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2010年03月13日06:55

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『渇き』

 韓国映画趣味で『渇き サースト』(原題:蝙蝠 Thirst)を鑑賞。カンヌ映画祭で審査員賞を受賞した作品。「JSA」や「オールド・ボーイ」「親切なクムジャさん」で有名なパクチャヌク監督の最新作。

 主人公はカトリックの若き病院付き司祭(名優・ソンガンホ)。患者達の苦しみを救えない無力感から逃れるため、アフリカの難病研究所に行きワクチンの実験台になることを志願する。そこで難病にかかり死にかけるが、輸血された正体不明の血液のおかげで一命を取り留める。しかし、その血液のせいで、彼はバンパイアになってしまった。

 帰国し、「奇跡の生還を果たした神父」として有名になる主人公。しかし、主人公は食欲(吸血欲)に苦しむ。そんな時、幼馴染みの兄妹と会う。妹は実は養子で、二人は夫婦になっていた。しかし、姑と兄=夫が酷い自己中な輩で、それに苦しむ妹=妻に主人公が同情するうち、いつしか同情が愛に、愛が肉欲に変わり...


 もっと、内面の苦しみ、自己否定に苦しむ話かな?と期待して観に行ったんだけど。なんか思春期の少年のような性欲と食欲(吸血欲)の悩みの話になってしまっていて、ガッカリ。中盤はエロ映画のようだし。狭義アセクシャルな私は、こうゆうシーンが退屈でならない。まぁ、一般的には評価が高いんでしょうけど... ねぇ。

 でも、ラスト10分くらいは良い作品。10kg減量したソンガンホが新たな魅力を発散しているし、ヒロインを演じたキムオクビンが、20歳の頃の薬師丸ひろ子みたいでなまめかしさと愛らしさが同居していて小悪魔のようだし(この人、パッとしないシーンではくすんで見えるのに。女性は演技で激変する)。その二人の葛藤、闘い?が美しい。最後の舞台に寄る前に、主人公の神父が寄り道して取った行動が、自己を否定し尽くそうという思いが現れていて、悲しい。
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