野田総理訪韓

　１９日各紙の朝夕刊。野田総理訪韓、朝鮮儀軌などを今日手渡しした。これを受けてか、李大統領は「慰安婦問題」や「竹島（独島）問題」には言及せず、友好ムードで会談を終えた。

　総理は韓国にある日本関係文書（２０日の産経などによれば、対馬宗家文書など数万冊）の「アクセス改善に期待」と、暗に返却を求めた。日本が保有する朝鮮王朝関係文書1205冊中、今回は５冊しか返還せず、残りは李大統領訪日時などに返却予定、としたのは、これの進展とバーターね、と暗に伝えたようなもの。先にホンの少しだけ譲って相手の譲歩を促す、というのは上手いやり方、"呼び水"手法。ネトウヨは怒ってるけど。

　また、野田総理はEPA交渉再開も要請。これも、まぁ正しい。やり方を間違えると、野菜農家にとってはTPPよりシンドイかもしれないけれど、韓国農家の方も戦々恐々、色んな留保が付くと思うし。

　ちなみに、補佐官のツイートによると。まず背後（韓国）を固めることから外交を始めるのは、中曽根さんを見習ったみたい。結果、日本も韓国も少しだけ譲り、懸案事項には互いに触れず、実に大人の、無難な外交だったと思う。まぁこの２国は互いに理解し合うことは不可能（近すぎるから仕方ない）なので、無難が一番。

　ネトウヨな子達は「韓国に譲りすぎ！弱腰だっ！」と怒るけど、外交や夫婦喧嘩は「５勝５敗４引き分け１優勢」を目指すべきモノ。「５勝５敗５引き分け」なら御の字。それ以上を求めるんなら戦争（経済戦争など冷たい戦争も含む）になってしまう。あの安倍元総理も、総理就任後靖国参拝を封印するなど中韓には譲歩したのはそのせい。

　その観点からすると、今回の外交は、まぁまぁ。