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2009年04月16日23:25

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22世紀に残したいアニメ

2005年7月。
アニメ「ぱにぽにだっしゅ!」は、数ある深夜アニメの一つとして、静かにスタートしました。

第1話を観た時の印象は、正直、「?」でした。

意味不明な冒頭の「猿の惑星」パロディ演出。

20人近い登場人物が一気に登場して、一気に紹介してしまう、
視聴者置き去り、かつ「ありふれた学園ドタバタアニメ」的な導入。

そして、理解不明なストーリー展開。

あまりの訳の分からなさに、5分ほどで、観るのをやめた記憶があります。


その後、本作に出演していた、ある女性声優さんが気になり始めたこともあって
放送中盤くらいから、その存在すら忘れていたこのアニメを時々観てみるようになりましたが
やっぱり、訳が分からない。

しかも、その声優さんが演じるキャラは、あまり台詞がないし、
彼女が歌っている2代目のオープニング曲も週によって使われたり使われなかったり、、、。

原作の「ぱにぽに」も読んでみましたが、
ますますどこが面白いのか分からなくなる始末でした。


結局、「ぱにぽにだっしゅ!」本放送は、
その面白さが全く理解できないまま、終了してしまいました。


ただ、本編は全く意味不明だったのですが、
オープニング3曲とエンディング2曲は、とても印象に残っていて
毎週、主題歌だけを目当てに、深夜まで起きてリアルタイムでチェックしていました。

Bメロの転調が余韻として残る「黄色いバカンス」。
永遠に聴き続けられそうな「ルーレット☆ルーレット」。
80年代テクノ歌謡を現代に昇華させた「少女Q」。
イントロ〜Aメロがクセになる「ガールッピ」。
深夜にゆっくり聴いていたい「ムーンライトラブ」。

みんな大好きで、
この頃に参加したアニカラオフは、
私にとって事実上、「ぱにぽにだっしゅ!」の曲を歌う場になっていました。

「ぱにぽにだっしゅ!」本放送時の思い出は、こんな感じです。





「ぱにぽにだっしゅ!」の放送終了から半年以上過ぎた、2006年8月。
某・川澄綾子さんのファンサイトで、
川澄さんが主演をつとめる新作CDドラマが絶賛されていました。

そのCDドラマのタイトルは、「まろまゆ」。

私も興味を持って、
その「まろまゆ」CDドラマの体験版が付録として付いていた
雑誌「電撃萌王」を購入しました。

CDドラマでの川澄さん演じる「くるみ」の演技も評判どおりの素晴らしいものでしたが、
「電撃萌王」本誌に掲載されていた、「まろまゆ」のコミックのほうも
何度も読み返したくなるような魅力があり、
思わず、コミックス第1巻を購入して、食い入るように読みました。

そして、インターネットで調べてみると、思いもよらない事実が分かりました(笑)。

実は、この「まろまゆ」は、「ぱにぽに」の登場キャラ・桃瀬くるみを主人公にした
「ぱにぽに」のスピンオフ作品だったのです。

「ぱにぽに」は意味が分からない作品、と思って敬遠していたのですが、
「まろまゆ」が面白かったので、もう一度読んでみようか、と思って何気なく再読してみると、
あまりの面白さに、すっかり「ぱにぽに」のとりこになってしまいました!!!!

そして、当時発売されていたコミックス9巻分を一気に読破したあとは、
もちろん、アニメ「ぱにぽにだっしゅ!」に手を出すことになりました。

本放送中は、ほとんど内容を観ていなかったので、事実上、知識はゼロの状態。

いったい、原作がどんな感じでアニメになっているのか、
キャラの声はイメージどおりか、
ワクワクしながら、数話だけ録画していたビデオを再生しました。
たしか、「第19話 果報は寝て待て」だったと思います。

そして、30分後、、、、、、、放心状態でした!!!

こんなにすごいアニメだったのか!!!!

とにかく、画面の隅々まで、一瞬のスキもなく仕組まれたマニアックで愛に溢れた小ネタ。
原作を元にしながらも、その原作ネタすらネタの一つとして使う、原作の「料理」の巧みさ。
この話に関して言えば、
「ぱにぽに」でありながら「まろまゆ」キャラまで普通に登場するタブーの無さ。
(実際、このアニメ、
原作を読んでいる人だけがニヤリとするような小ネタは枚挙にいとまないです。)
とにかく、何から何まで、これまでに観た事のないようなアニメでした。

あたかも、スタッフからの「分かるものなら分かってみろ。」とでも言わんばかりの
古今東西のマニアックなネタが、
これまでのアニメの常識を打ち破るパロディ&再現技術で
「気付くものなら気付いてみろ。」とでも言わんばかりに
さりげなく、よっぽど注意しないと分からないようなところに散りばめられた
あまりにも多い情報量。

実際、アニメを観た後でも、「ぱにぽにwiki」などでのネタ解説などを見てみると
「こんな細かいところに、こんな普通の人は知らないようなネタが仕組んであったのか!!」
と、驚愕することだらけでした。

このアニメは「ぱにぽに」という作品、そしてアニメをはじめとするオタ文化全般に対する
美しくも熱い愛情に溢れた、一世一代の、エネルギーに満ちた超力作でした。


もちろん、「ぱにぽにだっしゅ!」は、
そういう、マニア受けを狙っただけの作品ではありません。

魅力的というにはあまりにも魅力的なキャラクター。
これは、原作も含めてですが、
どちらかと言うと、あまりキャラクターに入れ込んだりすることの少ない私ですけど、
「ぱにぽに」のキャラクターは、本当にみんな大好きです。
あれだけたくさんのキャラクターが出てくるのに、嫌いなキャラは一人もいません。
実際、先述の桃瀬くるみを主役にした「まろまゆ」の他にも、
柏木優奈を主役の一人にした「桃組!」、
ベホイミを主役にした「新感覚癒し系魔法少女ベホイミちゃん」など、
「ぱにぽに」からのスピンオフ作品はたくさんあるし、
その気になれば、登場人物全員が、
いつでも主役になって一つの作品をつくれる気がします。
ちなみに、一番好きなキャラは、「オオサンショウウオ」です。
これは譲れません!!



そして、「ぱにぽにだっしゅ!」を語る上で絶対に外せないのが、声優。

この作品を通じて、
その魅力に気付いた声優さん、評価をグンと上げた声優さんの、
なんと多いことか、、、。

ベッキー役の斎藤千和さんも、個人的には「ぱにぽにだっしゅ!」以前は、
「ココロ図書館」のこころや、「月詠」の葉月などを聴いていて、
かわいらしい声ではあるけど、「つかめない」声優さんでした。
でも、このベッキー役を通じて、この方の魅力が、一気に「つかめ」ました。
今でこそ、斎藤千和さんが出ている、
というだけでそのアニメを追いかけてしまうくらい好きですが、
ベッキー役がなかったら、どうなっていたかわかりません。

片桐姫子役の折笠富美子さんも、(アニメ版)桃瀬くるみ役の植田佳奈さんも、
このアニメが無ければ、今ほど好きになることがなかったかも知れません。

白鳥鈴音役の広橋涼さんや、南条操役の生天目仁美さん、
ベホイミ役の門脇舞以さん、メディア役の松来未祐さんなどは、
もともと大好きでしたが、「ぱにぽにだっしゅ!」で演じたキャラたちは
今だに、自分の中で、1,2を争う、各声優さんの代表作です。

それに加えて、
野中藍さん、沢城みゆきさん、新谷良子さん、大原さやかさん、
櫻井孝宏さん、神谷浩史さん、、、などなど、
私の大好きな声優さんたちが一挙に出演して、「私を喜ばせ殺す気か!!」と思いました。
毎回、エンドテロップのキャスト紹介をニヤニヤしながら誇らしげに見ていましたよ^^。


そんな「ぱにぽにだっしゅ!」。
世間より1年近く遅れたとは言え、全26話をレンタルで観て、
嵐のようにハマりまくりました。



今でも、原作「ぱにぽに」、および、アニメ「ぱにぽにだっしゅ!」は、非常に不親切な作品だと思っています。

「『ぱにぽにだっしゅ!』は最初は訳が分からなかった。」
という方のお話を何度か聞いていますし、
リアルタイムで自分がハマれなかったのも、仕方のないことだと思っています。

しかし、反面、
「『ぱにぽにだっしゅ!』が面白くない。」
と言う方にもまた、出会ったことはありません。

皆様、口をそろえて、
「『ぱにぽに』、面白かったなぁ〜。」
と、ため息混じりに言われます。

「続編を作ってほしい。」という声も、絶えず聞きます。

でも、私自身は、続編はいらない、と思っています。

「ぱにぽにだっしゅ!」はもう、
全26話で、悔いのないくらい完全燃焼できたアニメだと思っているから。

最終回の「あのセリフ」でもって、
完全に作品世界に幕を降ろすことができたと思っているから。

そして、何よりも、新房監督以下、「ぱにぽにだっしゅ!」チームは、
その後、「ぱにぽにだっしゅ!」で手に入れたものを「拡大再生産」しながら、
「ネギま!?」「ひだまりスケッチ」「さよなら絶望先生」
「ef」「魔法先生ネギま!白き翼」「まりあ†ほりっく」「夏のあらし!」と
次々に新しいタイプの作品に意欲的に取り組んでいるから。

各作品の中に、「ぱにぽにだっしゅ!」は確実に生きています!!

だから、もう「完成」した「ぱにぽにだっしゅ!」の続編をつくるよりも
「ぱにぽにだっしゅ!」のスタッフがつくる新しいアニメがもっと観たいと、私は思うのです。

そう、とりあえず、「テレビシリーズ」としては、、、。



以上、長すぎる「前置き」、終わり!!
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