新年早々の1月2日、らら横にて鑑賞しました。
前知識は全然なくて、ロバート・レッドフォード出演作というのがせいぜい、バーブラ・ストライサンドなんて、『誰それ』状態でした。
公式サイト:
http://asa10.eiga.com/
作品ページ:
http://asa10.eiga.com/cinema/28.html
めーもりー♪
歌詞をテキスト表現すると音階が抜け落ちるため、この唄い出しで何を想起するかによって、世代や嗜好がわかるような気がします。
ちなみに、ワタクシは、『猫舞踊』のほうなわけですが、まさか、これに別解釈が存在するなんて思ってもみませんでした。
ましてや、それを唄っているのが、劇中のヒロインそのひとだったなんて、新鮮な驚きを通り越して吃驚仰天です。
今でこそ、マルチクリエイター/マルチタレントというのは、珍しいものではないでしょうが、本作のヒロインを務めたバーブラ・ストライサンドは、まさに、多才を武器にショウビズ界で成功を収めた女性の先駆者だったそうです。
そういう意味で、本作のヒロインの造形には、彼女の人生を投影した部分もあるのかもしれません。
こういうのは、ある種、うれしい誤算です。
一方で、ロバート・レッドフォード演じる主人公の造形は、あっさりを通り越して平板、ある種、空気に近いくらいの透明さです。
ヒロインの人生における挫折や成功の数々が、逐一、明確な理由付けと相応の描写で展開されるのに対し、ロバート・レッドフォードの側といえば、『生まれ育ちの違い』という状況説明の他は、具体的な描写が欠落しています。
彼のキャラクター造形の重要なの一部のはずの、脚本家としての才能さえも、学生時分にヒロインのそれよりも上だったという間接描写の他は具体性に乏しく、特に、物語の後半で彼が味わう挫折についても、彼の脚本の何処が問題で企画が難航しているのかという描写がないまま、ただただ、時間だけが過ぎていきます。
そのわりに、甘ったるく見つめあったり、思わせぶりなイメージカットだけはてんこ盛り(しかも決まって、アップ)だったりします。
要するに、彼の役柄には、記号としての『イケメン』以外の意味はなく、わざわざ、ロバート・レッドフォードが演ずる必要性すらも感じられませんでした。
唯一、彼目当ての集客効果を除いては…
…、なるほど、要するに『アイドル映画』だったのか。
それにしても、ラストシーンのほろ苦さとバーブラの美声以外、この作品の何を観ればよかったのだろう…
問い詰めたい、小一時間くらいみっちり問い詰めたい。
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