mixiで趣味の話をしよう

mixiコミュニティには270万を超える趣味コミュニティがあるよ
ログインもしくは登録をして同じ趣味の人と出会おう♪

開催終了リーランド戦記ひとりプレイ

詳細

2021年01月04日 14:35 更新

 オリジナル舞台、リーランド地方を舞台にした一人ロードス島戦記プレイ。

コメント(57)

  • [18] mixiユーザー

    2021年01月17日 13:59

     村長を倒した後、もともとはゼーラの部族の者だったアンデット達を浄化する。村長が、奴隷を買ってアンデットにし、村を作っていた理由は謎である。
     しかし、魔術師だっただけはあって、村長の家を探すと、抗病毒の護符が二枚と使用回数三回の極少魔晶石がひとつ手に入った。
     ゼーラは何もいらないといい、護符はエドワードとビクトリアが、魔晶石はグリンウィルがもらい受けた。
     なお、グリンウィルは村長の禁断の魔術の魔導書がどこかにあるはずと、仲間には内緒で密かに捜索。隠された禁断の魔術書を発見する。

     ゼーラの旅の目的はここで終わった。仲間をちゃんと故郷に埋葬しなくていいのかと問うエドワードに、ゼーラは他の部族に奪われた土地だから行っても意味がない、と断った。
     これからどうするかを問うエドワードに、ゼーラは自分の目的を助けてくれた恩返しと新しい目的を見つけるために、旅に同行したいと答えた。

    経験点 1000点 特技点 10点 全員3レベルに。 
  • [19] mixiユーザー

    2021年01月24日 09:07

    「城砦都市ノルト」
     エドワード達は、リーランド地方を東西に結ぶ街道に出た。ほどなくして、街道上の城砦都市ノルトに到着する。
     ゼーラは弓を買いに行き、エドワードも同行。ビクトリアは、ファリス神殿に挨拶をしに行く。グリンウィルは宿の部屋に引きこもり、こっそり手に入れた魔導書を読み始めた。
  • [20] mixiユーザー

    2021年02月18日 12:30

     ビクトリアがファリス神殿に赴くと、近くの古神殿を妖魔に占拠されたので、退治して欲しいという依頼を受ける事になった。
  • [21] mixiユーザー

    2021年02月21日 17:00

     古神殿にはどんな妖魔がいるのかと思いきや、居たのはホブゴブリンリーダーとホブゴブリン二体だけだった。グリンウィルのスリープクラウドでホブゴブリン達は眠ってしまい、ホブゴブリンリーダーも、エド・ビクトリア・ゼーラの三人の近接攻撃の前に、あえなく倒れた。

     拍子抜けする依頼だったと、自分たちの成長を実感するエドワード達だったが、そこへここを占拠した妖魔たちの本当のボスであるダークエルフ・ローグが、部下のオーガを連れて戻ってきた。
     最初のイニシアティブ判定は、エドの失敗で負ける。オーガは5レベルだが脅威レベル+1なので実質6レベルとなると緊張が走る。
     ダークエルフはさらにオーガにファナティシズムをかけ、命中を上げてきた。今回、前衛に出ているのはエドのみで、受け判定には成功するものの、これまでロクな報酬がなかったので装備が初期状態なので、戦いが長引くと厳しいかもしれない。
     後攻で、ビクトリアがエドにモラルをかけ命中率アップ、グリンウィルはボディプロテクションかシールドで迷うが、受け率と受け値の上がるシールドを選択してエドにかける。エドの攻撃は命中、ゼーラは弓攻撃に失敗したため、ここで集中力を使用。
     続くオーガの攻撃は失敗するが、ダークエルフは精霊魔法デストラクションを唱えた。目標はエドワード。騎士は抵抗力が高いが、3レベルのエドは、まだ51しかない。しかし、なんとか抵抗し、事なきを得る。当然、PC達のターンでグリンウィルがカウンターマジックをエドにかける。
     数ターン後、グリンウィルのエネルギーボルトでオーガに止めを刺す。ここでPC側の行動が終了していれば、ダークエルフの逃亡もあり得たが、最後にエドの行動が残っていたので、ダークエルフを接近戦に持ち込む。
     ダークエルフを逃亡させようとしてみたが、逃亡判定がややこしく、結果、逃亡できなかったダークエルフは、ファリス神殿を穢されたビクトリアの怒りの一撃で命を奪われた。(1d6+12で最大の18点ダメージ、HP0イコール即死ではないが、なんか即死したと納得してしまうような状況だった)
     
     
  • [22] mixiユーザー

    2021年02月21日 17:03

     古神殿の妖魔を退治し、エドたちはノルトに戻る。今回は神殿から依頼をうけていたので、きちんと報酬を得ることが出来た。

    報酬 一人2000GP
    経験点 1000点 特技点 10点 全員4レベルに。
  • [23] mixiユーザー

    2021年02月21日 17:05

     実際には一人プレイなので、毎回、イニシアティブ判定を忘れる。(今回も途中から忘れてた)
  • [24] mixiユーザー

    2021年02月23日 16:52

    「東か西か」
     ノルトのある街道は、東の王国と西の王国に繋がっている。
     どちらに行こうかという話になり、西の王国が交易の中心として栄えているので、西に行こうという話になった。
  • [25] mixiユーザー

    2021年02月26日 20:59

     ノルトを出たエド達だったが、数里も進まないうちに、傷ついた騎士と出会う。

    エド「おい! しっかりしろ!」

     騎士を助けようとすると、どこからか弓矢が飛んで来た。
     
  • [26] mixiユーザー

    2021年02月27日 12:33

     弓による射撃(主動作)を行ったので、隠密状態が解除され、隠れていた敵が姿を表す。

     ダークエルフローグが二人。
  • [27] mixiユーザー

    2021年02月28日 09:06

     ダークエルフ・ローグとの戦闘は割愛。精霊魔法インビジリティを使用して、2ターンに一回の奇襲射撃はどんなものかやってみたかったが、一人プレイでは煩雑過ぎてやりにくい。
     主動作で出現した瞬間に、魔法は抵抗力が高いがとにかく集中攻撃。弓じゃなくて近接攻撃だと、接触毒があるので、ビクトリアが回復にまわるので、結構長引くし、後衛があぶなくなってくる。

     ここではなんとか勝ったとしておく。

     助けた騎士は隣の都市からやってきた。現在、隣の都市は妖魔の連合軍に包囲され、危険な状態にあるらしい。
     援軍を求めて、ノルトにやってきた。まずはファリス神殿に連れていって傷の回復。ファリス神殿の司祭は、この急報をノルトを運営する評議会に連絡しに行くことになった。

     しかし、ノルトの評議会は腰が重い。援軍を出すどころか、ノルトの城門を閉ざし、防御を固める意向らしい。ファリス神殿はせめて有志で援軍を送ろうとするが、都市防衛に必要な戦力としてファリス神殿所属の神官戦士の移動を禁じてきた。

    エド:「援軍が行かなきゃ、籠城戦なんて勝ち目はないんじゃないか? 大丈夫なのか?」
  • [28] mixiユーザー

    2021年03月07日 09:00

    エド:「こうなったら、たとえ俺一人でも」
    グリンウィル:「ノルトが大軍で援軍を派遣するならまだしも、一人で行ってもなんにもならないだろう?」
    エド:「だからって、見捨てろっていうのか!?」

     エドとグリンウィルは口論になるが、エドが行くなら自分もとゼーラも行くといい、本当に無茶をしそうなら止めればいいかとグリンウィルも同意。なお、ビクトリアはもともとここのファリス神殿の所属ではないので、最初から一人でもいく気だった。
     評議会の命令によって城門が封鎖される前に、早朝、エドたちは旅立つことにした。
     そこへ松葉杖をつきながら、ひとりの騎士がやってくる。エドたちが助けた騎士レイノルドだった。

    レイノルド:「我々を救うために援軍に行ってくれる君たちに感謝する。私も同行できなくて申し訳ない」
     そういって、レイノルドは一通の手紙をエドに手渡した。

    レイノルド:「その手紙には、君たち、騎士エドワード殿他三名は、義によって我々を救うために立ち上がった勇士だと書いてある。君たちの身分を証明するものだ」

    エド:「騎士って、俺は騎士に憧れているだけで正式な騎士ではないですよ」
    レイノルド:「いや、君はもう立派な騎士だよ」
    エド:「ありがとうございます」

     こうして、エドたちはノルトを後にした。
  • [29] mixiユーザー

    2021年03月16日 12:19

    救援に向かう国の名前はウインド王国。北と西と南を繋ぐ街道に栄える都市国家。
  • [30] mixiユーザー

    2021年03月16日 12:40

     ノルドとウインドを繋ぐ街道には、いくつかの街と宿場町があるが、どこも防御を固めるか逃げ出す準備をしていた。
     ウインドの手前の宿場町に、ようやくたどり着く。町では家屋の燃える煙が上がっていた。
     どうやら、敵襲を受けているらしい。
  • [31] mixiユーザー

    2021年04月07日 21:08

     宿場町では、街の住人のほかにドワーフの一団が戦っていた。

     魔法が届く距離になったところで、グリンウィルがスリープクラウドを使用。護衛にゼーラを残し、エドとビクトリアはそのまま前進。
     レベルも上がり、エドに魔法援護を掛けずとも低レベルの敵なら、苦戦することもなくなってきた。

    ドワーフ「助太刀感謝する」
     ドワーフの一団は、北の聖王国ヴァルンからやってきたマイリー神殿の神官戦士隊。ヴァルンの派遣した援軍の一隊だった。
     ウインドを救うために、まずは周辺の敵を排除していたという。
     これから、いよいよウインドを救うための決戦を行うというので、エドたちも加わることになった。
  • [32] mixiユーザー

    2021年04月10日 18:19

     ヴァルン軍の本隊に合流。三日後に、いよいよ敵と決戦を行うという。
     神官戦士たちの好意で、エドは騎士らしくプレートメイルを譲ってもらう。

     ヴァルン軍は、あえて自分たちの存在を強調することで、ウインドを包囲している勢力の目を向けさせ、ヴァルン軍と戦うように仕向ける。
     弓兵による攻撃の後に、精鋭の重装騎士たちが突撃して行く。エドは、正規の騎士の戦いを始めて目の当たりにする。
     やがて、エドたちが加わった左翼の歩兵部隊も前進が命じられた。

     戦いはヴァルン軍の優位に進むが、ここで予定外の事が起きる。なんと、敵は攻撃を受けているにも関わらずウインドの攻撃を続行。城門が破られ、敵がウインドの城下へ雪崩れ込んでいった。

     戦いは城下での乱戦にもつれ込む。
  • [33] mixiユーザー

    2021年04月10日 18:28

     妖魔たちは、ウインド城下を好き勝手に暴れていた。あちこちで、ウインドの兵士が倒されていく。
     ヴァルン軍は、籠城していたウインド軍の状況がつかめず、とにかく王城を目指していた。

     妖魔たちと戦いつつ進むエドたちは、途中、一人のウインド騎士を助ける。
    「神殿に女子供たちが避難している。そちらに妖魔どもが向かっていった・・・・」
     こう言い残して、ウインド騎士は息絶えた。
     助けに行かねばならないが、戦力をどう割くべきかマイリー神官たちは、一瞬、判断を迷わせた。
    エド「オレ達が神殿に行く。最初から予定外の人間だからな」
    神官戦士「わかった。頼むぞ」
  • [34] mixiユーザー

    2021年04月10日 18:36

     神殿前では、一人の女騎士を先頭にウインドの兵士がリザードマンの集団と戦っていた。
     その中でも、もっとも強そうなのはノーブル・リザードマンだ。
     ノーブルリザードマンは、援軍のエドたちの攻撃に味方が倒されると、魔法を唱えて変身する。

    グリンウィル:「あれはもしや竜語魔法!?」

     竜人形態のノーブルリザードマンは、ブレスを吐いた。エドが炎を包まれる。強敵ではあるが、ビクトリアが毎ターン回復し、グリンウィルがありったけの援護魔法をかけ、ゼーラの弓がちまちまとHPを削り、最後はエドがとどめを刺した。
  • [35] mixiユーザー

    2021年04月17日 07:05

     ヴァルンの援軍の大将は、タリス王子。
  • [36] mixiユーザー

    2021年04月18日 19:01

     ウインド王国から南に伸びる街道に、三人の旅人がいた。グリンウィル・ビクトリア・ゼーラの三人だ。
     エドの姿はない。彼は、ウインド王国を救いに来た勇気と最後の決戦における功績を称えて、正式な騎士に叙勲されることになったからだ。
     ウインド王国の南には、山脈を越えた向こうに三人の賢者がいる国がある。グリンウィルが魔法の勉強をするために向かいたいというので、ビクトリアとゼーラも同行することにした。

    ビクトリア「じゃあ、そろそろ行きましょうか」

     やや小高い丘から自分たちが救った王国を眺めた後、名残惜しさを振り切るようにビクトリアが言い、グリンウィルとゼーラもうなづいて新しい旅の目的地に足を向けた。短い間だったが一緒に行動した騎士見習いの事を心に秘めつつ、いつかはこうなるはずだったと、踏ん切りをつけ、三人は足を前に出した。

    「おおーい!」

     そんな三人に、大声で必死に呼びかける者がいた。馬に乗る何者かが、こちらに向かってくる。

    ビクトリア「エド!?」

     やってきたのは騎士らしくプレートメイルを着込んだエドだった。

    エド「良かった、間に合った!」
    ビクトリア「なによ、見送りに来てくれたワケ?」
     エドは、馬から降りると、三人の元に駆け寄った。
    エド「何言ってるんだ? オレも一緒に行くんだよ」
     エドは、馬から旅の荷物を降ろしながら、後から追ってきた従者に、馬は預ける。
    ビクトリア「アンタ、騎士としての務めはどうするのよ?」
    エド「いろいろ考えたんだけど、騎士の叙勲は断ってきたよ。オレはまだまだ未熟だし、もっと世界を見て回りたいんだ」
     エドの言葉に、グリンウィルはやれやれとため息をついた。竜語魔法の使い手と戦えるほどの騎士が未熟なら、この世界のほとんどの騎士は未熟と言うことになる。
     ビクトリアは、アンタはバカだとエドと口喧嘩を始める。そこへ新たな集団がやってきた。ヴァルン王国の騎士たちだ。

    タリス王子「君たちも旅立つところか。間にあって良かった。今回の戦いでは、我が妻になる予定の女性を助けてもらい、とても感謝している」
     タリス王子が、わざわざ馬から降りて頭を下げてきた。エドだけはすでに事情を聴いていたのだが、孤児院の戦いで避難していた人々を守っていたのは、ウインド王国の姫だったらしい。
    タリス王子「近々、彼女とは結婚式を挙げる予定だ。その時には、ぜひ君たちを招待したい」
     そう言い残して、タリス王子とヴァルンの一行は北の彼らの故郷に帰って行くのだった。

    エド「さあ、オレ達も行こうぜ!」
     いつの間にか、南へ進む街道を歩き始めていたエドを、待ちなさいと怒りながらビクトリアが追いかける。その様子を見たグリンウィルとゼーラは、お互いの視線が合いどちらからともなく笑うと、先を行く二人に遅れまいと南へと歩き始めた。
  • [37] mixiユーザー

    2021年08月05日 21:15

     ウインド王国の戦いから六年後。エドワードは、リーランドの西の果てにある王国に居た。
     妖魔に襲われる村を助けるため、その剣を振るっていたところを、その国の王に知られ王国の騎士にならないかと誘いを受ける。
     最初は、ひとつの国に仕えずに人を守るために剣を振るいたいと、その申し出を断ったエドワードだったが、「一人で守るには限界がある。人を率いる立場になれば、君ならより多くの人を救うことも可能だ」と教え諭され、王国の騎士になった。

     ここに来るまでに、グリンウィルは学ぶべき師を見つけパーティを離れ、ゼーラは砂漠の民の長に見初められパーティを離脱。
     ビクトリアは最後までエドと一緒だったが、エドが王国騎士となり身を落ち着けたにも関わらず求婚してこないことに愛想をつかし、ファリス神殿に行ってしまった。
  • [38] mixiユーザー

    2021年08月09日 18:45

     古代カストゥール王国の崩壊後、カストゥールが管理していた魔獣や幻獣が解き放たれ、人々の生活は脅かされいている。そんな人々を守るために、エドは頻繁に王国内を巡回していた。
     そして、久々に王都に戻ったエドは、王に呼び出された。

    「すまぬな。このような格好で」
     王は、寝台の上で上半身のみを起こして、エドと謁見した。
    「いえ、そのような事はお気になさらず」
     一年前、エドが王と出会った時、彼は自分で馬に乗っていた。それが、この一年で身体を悪くし、今ではこのような有様だった。
     今回の呼び出しは、一体、どのような話なのだろうか。
    「エドよ。お前には騎士団長になって貰いたい」
    「は?」
     さすがに唐突な話で、エドは面食らった。
    「私よりも、適任の方はいらっしゃるのではないでしょうか?」
     この国は、それほど大きくはない。かつて戦いに参加したウインド王国よりも規模は小さい。騎士団長は王が兼任しているぐらいの小ささだ。さらには、大きな戦もなく、全てを束ねる騎士団長は空席のままだった。
     もっとも、王の現在の容態を考えれば騎士団長を置く必要は分からなくもない。ただ、それにしても新参の自分が指名されるとは、エドは思っていなかった。
    「エドよ。お前に置いて他はない」
    「しかし」
     王は有無を言わせなかった。もとより、これが他のことであれば王命は絶対だ。だが、こればかりは、いかにどん臭いエドですら、新参者が騎士団長になることに、どれだけ周囲が敵意を向けてくるか、理解できないわけではない。
    「大任を与える褒賞として、これを与えよう」
     王は、エドの胸の内など知らぬとばかりに話を進める。王が侍従に持ってこさせたのは、笛だった。
    「これは?」
    「竜笛だ」
     
  • [39] mixiユーザー

    2021年08月09日 18:53

    「竜笛?」
     エドは、馬鹿のように王の言葉を繰り返すことしか出来なかった。ここに魔法使いのグリンウィルがいれば、あれこれ説明してくれただろうが。
    「お前はかつて竜を求めてこの国にやってきたといっていたな」
    「はい」
     それは、白蛇の砂漠で邪悪な部族との戦いで聞いた話だった。かつて、このリーランドの西の地に、竜の背に乗る竜騎士がいたという話だ。
     その話を聞いて、エドはこの国に来た。最後まで一緒だったビクトリアは、この国で騎士になる事が決まってから、なぜか機嫌を悪くし、最近では顔を合わせてすらくれない。
    「かつて、この国には確かに竜騎士がいた。しかし、竜に乗る者には呪いが降りかかる。竜熱だ」
     様々な単語が飛び出し、エドの理解がついて行かない。
    「王国をある程度守れるようになってから、竜の呪いにかからぬよう竜は南の山へ返したのだ。故に、この国に竜騎士は居なくなった」
     いったい、王はなんの話をしているのか。
    「私の身を蝕んでいるのは、竜熱だ。私もかつては竜騎士だった。そう長くはない」
  • [40] mixiユーザー

    2021年08月12日 21:30

    「エドよ。その竜笛は、私の持っていた竜笛だ。お前は騎士団長となるのだ」
    「は!」
     もはや逃れる事は出来ない。ここまで信頼されて、これで辞退は出来ないなと覚悟を決め、エドは恭しく竜笛を王の手より受け取った。

     王宮の別室では、王弟ジェラルドが一人の騎士から、王とエドの会話が伝えられていた。
    「あの流れ者が騎士団長にだと!?」
     ジェラルドが、手にしていたワイングラスを床にたたきつけた。彼がなぜ、これほどまでに激昂したのかと言えば、王が内心でエドに玉座を譲るつもりでいる事を、彼だけだが理解したからであった。
     この国の騎士団長の地位は、王が兼任している。だからこそ、これまでその地位は空席だったのだ。病魔に侵されていながら、この国の今後をしっかりと考えている。どうせ病魔に侵されているなら、毒を盛るまでもないと油断したのが失敗だった。
    「汝の為したいように為すが良い」
     ここには、信頼できるものしかいない。ジェラルドは、信仰を禁じられている暗黒神の教えを口にし、口元を歪ませた。
     こうなったら、自分の手元からすり抜けていく前に、この国を自分の物としなければ。
  • [41] mixiユーザー

    2021年09月29日 21:05

     その夜、宿舎に戻ったエドは竜笛を眺めてみた。
     窓を開け放つとちょうど満月だった。なんとはなしに、竜笛を吹いてみた。

     はじめ音が出ず、少し息を強めにしてみた。すると、なんとも耳障りな音が出た。
    「笛を吹くことになるなんて思わなかったし、もう少し旅の途中でこういうものに興味を持つべきだったな」
     この笛を使いこなすのは難しそうだなと思いつつ、エドは寝ることにした。

     王都の南に連なる大山脈のどこか。自然の洞窟の中で、全身を鱗に覆われた巨大なものが、身じろぎした。
     不愉快そうに半目を開く、いま、誰かに呼ばれたような気が。
     しかし、耳には何も聞こえてこない。気のせいだったようだ。

     かつて、古代王国の魔術師たちの呪縛から解き放たれ、彼らは大空を自由に舞っていた時があった。
     あの頃、心地よい笛の音とともに空を舞っていたほんのわずかな時期を思い返しつつ、それは再び眠りについた。
  • [42] mixiユーザー

    2021年09月29日 21:12

     王宮の別室にて。ジェラルドは自分の望む物について考えていた。
     
     王の玉座が欲しい。この国を手に入れたい。絶対的な権力により、この世の富をすべて集め、巨大な軍隊を築き、さらに力を高めたい。

     欲しい欲しい欲しい。
     
     考えれば考えるほど、欲しいものは膨れ上がっていく。
     暗黒神は彼に言った。「汝が為したいように為すがいい」為したいように為すためにはどうすれば良いだろう。
     子供が親にねだる様に、玉座を欲しがり富を欲しがっても手に入れることは出来ない。為したいように為すためには、彼自身がまず王にならなければならない。それだけは、彼自身が成し遂げなければならない。
     ならば、そうするためには。

     兄には消えて貰おう。
     
     ジェラルドは、自分の為すべきことを見つけた。
  • [43] mixiユーザー

    2021年10月20日 12:34

    ある日の事、ファリス神殿のビクトリアのもとに、エドが相談があると言ってやってきた。

    ビクトリア「相談って何よ」
    エドにしては気を使ったらしい手土産の菓子を受け取りつつ、ビクトリアは話を促した。

    エド「実は王弟ジェラルド殿下と親しい貴族達から、剣の手合わせを頼まれていて、これが私的なものなら構わないが、大勢の見学者の前でという事になって、それでまあ、俺みたいな新参ものが相手に恥をかかせるのも、どうかと思ってね」

    ビクトリア「なるほどねぇ」

    どうやら、エドはあえて負けるつもりの考えのようだった。
  • [44] mixiユーザー

    2021年11月03日 20:44

    ビクトリア「アンタもいろいろ考えるようになったのね」
    エド「さすがになぁ」
     頭をかくエド。

    ビクトリア「アンタらしくないわね」
    エド「え?」
    ビクトリア「わざと負けるなんて、アンタらしくない」
     ビクトリアの言葉にエドは戸惑った。
    ビクトリア「昔、ウインド王国を救うんだって、一人で無謀な戦いを挑もうとした正義の騎士様は、どこに行ったのかしら?」
    エド「う」
     あれは無茶な戦いだった。今から思えば、身をわきまえない死ぬほど恥ずかしい話だ。グリンウィル、ゼーラ、そしてビクトリアがいなかったらどうなっていたことか。

    ビクトリア「思い切って戦っちゃいなさい。貴族の社会じゃね。変に加減をすれば付け込まれるの。どの道、あの新参者はって、あなたはやっかみを受ける立場なのよ」
    エド「そうなのか」
    ビクトリア「そういうものよ」
    エド「そうか」

     何か吹っ切れたのか、エドは数日後の手合わせで、優れた剣の力量を見せた。
    「すげぇな、あの騎士様」
    「そりゃそうよ! なんせ、ウインド王国の危機を救ったと言われる救国の英雄様なんだからな」
     観客の言葉に救国の英雄とは話が盛られ過ぎてるなと思いつつ、何も考えず全力で戦ったことをエドは心地よく思っていた。
  • [45] mixiユーザー

    2021年12月31日 17:51

    ビクトリア「剣が折れた?」
     先日の剣の手合わせから、間もおかずにエドは再びビクトリアのもとにやってきた。
     今度は闇討ちに合い、剣を折られたのだという。
    エド「あの剣には愛着があったんだけどな。ついに折れてしまったよ」
     確かエドの剣は、彼が騎士を目指して旅立つときに、武器屋で手に入れた中古品だった。それを今の今まで使い続けたというのも、物持ちがいいというべきかズボラというか、どのように評するべきか微妙なところである。
    ビクトリア「じゃあどうする? さすがに、またどこかで適当な剣をというわけにも行かないでしょう? 新しく作るか、それとも魔法の剣でも取り寄せる?」
     ビクトリアの何気ない言葉に、エドはかすかに反応した。ビクトリアに心配させじと余計なことは伝えていないが、刺客は魔法の剣を使っていた。そして、手合わせのさいに負けた相手が「魔法の剣を使えればお前など」と負け惜しみを言っていたのもよく覚えている。
    ビクトリア「どうかした?」
    エド「いや、いっそ、ヴァルンにまで足を延ばしてドワーフの名工に頼むのも悪くないなと」
     エドは、とっさにごまかした。
  • [46] mixiユーザー

    2021年12月31日 17:56

    ビクトリア「ヴァルンねぇ。わざわざ東の果てまで旅するなら、私も同行したいところだけど、さすがに国王陛下の許可は得られないんじゃないかしら?」
    エド「まあ、そうだよな」
     また昔のような旅にはあこがれるが、さすがにそれは無理だった。
    エド「剣の事はこれから考えるとしよう」

     この数日後、エドは自分自身を鍛えなおすために、南にある竜の住まう山に挑むことにした。

    *今年の初めに書き始めたこの話も、そろそろ、まとめに入ろう。
  • [47] mixiユーザー

    2022年03月18日 11:48

    46の「この数日後」以降を削除
  • [48] mixiユーザー

    2022年03月18日 12:25

    国王の体調が優れない都ということで、ビクトリアは王宮に招かれた。
  • [49] mixiユーザー

    2022年03月18日 12:38

    エドから国王の竜熱の話は聞いていたものの、実際に見るのは初めてだった。
    至高神に祈りを捧げ、癒しの奇跡による回復を試みるが、効果はないように思われた。
  • [50] mixiユーザー

    2022年03月18日 12:41

    癒しの奇跡は、生命力を回復させる魔法なので、国王の生命力そのものが下がってしまっていたら、効果はない。
  • [51] mixiユーザー

    2022年03月18日 21:56

    寿命であるのなら、避けられない事だが、ふとビクトリアは気になって、別の奇跡の祈りを捧げた。

    国王が、うっすらと目を開く。予想が当たってしまったようだ。キュアポイズン。国王は、毒を盛られていたのだ。
    「陛下、大丈夫ですか」

    「いかん、早く逃げるのだ」
    心配するビクトリアに対し、国王が意外な言葉を口にする。国王は、誰が毒を盛ったか、わかっていたのだ。

    「捕まえろ」
    いつの間にか、王弟ジェラルドが扉の所に立っていた。脇には、細身の剣士と兵士の集団がいる。

    国王は、伏せっていたにしてはしっかりとベッドから立ち上がり、ビクトリアを庇うように立った。
  • [52] mixiユーザー

    2022年09月16日 21:29

    46からの続き エド視点 (48から51は保留)

    「試練の山」
     エドは一人、山の斜面を登っていた。かなりの高さにまで登ってきたので、空気が冷たくこのような標高では木も育たないのか、わずかに高山植物が生えるばかりだ。おかげで見通しはいいが。
     眼下には、王都の全景が良く見えた。今のエドの目には、王都はちっぽけな存在だった。あの王都での日々を思い出すと、いっそこのまま気楽な旅に出たくなってしまう。自分はいったい何がしたいのか。
     そう、いまはっきりとわかった。自分は、王が自分に背負わせようとする責任から逃げたいのだ。貴族たちのしがらみは関係ない。責任から逃れたい。そんな自分に愕然とした。自分は、こんなに弱い人間なのかと。
  • [53] mixiユーザー

    2022年09月16日 21:33

    「お若い方、よくぞここまで来なすった」

     ふいに声を掛けられ驚いた。そこには質素な司祭服を着たよぼよぼの老人がいた。胸にかけられたファリスの聖印を見て、エドは敬意を表すためにその場に膝まづいた。
    「頭を上げなされ。お疲れであろう。今宵は、わが神殿に泊まっていきなさい」
     
  • [54] mixiユーザー

    2022年09月19日 21:31

     老司祭によれば、このファリス神殿は人と竜の土地の境界に当たるのだという。しかし、竜は直接姿を現すことはなく、大抵は魔術の力で追い返されるらしい。つまり、この先に進もうとすれば、エドはその試練を受けなければ先に進むことはできないようだ。
  • [55] mixiユーザー

    2022年09月22日 12:51

    古代王国カストゥールが崩壊した際、かつての支配者に牙を剥いたのは、暗黒神ファラリスを信奉する蛮族の民だった。
    彼らの長は、リーランドの新たな支配者となったが、力が全てという国とも言えぬ国が長く続く事はなく、族長の死とともに、後継者を巡る戦いが勃発した。

    その結果、ファリスを信奉する司祭に導かれ、今の王国が誕生した。

    その時、暗黒神を信奉しカストゥールの魔法の武具で武装した部族の追撃を受けたが、それを撃退したのが、この山の竜である。
    そのような話を、エドは老司祭から教えられた。
  • [56] mixiユーザー

    2022年09月22日 13:04

    翌朝、エドが目覚めると、そこに老司祭の姿はなかった。
    それどころか、エドが寝ていたのは神殿ではなく、ただの岩の張り出しに過ぎなかった。

    どうやら、既に竜の境界を越えているのだろう。昨晩の出来事は、全て魔法だったに違いない。

    朝の空気は冷たい。
    「行くか」
    白い息を吐きながら、エドは山頂へ進み始めた。

    まずは第一歩、足元が魔法の幻術ではないか恐る恐る確かめながら。
  • [57] mixiユーザー

    2022年09月22日 13:14

    55と56の間

    その晩、エドは夢を見た。かつての冒険の夢だ。
mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!
  • 2021年01月04日 (月)
  • 都道府県未定
  • 2021年01月04日 (月) 締切
  • イベントに参加する
  • 気になる!
参加者
1人