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開催終了「電撹異聞クロスレイヤー」みんなで作ろう!不思議な電脳世界の物語。

詳細

2013年06月02日 00:28 更新

    電撹異聞クロスレイヤー

 プロローグ


制服姿の少女は家に帰ると、すぐに自分の部屋にこもり、部屋着に着替えるのもそこそこに、ピンクの縁のサングラスに似たクロスギアを装着した。
利用者認証と脳波同期の手順が完了すると、少女の五感は電脳空間クロスネットへと泳ぎ出す。そこでは、彼女のアバターはピンク色の小鳥の姿だった。
友達とさえずりあい、流行りのゲームで得点を競い合い、ちょっと危険な香りのするデータセクターを覗いてみたりと、どこにでもいるごく普通の少女だった。
その少女が接続中に、忽然と姿を消した。少女の部屋には、脱ぎ捨てられた制服と、直前まで人が着ていたような形のまま椅子にひっかかった部屋着、それとクロスギアが落ちているばかりだった。
奇妙なのは、部屋着の中にそのまま下着が入っていることだった。まるで、中身だけが蒸発でもしたような状態だった。


時は戦国時代。長松塩虎が山城、鮎ケ城は、城内に突如現れた桜色の巨大な妖鳥の放つ焔球により艶やかに炎上しているところだった。
武士どもが果敢に斬りかかるも、なにせ相手は身の丈ほどもある鳥の妖怪、放たれる焔球に丸焼けにされるばかりで手も足も出ない。
結局、事を収めたのはかかえの陰陽師、河場牙門だった。二ノ丸こそ全焼したものの、それきり妖鳥は天の彼方へと逃げ去った。
後に、桜朱雀と呼ばれる妖怪の、これが始めの出来事だった。
「のう、牙門よ」
本丸から黒焦げた二ノ丸を見下ろしつつ、長松はそばの河場に言った。
「そなたの妖術、我が軍勢に伝授してはもらえぬか。どれほど過酷な修行かは想像もつかぬが、中には幾人か会得する者もおるやもしれん。さすれば、戦においてどうとでも使い様があるだろう」
「恐れながら、お館様。この技は修行なり技術なりで身につくものにありませぬ。言うなれば、血筋のようなもので、代々受け継いで来たものです」
そして河場牙門は、桜朱雀が飛び去った空を見つめて、どこか物憂げにこう言った。
「我等陰陽師が一族もまた、かつて異界より現れいでた者どもの末裔ゆえ」

***

というわけで「電撹異聞クロスレイヤー」の始まり始まり。

サングラスのような接続装置(=クロスギア)で電脳空間(=クロスネット)にアクセスして、仮想現実世界に五感を通して入り込める時代、接続中に意識や人体までが電脳空間に吸い込まれて消失する事件がまれに発生している。

電脳空間には人智を超えた謎の異世界(=クロスレイヤー)が発生していて、消失事件の被害者はアバターに関連した姿と能力をもって謎の異世界に出現している。異世界では妖怪や怪奇現象のように扱われていて、霊能者や祈祷師や魔法使いなどが対処している。

消失時、意識や人体は持っていかれるが、所持品や着衣は残される。またアバターの持ち物や着衣は、異世界出現時に反映される。

現実世界の文明背景は、グラサン型装置で電脳接続できるようになってから、超光速機関が完成する直前までのどこか。

異世界の文明背景は、農耕社会が始まってから電話機ができる直前まで。

これら基準は大雑把なめやすです。多少のブレやズレは許容できるものとします。
また、他の投稿作品との設定に整合させる必要はないものとします。このへんは意識してもしなくてもオッケー。
あと、これらルールに微塵でもひっかかってればオッケー。
文章に限定せず、作品ジャンルもなんでもオッケー。

不思議な世界の物語、みんなで作っていきましょう!

コメント(81)

  • [42] mixiユーザー

    2013年06月16日 20:44

    >>[41]

    完成、おめでとうございます。
    かなりの大作じゃないですか。構造も複雑なのに、よく組み上げたなぁと。微調整、大変だったんじゃないかと思います。

    いかにも、これぞサイバーパンクという、世界の入れ子構造が利用されていて、面白かったです。何が現実で何が現実でないか、といったサイバーパンクものでは頻繁にとりあげられる哲学的テーマが、こまごまと隅々まで抽象表現されているのは、印象的でした。
  • [43] mixiユーザー

    2013年06月16日 21:39

    >>[41]
    日記を読みましたが、感想はここに書くことにします。
    日記をいくつかに分けた構造になっていることも含めて、作品を構成しているというのは一種の驚きです。
    「纏め」が、何とも不自由なインデックスだと思いましたが、それも……

    全体の残酷性、性描写も実は……というところがすごいと思います。
    ただしかし、このような構造は、複雑化すればわかりにくくなることが欠点で、
    どこかで止めるか、違った構成を取り入れるか、しなければならないでしょう。
    えくせるさんの作品は、ぎりぎりのところで、その弊害を免れている点、
    よくぞここまでやられたものだと感じました。
  • [44] mixiユーザー

    2013年06月17日 01:12


        ニュース


     以上。いやぁ、本当に可愛い子猫ちゃんでしたね。植木鉢から顔を出している姿とか、むっちゃ癒されました。
     えー、続きまして、クロスネットでいま問題になっている、あるプログラムモジュールに関するニュースです。
     クロスネット利用者の間で、ある特殊なプログラムモジュールの利用が広がっていると、クロスネットセキュリティ機関の調査によりわかりました。そのモジュールを使用してクロスネットにログインすると、主に乖離に似た浮遊感と多幸感をともなう、ある種の覚せい剤使用に似た症状が出る可能性が分析されています。
     プログラムモジュールの動作内容は、主に微積分を繰り返す学術式の計算処理と、高精度なアクセスログの記録とリアルタイム追跡であり、これらはコンピュータウィルスやハッキングプログラム等とは性質が違うので、通常のウィルス対策システムでは発見が難しいものになっています。ご注意ください。
     クロスネットセキュリティ機関の解析によりますと、プログラムモジュールには、あるドイツの研究所のマークが書き込まれていました。そこで番組独自に取材を試みたところ、クロスネット上のプライバシーブロックで匿名のインタビューに応じていただくことができました。

     プログラムモジュールの存在はご存知ですか?
    「私たちも、例のモジュールは確認済、手に入れています。現在解析中です」
     利用者に対してどのような危険性があると考えられますか?
    「現在解析中です」「危険性があるともないとも言える段階ではありません」「はっきりしたことは何も」「いや危険がないと断言することもできません」「ですから、安全だと保証できるわけでもありません」「そういうことを言ってるわけではないでしょう」「落ち着いてます」「ええ、冷静ですよ。次の質問をどうぞ。さあ、どうぞ」
     利用者以外に対してどのような危険性があると考えられますか?
    「ノーコメント。確認できていないことについては、何も言えません」
     えー、ついでですが、消失事件との関連性は?
    「ノーコメント」
     ああ、やっぱり。では最後に、このプログラムモジュールは、そちらの研究所で作られたものですか?
    「そういった事実は確認できていません。当研究所に登録のある開発端末はすべてチェックしましたが、現在のところそういったモジュールを作成したログは出て来ていません」
     本当に?
    「もうログオフしていいですか」
     ごめんなさい。あと、もうひとつだけお願いします。そちらの研究所の開発端末に、問題のプログラムモジュールが存在する、といったことはないということですね。
    「はい。ありません」
     そうですか。では、どうやってモジュールの解析をしたんですかね。
    「……ロ、ログオフします」

     残念ながらインタビューはここで強制的に打ち切られました。
     なお、このプログラムモジュールと、人体消失事件とも言われるクロスネット利用者行方不明事件との関連については、各機関とも明確な回答を得ることができませんでした。
     医学会の一部からも健康被害の懸念は否定できないとし、利用をひかえるようにと注意がうながされています。お気をつけください。
     えー、続いてのニュースは、山間部におけるゴミの不法投棄についてです。

     おわり
  • [48] mixiユーザー

    2013年06月17日 08:45

    >>[41] 読みましたよ! 何かじんわり来る作品でしたね><。こんな暑い朝なのに、寒気がしました! まさにこういうイベントならではの作品でした! 力作多くて色々楽しみですね、この企画♪。
  • [49] mixiユーザー

    2013年06月17日 08:49

    >>[35] この作品は最後の時代が大正だったのに、すごく驚きました! てっきり平成か昭和だと思っていたので! 電話って、携帯電話以外の電話もわたし、普通に使ってますけど、他の人はほとんどの人、携帯だけなのかな?
  • [50] mixiユーザー

    2013年06月17日 08:50

    みなさんの作品、やっぱりいい意味で背筋が凍るほど歪んでる、言うならば恐怖の感情を感じさせてくれる作品多いです。だからこそ、わたしが書くとしたら逆にほのぼのに挑戦したいですね♪。
  • [51] mixiユーザー

    2013年06月17日 09:27

    >>[47]

    はい、例の研究所です。
    ここいらから、ちょっと楽しい方向に向かわせようと画策中。
  • [52] mixiユーザー

    2013年06月17日 09:49

    >>[50]

    ほのぼの系、そろそろ欲しいですねぇ。
    序盤で救いのない話が多かったんで、緩急織り交ぜられなかったのは反省してます。
    今はちょっと明るいのを考え中です。
  • [54] mixiユーザー

    2013年06月17日 17:50

    >>[049]
    電話を受けるシーンに、ご注目ください。
    右耳に受話器、柱の電話本体の送話器に向かって話す電話は、明治の機械です。
    大正年間なら、まだ使われていました。

    あと、「大正十七年」にもご注意を。そんな年号ありませんね。架空の年代です。
    作品世界が電脳空間の中であることを強調したかったんですが、見破っていただけたでしょうか?

    お読みいただきありがとうございました。今後もよろしくです。
  • [55] mixiユーザー

    2013年06月17日 18:05

    >>[54]

    ふふーん。
    電話の仕掛けは気がつきました(*^^*)
    Drスランプの電話機ですね。

    トトロの電話機も思い浮かびます。
  • [56] mixiユーザー

    2013年06月17日 18:10

    >>[055]
    さうです、さうです。(爆)
    ああいう電話。ケータイやスマホからは、はるかにとほい世界!
  • [57] mixiユーザー

    2013年06月18日 00:28


        増援要請


     時は戦国時代。
     釜田城にはすでに城主はなく、うら若い姫君がそれを守っていた。どこから漏れたのか、先津の軍勢2000が、いままさに釜田城を攻め落とそうとしているところだった。
     おそらくは、城主が病死寸前のころから探りを入れ、兵をかまえていたのだろう。世継ぎがいないことも筒抜けだった。城主を失った直後の城中は混乱し、統率を欠いている。城を落とし、国を広げるなら、この時しかない。義を重んじて自重すれば他の武将が先に攻め入る。先手必勝、決して圧倒的国力があるわけではない先津としては、名の通り誰よりも先に動くことで優位に立とうと、この奇襲をくわだてたのだった。
     一気に侵攻しようとする先津軍勢に対して、いまだ場内では鎧兜の着付けに手間取っている始末。打って出るどころか、一戦も交えずに籠城戦が確定しそうな情けない有様だった。
     先津軍勢がまさに城門に到達しようとした、その時だった。城壁を飛び越えて、稲光をまとった何者かが飛び出し、軍勢の前に立ちふさがった。その姿、長い耳を持つ金色に輝く一羽の兎。しかし人の身の丈ほどの大きさで、人のように後足で立ち、ちゃんちゃんこと裃を混ぜたような奇妙な衣服をまとっていた。赤い目で軍勢を睨みつけて、足場を決めて腰を低く落とし、身構えた。
     もののけの姿に、先津の進軍はひとたび止まったが、すぐにまたいっせいに動き始め、兎へと襲いかかった。しかし、兎は強かった。稲光がひらめいたかと思うと、それはジグザグに兵の中を走り抜け、次の瞬間には金色の兎は土煙を上げて立ち止まっていた。足下の地面には制動をかけたせいか、深い溝がふたつ掘られている。その線上では、数十人の雑兵が倒されていた。
    「何者ぞ!」
    「俺か。俺の名は……」金色の兎は、肩越しに横目で振り返り答えた。「ライトニングラビット」
     そしてライトニングラビットは、城の兵が体勢を整えるまでの間、ただ一人で先津軍を撹乱して回った。しかし、いかんせん多勢に無勢、流れ込む水の流れを手で塞き止めるようなもの。城内の兵もいくらか迎え撃てる程度にはなったと検討をつけ、ライトニングラビットは再び城壁を飛び越え、城の中へ戻った。
    「桜姫!」
     本丸へ一気に駆け上り、姫君の間へ飛び込んだ。
    「ああ、らいと殿、よくぞご無事で」
    「姫、すまん。俺ひとりでは、どうにもならなかった。数が多すぎる。大口叩いて出ていったのに、この有様だ。ほんと、すまん」
    「お怪我は?」
    「何十人か病院送りにしてやった」
    「そうではなくて」
    「ぴんぴんしてる。ちょっと息が上がったけどな」
    「良かった」
     桜姫はライトニングラビットに抱きつくようにしていたが、ラビットは姫を引き離し、立ち上がった。
    「そろそろ、門も破られるだろう。俺だけでなんとかしてやるつもりだったが、こりゃ無理だ」
    「そのようなことをおっしゃらないでくださいまし」
    「大丈夫。俺にまかせておけ」
    「どうなさいますの?」
    「応援を呼ぶ」
     ライトニングラビットは障子を開け、青空に向けて手をかざした。その手のひらから、電撃が空へ向かって放たれた。轟音と閃光。びっくりした桜姫は耳をふさぎ、顔を伏せた。
     電撃には、座標データと同朋メッセージのアドレスキーが書き込まれていた。
    「これで、よし」
     ライトニングラビットは、両手を腰に当てて、すっきりと言い切った。
     それから「間に合ってくれよ」と小声で漏らしたが、桜姫にそれは聞こえていなかった。


     おわり(つづく?)

  • [58] mixiユーザー

    2013年06月18日 01:33


        ネカフェ


     携帯が鳴った。ダイレクトメッセージの着信通知だ。
     浜西勇はしがない商社で日々営業やら事務やらにいそしむ、どこにでも転がっているサラリーマンだ。社歴そこそこ、彼女なし、万年平社員。今日もなんとなく仕事をしている。
     どこぞの遊び仲間から、どーでもいいメッセージが届いているようで、携帯の画面を起動させてロック解除、ちらっとそのメッセージに目を走らせる。
     それは、まるでランダムのような文字列が、ずらっと。内心ギョッとしたが、平静を装おってしれっと携帯をしまった。
    「さーせん、営業いってきまぁーす」
    「ぁあ!? どこ、帰りは何時ごろ?」
    「すぐそこっすよ、じき帰りぁす」
     浜西はカバンを持ち、スーツを肩にかけて、事務所を出た。

     事務所を出るまでは、ぷらぷらしていたが。道に出てから、浜西は全力で走り始めた。タクシーをつかまえるでもなく、駅のほうへ向かうでもなく。汗を流し、しかし、なぜか愉快そうな笑みを浮かべながら。
     駆け込んだのは、ネットカフェだった。会員証は持っていて、個室を指定してすぐこもった。ドアを閉め、鍵をかける。
     それから浜西は、起動したシステムにストレージカードをセットした。登録アプリが起動、オプション機能が作動しはじめる。ある特殊なプログラムモジュールが、セキュリティシステムを突破して動き始めた。
     モジュールの構造は微積分の繰り返しと、ログ保存とトレースプログラムといった感じのもの。だがそれは、一次元のクロスシステムプログラム全体を二次元平面へと展開し、三次元の空間的ハードウェアへと世界を拡張し、そして最終的には第四の次元に配列されたアドレスへの扉を開く。そういう、魔法のようなことを行っているパンドラの箱だった。
    「よし、行くか」
     携帯に届いたメッセージの文字列をネットカフェの端末にコピーし、貼付けて、保存する。そのままではエラーとしてはじかれるところ、例のプログラムモジュールがそれを透過して受け取ってくれた。
     浜西は、クロスギアを装着した。
     浜西の意識は、クロスネットへとログインした。
     プライベートブロックからそそくさと抜け出した浜西は、すでに浜西ではなかった。コバルトの結晶のように怪しく青光りする、鋭角的な翼を広げ、クロスネット世界の空へと超音速で舞い上がる。とんがったそのフォルムは、まるでジェット戦闘機か巨大な隼か。現実世界の体型のそれとは似ても似つかない、とてもスリムでシャープでスピーディー。青白く輝く長い髪をなびかせ、少年とも美女ともつかない中性的な顔立ちは、どこか神のようなオーラを帯びているようだった。
     メッセージからペーストしたアドレスは小さく折り畳まれていて、それを一気に展開すると巨大な多次元アドレスに変化する。空の一角に光る点が現れ、それがマーカーだった。浜西だったソレは、一直線にマーカーへ突っ込んでいった。
     クロスレイヤーへと抜けるゲート。彼らは、それをレイヤーゲートと呼んでいた。

     レイヤーゲートを抜けると、そこにはかつて建造途中だったはずの城があった。彼の出現した場所は城の上空で、見下ろすと本丸のあたりに金色の兎が見えた。
     兎は、こちらに向かって手を振った。彼は、その兎のところへ舞い降りた。
    「待たせたな、ライトニングラビット」
    「待ってたぜ、ソードシルフィード」
     金色の兎と青い隼は、挨拶代わりに、握りこぶしを軽くぶつけあった。

     ネットカフェの個室は無人になり、くたびれた感じのビジネススーツとワイシャツ、トランクスなんかが散らばっていて、クロスギアがケーブルでぶらさがっていた。
     個室レンタル時間終了まで、あと一時間。


     おわり(つづく?)

  • [59] mixiユーザー

    2013年06月18日 09:28

    >>[54] 年代の仕掛けは気づいてましたよー♪。昔の電話って、何か赴きあっていいですよね♪。
  • [60] mixiユーザー

    2013年06月18日 09:31

    >>[58] 何か別世界だと英雄なのに、現実世界だとくたびれたサラリーマンというのが><。こういうゲームって、中二病じゃないとできないゲームだなあ、とは思います><。面白かった上に色々ヒントもらいました♪。楽しいです♪。
  • [61] mixiユーザー

    2013年06月18日 09:40

    >>[60]

    ネーミングのくどさとか、ごちゃごちゃしたキャラクター設定とか、それっぽく演出してみました(笑)
    今回は明るく楽しい方向で。
  • [63] mixiユーザー

    2013年06月18日 14:25

    >>[62]

    ぎくぅっ!!!!Σ( ̄□ ̄;)>あと三人
  • [64] mixiユーザー

    2013年06月18日 17:31

    >>[62] これはしちみ黒猫さんに、「書いてね(はーと)」というフラグ?(笑)
  • [66] mixiユーザー

    2013年06月18日 21:49

    予告

    字数の配分と見当を間違えなければ、あと二話でひとまず区切りをつけますんで(笑)

    宮沢賢治から始めてみて、案外続いたなぁ。

    まあぶっちゃけ、あと三人の件は図星だったんですが、どうオチをつけるかお楽しみに。

    (やべぇ。自分でハードル上げた(汗))
  • [68] mixiユーザー

    2013年06月19日 00:09


        総力戦


     ハンマーヘッドドラゴンとソードシルフィードが、先陣を切って先津の軍勢を蹴散らして行く。とにかくハンマーヘッドドラゴンがばかでかいので、陣営の真ん中を突っ切ればそれだけで2000の軍勢は左右1000と1000ぐらいに分かれて散り散りになってたりもするのだが。的としてもばかでかいわけで、弓矢隊の攻撃が当たるとちくちく痛い。
     真っ赤な翼を広げ、全速力から上昇しながら減速、バンクして進行方向を変える立体マニューバで急旋回してのけた。ドッグファイトの相手がいればハイスピードヨーになるのだが、ドラゴンにとって標的が小さすぎてすぐに戦闘空域を突き抜けてしまうので、重量級の巨体を小回りさせるにはそうするのが楽なのだ。
     ソードシルフィードは超低空で飛びながら矢の直撃をさけつつ、ソニックブームでまとめて雑兵を吹き飛ばしている。ドラゴンよりもずっと軽量級だし、風の妖精シルフィードの名は伊達ではなく、つむじ風のように甲冑鎧の群れの中を飛び抜けていった。最高速はライフルの銃弾をも追い抜けると本人は言う、超音速の超高G戦闘機動は、最低でも一秒間に400メートルを移動するので、生身の人間の肉眼ではとらえることができない。
    「はは。腕を上げたようだな、ソード。丁寧な機動だ。それでいい」
    「実践で伸びるタイプなんすよ、俺」
     クロスレイヤーではない通常のクロスネットのバトルフィールドで、シルフィードはドラゴンと対戦したりしているのだが、どういうわけかドラゴンに勝てない。火力はどうあれ、機動力では絶対に負けるはずがないシルフィードが、たくみな立体機動のセンスと慣性コントロールの妙技により、必ず裏をかかれて撃墜されているのだ。ソードシルフィードにとってハンマーヘッドドラゴンは好敵手であると同時に、いまだ手の届かない師匠だった。
     地上では、バクレツタイガーが両手のウォーハンマーを振り回し、大地をティンパニーのように叩き付けている。その激しい揺れに、先津の兵たちは立っていられず、馬さえも地面に転がった。
     白地に黒縞の巨大な虎、バクレツタイガーは、しかしいまこの場にいるモンスターどもの中では比較的戦国の風景に馴染んでいた。なぜならば、胴から草摺までだが、和風の鎧をまとっていたのだ。矢も飛んで来ていたが、タイガーの頑強な肉体には傷一つつけることもできなかった。
     彼らがクロスレイヤーに到着するまでに城内に侵入した敵兵は、ライトニングラビットとエンジェルモモが駆逐していた。
    「ラビット、一度戻って。姫のほうへ兵が」
    「こっちも気づいた。間に合いそうだ。そっちも無理するなよ、モモ」
    「はい」
     エンジェルモモは感覚を広げて、戦場の様子をすべて見通していた。城内の兵の動きも把握し、ラビットに伝える。モモ自身もまた幻覚を発生させ、釜田の兵たちが戦うのをサポートすることで、その戦力を何倍にも増強していた。
     ラビットは姫が危険と知らせを受けると、そこに迫る敵兵を駆逐し、そしてまた別の場所へと駆けつける。そんなことを繰り返していた。
     モモ自身の戦闘能力はほとんどなくて、クロスレイヤーでの死は現実世界での死をも意味するので、あるいは今ここで最も危険な立ち位置にいるとも言えた。しかし、ドラゴンチームの連携に、彼女は欠かす事のできない存在だった。
     敵兵が来た。はち合わせる前にモモは透明になり、壁際にそっと身をひそめた。釜田の侍たちが数名、それに立ち向かう。モモは、さらに数十名の武者の幻影を先津に見せて、撤退させる。釜田の侍たちは刀を中断にかまえたまま、なんで敵が逃げていったのかわからず、きょとんとした。その間にモモは、すっと幽霊のように別の場所へと移動していた。
     彼らのリーダーは、ハンマーヘッドドラゴンだった。その強さに惹かれた者たちがいつしか集まり、いつしかモモを除く三人がドラゴンの下についた。モモは、つい最近仲間になった。肉弾戦も苦手だ。それでも、モモはドラゴンチームを支える重要な存在だった。
     ラビット宛にソードから通信が入った。
    「すまん、俺もう帰るわ。レンタル時間が切れる」
    「わかった。助かったよ、急いで戻ったほうがいい」
    「うい、また来るわ」
     ソードシルフィードが、ログオフした。
     空中のソードシルフィードは、空の一点に吸い込まれるように消えていった。
     先津の軍勢は、全員撤退を始めていた。


     おわり(もうちょっとつづく)

  • [69] mixiユーザー

    2013年06月19日 01:41

        英雄たちの帰還 前編

     ソードシルフィードの場合

    「あいたーっ!!」
     変なところにぶらさがったクロスギアから、浜西勇は全裸で出現した。首がグキッと言った気がするが、どうにかねじ切れることもなく床に転がることができた。全裸で。
     で、そこいらに脱ぎ散らかしたパンツやらシャツやらをそそくさと身に付け、ワイシャツ、ズボン、スーツを装着、ネクタイを締め直して、カバンをかかえて完成。
     ささっと受付前を通って、ささっと通りに出て、ささっと事務所に戻った。
    「戻りましたぁ。いやぁ、なんも収穫なし。ダメっすね、今日は」
     そしらぬ顔して入って来た浜西を、課長はちらっと見てから二度見して、三度目にガン見した。戸口のところで半分凍り付きながら、浜西は冷や汗が吹き出るのを感じた。ネカフェがバレたか、と一瞬思う。
    「……あ、あの。なにか?」
    「いや。あのな浜西、それで行ったのか」
    「は?」
    「そりゃ、契約取れるわけがないわ」
    「はあ???」
     浜西の頭の中が、クエスチョンマークで埋め尽くされる。
    「開いてるんだよ。チャック」
    「……は?」
    「社会の窓」
    「……」
     浜西は、そこまでは、気が回っていなかった。

     ハンマーヘッドドラゴンの場合

     妻が先立ったのは二年ほど前のことで、心の傷もだいたい癒えて普通の生活をしているところだった。
     普通と言えば普通だが、しかし80過ぎの老人が暇さえあればクロスギア装着してネットゲームにうつつを抜かしているというのを普通と呼ぶかどうかは、人それぞれなのだが。
     しかし肉体の衰えを無効化できるクロスネットの世界は、その好奇心旺盛な老人にとって魅力的な世界だった。いつしか気の置けない仲間もできたし、彼の飛行術を師匠とあおぐ弟子までできた。まだまだひよっこだなと思いつつも、内心嬉しかった。
     そんな一人暮らしの老人が、全裸でクロスギアのところに出現したところで、誰も気づくことはないのだった。
     クロスギアを外した老人は、満足そうに大きく深く息をついた。その眼光は、少年のように輝いていた。

     バクレツタイガーの場合

     男性アイドルグループのポスター、ピンク色っぽい内装やらマスコットグッズやら、放り投げられているファッション雑誌、少女漫画と混じって教科書とか参考書とかが並ぶ本棚。
     ぽふっ、とゆるい音をたてて、全裸の女子高生が制服の脱ぎ散らかされたベッドに出現した。クロスギアだけを装着している。
     前にこれをやったとき、椅子に座ってクロスギアを使っていたから、出現と同時にヨガっぽいポーズで椅子から転げ落ちて体中痛い思いをしたので、今回はベッドにねそべってクロスレイヤーへ飛んだのだった。経験は生かすタイプの子。
    「ふぅ」
     小さくため息をついて、少女はクロスギアを外す。ベッドの上には、脱ぎ散らかされたように下着と学生服が散らばっている。消える時に脱げたのだ。
     その時だった。
    「ねえちゃん、耳かきかしてー」
     三つ下の弟が部屋に入って来た。そして、姉のあられもない姿を目の当たりにした。
    「……ばっ……ばかあ!!!」
     アクセントは「か」に。
     弟の顔面には、枕、国語の辞書、携帯電話、クロスギア、脱ぎたてのパンティなどが投げつけられた。弟は爆風に吹き飛ばされる勢いで、姉の部屋から飛び出して行った。
    「読めや!!」
     ドアのところには「着替え中。入ったら殺す!」と書いた張り紙があった。
  • [70] mixiユーザー

    2013年06月19日 01:41

        英雄たちの帰還 後編

     ライトニングラビットの場合

    「らいと様」
     どうも桜姫は、雷人忍軍とでも書くような集団があって、その頭領がラビットだと、勘違いしている様子があった。それは忍軍だから、真実だとしても教えてもらえないのは当然、という根強い思い込みをともなっているようで。もっとも、当たらずとも遠からず、といったところなので、ラビットは姫が自分のことをらいと様と呼ぶのを嫌がりはしなかった。
    「またお帰りになられたのですね、お仲間の皆様は」
    「そうだな」
     ラビットは、ものの一時間少々で戦の決着がついた後の澄んだ青空を見上げて、応えた。
    「本当に、おさびしくはないのですか?」
    「なにが」
    「他の皆様とは違い、らいと様だけは、もう元の世界に帰ることができないとおっしゃっていましたから」
     ラビットは、背の低い桜姫を見下ろし、それから優しく抱き寄せた。
    「ここが、俺の帰る場所になった。ただそれだけのことさ」
     そして、桜姫のおでこに、そっとキスをした。
     兎の顔で。

     エンジェルモモの場合

     敷地面積だけで東京ドーム何個分とか、そういったスケールの個人宅がこの日本国内にあるのかというと、あるところにはあるもので。公園というか、森ひとつ山ひとつまるごと私有地という、正門からエントランスまで車で何分とかという広大な土地を入った先に、リゾート地のメルヘンデザインなホテルか何かかと見間違うような巨大な豪邸が鎮座している。
     その豪邸の、浴室で、桃沢コンツェルンの令嬢、桃沢ヒカリがふわりと出現。一番最後までクロスレイヤーにとどまり、ラビットを除く全員が無事に現実世界へ戻ったのを確認し、それをラビットに告げる役割を果たしていた。
     大浴場ではなく、半身浴用の小さな湯船に横たわり、完全にリラックスした姿勢でクロスネットに接続していた。通常、入浴中のクロスネット接続は健康被害の可能性もあり、推奨されていない。この浴槽は特注品であり、リラックスした姿勢の位置にクロスギアを固定する専用のマウントアームもついている。
     桃沢の豪邸には、強靭なコンピュータルームが存在した。独自のネットワーク管理システムを持ち、コンツェルンの事業の中にもそれは含まれているので、得意分野でもあった。
     個人のクロスギア端末装置では、あのレイヤーゲートを開くプログラムモジュールを支えきれるものではない。トレース能力にも限界があり、トレース先をつなぎとめることもできない。ドラゴンチームの四人は、桃沢家の巨大システムを利用して、クロスレイヤーへのアクセスを成功させていた。
     もともとは、ネットゲームでラビットと知り合ったモモが、消失事件に遭ったライトニングラビットのサルベージを目的に、他の仲間と一緒に独自に調査をしていた。ラビットも不完全な状態で使用したと思われる、ドイツの研究所から漏れた謎のプログラムを解析して実用化したのも、桃沢家の巨大システムだった。
     桃沢ヒカリは湯船を出ると、脱衣所でバスタオルを巻くと、言った。
    「じい、終わりました。着替えを用意してちょうだい」
     すると、脱衣所の外ですでに着替えを持って待っていた執事が答えた。
    「かしこまりました、お嬢様。皆様はご無事で?」
    「ちゃんと戻ったのは、そっちでも見ていたのでしょう」
    「それはそうなのですが、向こうで何があったのかは、こちらからは見えませんもので」
    「みんな、元気だったわ」
     それからヒカリは、一瞬だけ間を置いて、こうつないだ。
    「ラビット様も、お元気そうでした」
    「左様でございますか」
     ヒカリはため息をついた。
     ヒカリはまだ、現実のラビットに会ったことがなかった。


     おわり(とりあえず、おわり)

  • [72] mixiユーザー

    2013年06月19日 09:33

    >>[71]

    ありがとうございます!
    ネカマは、前にひとつネタ出しちゃってますから(笑)

    明るく楽しく戻ってくる系、ひとまずこんな感じです。踏み台にしてやってください。

    戻って来られるか来られないかの違いですが、ゲートを開いてトレースできるシステムの強靭さで成功率が変わる、ってのと。もうひとつ、クロスレイヤーにいる間に端末の電源が切られると、戻れなくなる、とイメージしてます。
    停電やシステムエラーが発生すると、激ヤバい。家族や他人が知らずに端末いじっても、激ヤバい。という感じで、ラビットくんの身に起こったことを考えていました。
  • [73] mixiユーザー

    2013年06月19日 11:54

    >>[70]
    面白かった!
    むしろバクレツタイガーがネナベだったとは><。ちなみにMMOだとネナベキャラやってる子って、たいていイケメンやってますけどね、だからこそ、逆にこの作品ではそうでなかったのが以外でした♪。
    こういう明るい話は大好きです♪。朝読んだので、幸せ気分満開でした! 暗い話ももちろん、凄い作品は本当にすごいので、すごいなー、と感激しますけどね♪。
  • [74] mixiユーザー

    2013年06月19日 15:21

    >>[73]

    ありがとうございます!

    普段は誤字脱字とかあんまり気にしない私ですが、寝ぼけながらイメージが固まってる勢いで一気に書いたら、この有り様。お粗末様でした。

    明るい話にできたかどうか心配でしたが、楽しんでいただけたようで嬉しいです。
    シェアワールドですから、使えそうな設定はどんどん持ってって活用してやってください。
  • [75] mixiユーザー

    2013年06月20日 12:26

    スペシャル付録
    「ニュース」から「英雄たちの帰還」までの無修整全アイデアメモです。


    ネ
    タ
    バ
    レ
    防
    止
    空
    白
    行


    戻ってくる系

    乖離と多幸感をともなうプログラムモジュール、強力な微積分演算モジュールを持つトレースプログラム

    異世界のピンチを救うため、呼びつけられるネットゲーマー

    健康被害の懸念に触れるテレビのニュース


    ニュース

    増援
    桜姫
    時は戦国時代
    ライトニングラビット<主役
    ソードシルフィード
    ハンマーヘッドドラゴン
    バクレツタイガー
    エンジェルモモ


    ネカフェ

    反撃
    能力の違いを描いて格好良く。


    全裸

    ソードシルフィード浜西勇の場合
    チャック開いたまま帰社
    アダルトサイト利用か

    ハンマーヘッドドラゴンの場合
    一人暮らしの老人のため影響なし

    バクレツタイガーの場合
    女子高生
    戻った直後に弟に入られる
    着替え中の張り紙

    エンジェルモモの場合
    豪邸
    執事付き
    お風呂でログオン

    ライトニングラビットの場合
    帰れない。
    桜姫と末長く



    ネ
    タ
    バ
    レ
    防
    止
    空
    白
    行

    この上にスペシャル付録、「ニュース」から「英雄たちの帰還」までの、無修整全アイデアメモがあります。
  • [77] mixiユーザー

    2013年06月21日 20:19

    >>[76]

    書いてる本人が思い出せるかどうかってキーワードなんで、ネタメモはこんなもんです。一応、このプロットにも数日かかってるんで、私の記憶力だと、なにもないと書けませんでした。

    怪談のネタメモも、ちまちまと進行中。
  • [78] mixiユーザー

    2013年06月26日 18:38

    作品投稿です♪。ようやく、元の世界に帰ってくる明るいお話、書きました♪。

    タイトル:『さよなら、ときめきトゥルーラブハート』
    文字数:7727字
    URL:http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=45282002&id=1905662503

    どうかよろしくお願いしまーす♪。
  • [79] mixiユーザー

    2013年06月27日 01:31

    >>[78]

    参加ありがとうございます。
    ネタの調理にめいっぱい作風が出ていて楽しかったんですが、一番ウケたのは主人公の名前です(笑)

    銀魂に登場するおっさんに、似たようなのがいたような(笑)
  • [80] mixiユーザー

    2013年06月27日 07:58

    >>[79] 銀魂は見てないですけど、似たような名前の子、いるのですね><。名前はかたくりこから取ったのですよね(笑)。だから、同じセンスの人だと、名前被るかも(笑)。ネタはどう消化するかは、小説書いてて、凄く楽しいですよね、わたし、それは得意なつもりです♪。
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