外出時にはいつも鞄を持ち歩く。
姉が高校時代に使っていた、小豆色の鞄。
中には札入れ(お金を入れてはいるが財布ではなく札入れ)とA4ファイルケースとカンゴールのミニバッグとたまにペットボトルが入っている。
ミニバッグの中には、小銭入れと携帯と免許と筆記用具と絆創膏とイヤホンとティッシュとお菓子が。
そういった諸々が入った鞄は、取っ手が付いた蓋を、下部に留めて閉めるようになっている。物が取り出しにくく非常に使いづらい。蓋を開けたままで使える肩掛け出来るストラップも付いているが、肩が痛くなるので使っていない。
で、この使いづらい鞄をいつも持ち歩く。買い物に行く時も、日雇いに行く時も、遊びに行く時も、食事にお呼ばれした時も。
これが評判が悪い。特に父親に言われる。「ただの買い物にそんなもん提げとったら邪魔じゃし、ブサイクじゃろうが」と。
だが、私は暑がりで上着を着る習性があまり無く、実用できるポケットが少ない。その弊害で、ズボンの前ポケットに長財布が入らないので二つ折りを使っては曲がった札にイライラしたり、同じポッケに煙草を入れてぐにゃぐにゃになったのを吹かしていたりもした。
そんな事になるくらいならと、鞄に全部突っ込んでしまおうと、更には出先で持ち物が増えても困らないようにと鞄をいつも持って歩くようになった。
評判が悪くても、使いづらくても、手に入れるものが無いと判っていても、愛着のない鞄はいつも片手を塞いでいる。
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