全体で90曲からなる大部の曲集(副題は“SOLO FOR VOICE 3-92”)。各曲は「SONG/歌」、「THEATRE/演劇」、「SONG WITH ELECTRONICS/エレクトロニクスを伴う歌」、「THEATRE WITH ELECTRONICS/エレクトロニクスを伴う演劇」という四つのカテゴリーに分類される。さらに「エリック・サティとヘンリー・ディヴィッド・ソローを結びつける」という主題に対して「RELEVANT/関連あり」の曲と「IRRELEVANT/関連なし」の曲がある。「関連なし」の曲はジェイムズ・ジョイス、マルセル・デュシャン、R・B・フラー、マーシャル・マクルーハン、N・O・ブラウンなどに関連するものを含む。楽譜の記譜法もまた五線記譜、図形譜から言葉による指示書など、可能性の限りを尽くしている。演奏を複数で行う場合は、それぞれ個別に自分自身の演奏曲を選び出し、構成し、同一空間で演奏する。曲集全体に流れる思想は非暴力のアナーキズムあるいは実際的アナーキズム、互いに異なる複数の存在がいかなる支配も受けず共存することの肯定、相互浸透であって、演奏はそのささやかな成就となる。