、とか示したいんじゃないかしらん。これって私の邪推でしょうか?
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