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2009年09月01日17:46

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PEGANA LOSTの新刊と片影創刊号の感想

「PEGANA LOST」Vol.12.91を読みました。
今号の表紙のサイム絵が何の作品のワンシーンなのかとても気になる…
ダンセイニの長編「Dean Spanley(ディーン スパンリー)」がイギリスで映画化されているとか。タイトルからして日本未訳作で、あらすじを読む限り、非現実要素もあって面白そう。ほんと、ダンセイニの長編作品は全部訳刊されてくれればいいのにと思うばかり。
稲垣氏の翻訳によりダンセイニの詩のいくつかが掲載されていて嬉しい。うーん、ダンセイニの詩はどこかに必ず夢幻的な情感がこめられていて好きです。
厨川白村という英文学研究者のダンセイニ評論文は、「ダンセイニの作品は神からの視点の如き」などラヴクラフト風の持ち上げ方をしているところがいいですね。

西方猫耳教会の代表者さんが片影会の名で新たに刊行された同人誌「片影」創刊号を読みました。
幻想小説の掲載や批評・評論などが主な内容になるのでしょうか?
まずは小説「水晶散歩」。感想としてはおとぎ話のようなファンタジー小説といった感じでした。猫人妖精というとケット・シーが浮かんできますが、連想したのはアニメ映画「銀河鉄道の夜」だったり。
朔太郎の「猫町」は岩波文庫のやつで読みましたが、あれは面白かったなぁ。アタゴオルは未読ですがアニメ映画のほうは見たことあります。
中井英夫の評論。この作家は初めて知りましたが、幻想作家というだけで作品に興味が湧いてきます。現実と幻想の観点は、ひとたび形にしてしまえば潰えてしまうくだりが、こう、なんとなく共感できる部分が。
ラヴクラフトのダンセイニ受容論。ラヴクラフトが「ダンセイニとその業績」などでダンセイニを熱烈なまでに崇拝するに至った理由を、ダンセイニを知る以前の初期作品「北極星」を挙げて考察しています。
ラヴクラフトは夢の世界への強い情念を持っていても、同時にリアリズムの悪夢という不安も介在して飛び込めなかったが、憧れの夢の世界をダンセイニは提示してくれた。なるほど、とうなずいてしまいます。
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