PASTIME -RUDE FOR MUSIC, LOOSE FOR LIFE-

2005/09/19(月/祝) 16:00〜23:00
＠下北沢WEDGE http://www.toos.co.jp/wedge/
GUEST DJ: MARGINAL (SAKAI+SAGARAXX)
DJ, VJ, MC: THE PASTIME GANG

W/FLYER: \1500 [1D, 気晴らCD & 気晴ら新聞]
DOOR: \2000 [2D, 気晴らCD & 気晴ら新聞]
※気晴らCDは限定30枚です！！！

◆回想・ディスコ
美しくフロアを舞う陽子。健一がその手をとって、二人は踊る。

◆車の中。遠くから波の音が聞こえる。

陽子「――(息をつく)」
健一「――（荒い息）」
陽子「どうしたの?」
健一「――（ワイシャツにネクタイ姿）」
陽子「どういうこと？」
健一「いいんだ、やめたよ」
陽子「なにを？」
健一「――」
陽子「なにを？」
健一「いいんだ」
陽子「よくない」
健一「――」
陽子「背広着てきたこと、関係あるのね？」
健一「――」
陽子「どうして着てきたか、聞かなかったでしょ」
健一「――」
陽子「私のためじゃないこと、分ったもの」
健一「――」
陽子「なんか、予定が出来たんだなってすぐ思ったわ」
健一「――」
陽子「何時に、どこに行くの？」
健一「よすよ」
陽子「無理しないで」
健一「――」
陽子「無理は、よくないわ」
健一「土屋っていう、俺を入社させるっていってる部長が、昼飯にアメリカ人をよんだっていうんだ」
陽子「そこに来いって？」
健一「ああ」
陽子「英語しゃべるわけ？」
健一「無理だよな。マン・ツー・マンでやり出して、三日しかたってないんだ」
陽子「大丈夫よ。とにかく中学からやってるんだもの。無理すりゃ、多少のことはしゃべれるわよ」
健一「――」
陽子「お昼に、どこへ？」
健一「成城」
陽子「それじゃ、こんなとこまで来ちゃって、大変じゃない」
健一「行きたくない」
陽子「でも、行ったほうがいいと思ってるわ」
健一「――」
陽子「そうでしょ？」
健一「――」
陽子「いいの。気にしないで。いい会社に内定して、頑張ってるの、悪くないわ」
健一「君は忙しいし、夜は俺が英語だし、また日曜まで逢えない（と抱きかかえる）」
陽子「――たったの七日だわ」
健一「行きたかった。二人で、行きたかった。今日は、その気だった。」
陽子「ホテルで…、ってこと？」
健一「――（愛撫する）」
陽子「待って。ワイシャツ皺になっちゃうし、そろそろ向かったほうがいいわ」
健一「――（愛撫する）」
陽子「よくない。銀座の近くでおろして。映画随分見てないの。『トッツィー』も『ガンジー』も、みんな見損なっちゃったわ。一つだけ、一つだけ（ようやくはなれ）聞いときたいことある質問、今日はさせて」
健一「なに？（愛撫をやめない）」
陽子「ここからだと、そのくらいの時間しかないもの」
健一「なに？（まだ触れている）」
陽子「もし――もしよ」
健一「ああ（陽子が手を取って、触らないで、というようにしても、またすぐさわる）」
陽子「（その手を今度は本気でやめさせて）私じゃなくてもいいの。誰とでも―」
健一「うん？」
陽子「結婚したら、奥さん、ディスコには行かないほうがいい？家をまもってるほうがいい？」
健一「――」
陽子「どう？」
健一「――」
陽子「正直に答えて」
健一「どういって貰いたいのか―」
陽子「どうもいって貰いたくないわ、あなたの気持」
健一「出来たら、いてくれた方がいいよ」
陽子「家に？」
健一「ああ」
陽子「働かないで？」
健一「そのくらいの甲斐性は、あるつもりだから」
陽子「――そう」
健一「がっかりした？」
陽子「ううん。いいの。車、バックして。」
健一「――」
陽子「今日は、これで、終わり（指で健一の首から肩をなぞる）」
健一「（その手をにぎって）こっちも、一つ、質問がある」
陽子「うん？」
健一「――」
陽子「なに？」
健一「――その、すごくさっぱりしてるな」
陽子「そう？」
健一「俺のほうは、もっと、ずっと抱いていたくて、未練たっぷりだ」
陽子「フフ」
健一「女ってどのくらい性欲あるのかな？」
陽子「フフ」
健一「うん？」
陽子「きっと、相当なもんだと思うけど、まだ、あんまり目ざめてないのよ。だから私は、いまは、映画なに見ようかな、って考えてる。」
健一「一番よさそうなのは、一緒の時に、とっといてくれよね」
陽子「いいわ」
健一「フフ――悪いな」
陽子「ううん。いいわ。あやまらないの。」
そんな二人…

そんなパーティ、パスタイム。