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開催終了スノーマン・ドリーム

詳細

2013年12月01日 00:03 更新

短期集中お手軽企画、第二弾です。
雪だるまに関連する創作作品なら、なんでもオッケー。
小説、コラム、イラスト、立体物、前衛芸術、写真、動画、実物など、ジャンル不問。

レッツ、雪だるま!


☆年齢制限等の発生しない一般向け作品を原則とします。

コメント(89)

  • [51] mixiユーザー

    2013年12月11日 00:18


      天才博士の歪んだ愛情


     その男、ピンク色のふわふわしたダウンの上着の下は、白衣だった。スキー手袋と黒い長靴。それが、よいしょよいしょと大きな雪玉を転がして、ちょっとずつ大きくする作業の真っ最中だった。
    「博士、こっちは、こんなもんで良いでしょうか」
     男に声をかけたのは、助手のヒトミだった。こちらも雪玉を作っている。黒いコートの下は、やっぱり白衣。小柄なせいで雪玉は大きく見えるが、博士と呼ばれた男が転がしているのより少し小さい。
    「あー、そんなもんかな」
     ぎっしぎっしと音を立てて雪玉を大きくしていた博士が、適当なところに出来上がった雪玉を置いた。
    「で、博士。なんだって、こんなものを」
    「言っただろ。実験だよ、実験」
     はあ、さいですか、とヒトミは手袋を脱いでひたいを拭い、ずれた黒ぶちメガネを直した。
    「あー、ヒトミくん、そっちの、これに乗せてくれないか」
     ちょいちょいと指差して、博士は適当に指図したので、ヒトミがふくれた。
    「無茶言わないでくださいよ。重くて無理です」
    「あ、ああ、そりゃま、そうか」
     それじゃ一緒に持つよ、と言って博士はヒトミの反対側を持ち、せーののかけ声で小さいほうの雪玉を持ち上げた。そして、博士が作った大きいほうの上に乗せる。
    「あとは、これを、こうやって……」
     どこから用意してきたのか、伝統の通り炭を使って目鼻を作成。木の枝を差して両手に。赤いスチールバケツをひっくり返して頭に乗せた。
     誰が堂見ても、イメージ通りの雪だるまである。
    「できましたね、博士」
    「ああ。ほぼ、完成」
    「まあ完成ですねぇ、雪だるま……ほぼ?」
    「そ。実験は、これから。仕上げ、仕上げ、っと」
     ヒトミは、嫌な予感しかしなかった。
     博士はポケットから、マッチ箱ぐらいの金属製の装置を引っ張り出して。それを、雪だるまの後頭部にずぼっと埋め込んだ。
    「なんです、それ?」
    「まあ、見てろって。うまくいけば、こいつがしゃべる」
    「は?」
     博士は腰に手を当てて、雪だるまと向き合って仁王立ち。
     と、その時だった。
    「……ワ……ワワワ……ワタワタ、ワタシ、ハ、ダレダ」
     雪だるまがしゃべった。
    「雪だるまがしゃべった!?」
    「な、しゃべったろ?」
    「ろ、じゃなくて博士なななんですかこれ?」
     ヒトミはぱたぱたと無意味に羽ばたきながら取り乱した。
    「どんなものにも命を与える不思議な装置、名付けてお目覚め君。今はまだ知能が低いが、適切に愛情を注いで育ててやればやがて賢い雪だるまに育つと、そういう仕組みで……」
     ヒトミはすかさず目にも止まらぬ早業で雪だるまの後頭部から装置を引っ張り出し、地面に叩き付けて思いっきり踏みつけた。
    「な! なんちゅうことをやってくれるんだねヒトミくん! 苦労したのに。徹夜したんだぞ」
    「これ絶対、春になったら雪だるまが溶けてなくなって泣くパターンじゃないですか! 愛情なんか注いだら、とんでもなく面倒くさい結末が目に浮かぶじゃないですか!」
     そう言うヒトミは、もうぐずぐずの泣き顔になっていた。結末とやらをリアルに思い浮かべていたらしい。これから起こりうる未来の思い出をありありと想像して、感情が一気に入り込んだみたいで。
    「あれれ? ヒトミくん、なんで泣いてるの?」
    「じゃかましい!」
     ヒトミがぶん投げた雪だるまの頭部は、博士の顔面にクリーンヒットした。


     その夜。
    「……ワ……ワワワ……ワタワタ、ワタシ、ハ、ダレダ」
     地面から、声がした。


     おわり
  • [53] mixiユーザー

    2013年12月11日 01:04

    >>[52]

    あとは愛情を注いで育て上げるだけですね。
  • [54] mixiユーザー

    2013年12月13日 19:02

    >>[50]

    ニンジンだ!ニンジンを買うんだ雪だるまくん!

    そーら雪だるまくん、新しい鼻だよ!
  • [57] mixiユーザー

    2013年12月15日 21:06

    これでどうだ。
    今シーズン初リアル雪だるま。
  • [60] mixiユーザー

    2013年12月16日 19:01

    >>[59]
    ありがとうございます。
    せっかく豪雪地域に来たわけだし、何かのやらないと損かなと思って作ってみました。

    通行人に笑われました。
  • [62] mixiユーザー

    2013年12月17日 22:38

    文章の創作は、またあとで。
    とりあえず、雪だるま、雪おとこ、雪おんな、です(笑)
  • [63] mixiユーザー

    2013年12月17日 23:08

    >>[61]

    北海道で雪だるまネタがNGってのは、私も初めて知りました。
    世界有数の豪雪地帯こと新潟県南魚沼近辺は、気温2度が最適となる重たいベタ雪なので、雪だるまにはもってこいです。

    代わりにクルマのフロントガラスにはへばりつくわ、雪かきは重いわ、ひたすら積もって溶けないわ、家はつぶれるわ。凄いですよ。
  • [65] mixiユーザー

    2013年12月17日 23:13

    >>[62]

    勢ぞろいしてる!!!
    これが本編に登場するとかですか?
  • [66] mixiユーザー

    2013年12月17日 23:18

    >>[64]

    まあ、フィクションなんですから、そこらは気にしすぎてもしょうがないと思いますよ。
    北海道で雪だるまとか、イメージはズレてない気がしますし。ハウスシチュー的な。
  • [68] mixiユーザー

    2013年12月17日 23:25

    >>[67]

    機動戦士ガンダムの富野監督が、ガンダムの科学考証について質問責めにあった時に残したこの名言が、私は大好きです。

    「ガンダムはSFではなく、ロボットアクションものです」
  • [70] mixiユーザー

    2013年12月17日 23:44

    >>[65]
    いえいえ、文章の場合は、もちろん雪だるまの話にしますよ。
    とりあえずは、自作イラストをお楽しみください。
  • [80] mixiユーザー

    2013年12月18日 20:52

    >>[72]
    自作イラストが褒められるのは初めてなので、うれしいです。
    物語の方もぜひとも作って、ここに投稿できるようにがんばります。わーい(嬉しい顔)
  • [82] mixiユーザー

    2013年12月25日 00:22


      なにもない世界で


     私には、もう何もなかった。
     つきあっていた彼氏の親戚か何かがわけのわからない金貸しに世話になったらしく、おそらくは黒っぽいアレなのだろうけれど、その親戚とやらは彼氏もろともそのままどこかへ逃げた。消えた。おかげで、とばっちりがなぜかこっちに来て、私は財産のあらかたを持っていかれた。とーぜん理不尽だ。が、道理の通じる相手ではなくて、私は身も心も真っ白になった。
     どうにか連中の目から隠し通したなけなしのへそくりを握りしめ、極北の世界へと向かう片道切符を手に入れた。ここは、ステーションの待合室。旅行にでも行くのか、楽しそうな若者数人のグループがはしゃいでいたり、ビジネススーツでひざに乗せたミニパソコンをいじってるおじさんがいたり。私と同じように、女一人で大きなトランクを引きずっている人物も見かけたが。私のように、ヨレヨレのボロボロということはなかった。
     十分ほど遅れて、私を乗せた希望の船はステーションから出航した。


     そのなにもない世界は、なにもない私にとって、とても優しくて暖かいところだった。
     高層建築もない、大きな企業も軒を連ねていない、繁華街なんて言えるようなものはなくて、代わりによくバザーのような自由市場が気まぐれに現れたり消えてなくなったりする。
     実際のところ文無しの私を暖かく受け入れてくれたのは、そんな、なにもない開拓地だった。私が暮らすことになった村は、人口が100人にも満たない。赤い大地にようやく農作物らしきものができはじめたという程度の、カプセルのような簡易住居がぽつぽつと立ち並ぶだけの殺風景な農村で。水と空気さえ貴重品で、旧式の生成機がガッタンガッタンとポンコツの音を立てているのが日常の景色だったり。だけど、そんな所に人が暮らしているのだというだけで、私には感動的だった。
     そういう土地に暮らし始めてわかったことがある。村の人たちにとっても、ただ私が同じ村に暮らしているというだけで、村にとっては大切な資産になるのだ。ここは開拓地、まず人が暮らしていかないことには、未来は開けない。そういう場所なのだ。
     実際、ただ人が暮らしているというだけで、政府はわずかばかりだか村に補助金を支給してくれるらしい。まだ見ぬ遠い未来への投資というわけだ。その生きるだけで過酷な土地にあって、住み着いて大地を拓き、生活を営み、経済活動を始め、結婚し子を生む。そういったことが、新しい世界を人の住める社会にするためには必要なのだ。
     そう。私にも、新しい相方ができた。彼も、いろいろあって人生を棒に振った過去を持つらしい。あまり語ろうとしないけれど、なんとなくわかる。私も昔のことはあまり話さない。だから、よけい何かが通じ合ったのかもしれない。
     その冬、私たちの村にも雪が降り始めた。彼にとっても、ここに来てから初めての冬だった。だから、ここの雪を見るのも初めてなのだ。私と彼は、子どもたちに混じって一緒にはしゃいだ。
    「できた、こっち」
     私は笑って言った。なんとなく転がしているうち、ずいぶん大きな雪玉ができたのだ。前にこんなに笑ったのは、いつのころだったろう。もう忘れてしまった。
    「こっちも」
     相方が言った。笑っていた。こんなに楽しそうな彼を見るのも、ここに来て初めてのことだった。たかが雪、なにがそんなに楽しいというのだか。でも、楽しい。理屈じゃないのだ。
     私と彼は、ふたつの雪だるまを並べて作った。ぴったり寄り添うようにして。
     もう、このころには私の心は決まっていたし、きっと彼の心も。
    「火星の雪がこんなに奇麗だなんて、知らなかった。私、ずっと毎年これを眺めたい、あなたと一緒に」
    「俺もだ」
     私たちは雪だるまと同じように肩を寄せ合い、呼吸マスクを外して、キスをした。


     おわり

     ***

    お気づきと思いますが、海見みみみさんの作品にインスパイアされました(^^;。
    事後報告、すんませーん。
  • [83] mixiユーザー

    2013年12月25日 08:14

    その冬初めて降る雪がもしも積もったら、その雪でゆきだるまをこしらえましょう。
    その雪だるまは特別な雪だるま。
    きっとあなたのお友達になってくれることでしょう。

    ハイ、さて。ここまで決まってますが、どうしたものやら。あと1週間足らずで書ききれるわけないので、いおりんホールドアップ寸前です。

    最近自分の本領を見失いそうな(泣き笑い)いおりんでした〜。

  • [86] mixiユーザー

    2013年12月26日 07:23

    >>[84]

    ありがと〜(*^_^*)
    今年は夏に、初めて娘たちがわたしの書いたお話を読んで感想を言ってくれたので、娘たちの目線でも解かりやすいお話で締めくくりたかったのですが、年越すわぁ…ヽ(^。^)ノ


  • [88] mixiユーザー

    2013年12月26日 09:27

    >>[87]

    さすがに誰も行ったことのない世界なら、ダメ出しのしようもないだろうなと思いまして(笑)
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