誤解しないでほしい。
ぼくは自分探しだの、日々が発見だの、そういった事柄にはまるで無頓着なんだ。
できれば、ほかを当たってほしい。ぼくは好き勝手を書いているだけなんだから。
ホントはぼくだって、日々の暮らしのなかの、うれしかったことを書きたいんだ。
雪かきのことにしたって、やっているうちにこころが清々しくなってきた、とか、
近隣のお年寄りから、道路をきれいにしてくれてありがとうと感謝された、とか、
そういうことを書いて、ああ今日も善い一日でした、と締めくくりたいもんだが。
なにせ根が暗いもので。不穏な心情を、ついつらつらと書き連ねてしまうのです。
だけど、こころの奥底に潜って徹底的に考えつくし、思想を形成する根性もない。
ぼくはただ不満をダラダラ述べているだけの怠け者さ。
だからあなたがたの、自己開発の参考にはなりえない。もうしわけないが――。
生きる歓び、それはたとえば労働の合間のビール。
ぼくは顔に出るから、コップ一杯でじゅうぶんだ。
〈編集後、以下の文章を挿入しました〉
数時間後、上の文章を読み返してみて、「思い上がっているなあ」と感じた。
削除したい衝動にかられたが、今後の戒めとし、このままさらしておきます。
「夏天空」というニックネームにしたとき、おおらかな気持ちで書こうと誓ったのに。
初心に戻ろうと思う。プロフィールに掲げたモットーを忘れないように――
「全面公開。どなたの出入りも自由です。 お立ち寄りくださったあなた、どうぞごゆっくり。」
【今日の一曲】
ロバート・ワイアットのうたう“At Last I Am Free”(邦題:生きる歓び)。
ソフト・マシーンの凄腕ドラマーは転落事故により下半身不随に。以後、車椅子生活を余儀なくされる。
それから彼は本格的に歌いはじめた。自由と解放のうたを、不条理への嘆きを、世界中に届けるために。
オリジナルの、ブラックコンテンポラリーの旗手、“CHIC”のバージョンも。
作曲者ナイル・ロジャーズと、プロテスト・ソングの意義を見出したロバート・ワイアット、どちらも素晴らしい。
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