兄貴の余命は8月いっぱいもつかどうか、と言われたのが7月30日。ちょうど1ヶ月。何とか医者の予想を裏切って9月に突入できそう。 これからはロスタイムみたいなもんだな。 しかしここ数日兄貴が言う言葉が聞き取れない。もう舌が思うように動かせな
昨日から兄貴が個室に移った。1日7000円也。高い。なので兄貴も個室は拒んでいたのだが、医者が移ってくれというので渋々移る。 しかし1日7000円は高いよなあ。兄貴も親に少しでも金を残そうとしてるし金の事はすごく心配している。もうちょっと
昨日の日記で兄貴が看護師に文句を言ったと書いたが、兄貴は腹は立てていても言葉は敬語である。そういうところはしっかりしている。兄貴の名誉のためにも書いておこう。 ちなみに看護師さんはほとんどが敬語をつかっているが、中にはため口の人もいる。
今日は兄貴がすこぶる不機嫌。 とにかく本人は寝ていたいらしい。しかし眠れない。という訳で睡眠剤を14時に注射してもらったのだが、30分後に「オムツを見ます」と言ってたたき起こされた。 睡眠剤を打ってはいるが眠りは浅いので、このオムツ交換
今日兄貴の同僚と上司が見舞いに来た。 同僚の人とは本当に仲が良かったようだ。色々と遊びに行っていた様子で話が盛り上がっていた。上司も良い人だったみたい。 帰った後は泣いてた。本当にいい上司で、とか言ってた。 羨ましい事だ。俺の上司なんて
今日は兄貴の外出日。多分これが病院から外に出る最後の日。この外出の為に医者から出された絶対条件は介護福祉士の弟である俺が付き添う事。 21日に外出という事が18日に急に決まったことだったので、18日に会社に「兄の最後になると思う外出の為
昨日兄貴が両親の前で泣いたそうだ。「先に死んですまない」と。死という言葉を初めて言った。 少し前に怒りで興奮したが、その一回きりでその後は落ち着いている。本人は「あんな怒ったって仕方ないのは分かってる」と言う。そんな言葉を言える兄貴は強い
日に日に兄貴が弱っていく。俺と同じ中年太りだったのが51キロまで体重が落ちている。声にも張りがない。麻酔のせいか変なことも言う。 兄弟仲は悪かったが、それでも見ていて辛い。 両親の事も考えて冷静でいようと思っているが、ここ数日だんだん自分
キューブラーの死を受け入れる5段階でいうところの第2段階「怒り」の状態に今日の兄貴が陥ったらしい。 いつかは来るだろうと思ってたので俺は平常心だが、両親が動揺気味。今日は母親が病院で付き添うと言い出したのでそうする事に。 夜に俺も病院に行
2日前に兄貴も含めて家族全員揃って医者から最終宣告を受けた。兄貴以外はすでに聞いていたのでただの確認だが、退院する気満々だった兄貴はショックだったろう。見た目は淡々としていたが。 命の最終宣告に立ち会うのはもちろん人生で初めてだが、医者の
台風に備えてライトを買う。 というのもここ数日で家の整理をしていたら古い懐中電灯が何個も出てきた。俺が小学校の頃からあるようなものまで出てきた。当然古いので使えても暗い。 台風がきて停電になった時に困るのもあれなので電気屋でライトを3つ購
兄貴が死ぬ前に色々としなくてはいけない事もでてきた。まず単純に荷物の整理。兄貴はアパートで独り暮らしをしているので、ここの荷物をなんとかしなくてはいけない。しかもこれがかなりの量。正直どうしたもんやら‥。 とりあえず家に荷物を持ち込めるス