時間　：　19：30〜 (21：00終了予定）定刻にお出で願います。恐れ入りますが、開始10分前以前のご到着はご遠慮ください。
課題図書：国木田 独歩 「運命論者」（『牛肉と馬鈴薯・酒中日記』 (新潮文庫） などに所収）
青空文庫
http://www.aozora.gr.jp/cards/000038/files/336_15957.html

選定・司会：サリー＠Ｃａさん

【参加費】
　1000円（紅茶またはワイン１杯付き）
　お食事をご希望の方はコメント欄でお申し込みください（別途500円。内容はお任せ願います）。
　また、確認の意味で、お食事不要の方は、お手数ですが、「食事不要」とご記入ください。
お土産について：読書会中に皆でつまめる菓子、果物などのお土産は歓迎です。なお飲み物のお土産はご遠慮ください。（CafeBarKIYONOは飲食店です。お食事の持ち込みはできません。飲物の持込は1000mlまで/ごと500円の持込料を申受ます）
【定員】：8名

会場： 千代田区平河町2-2-5カフェバーKIYONO　電話5212-4146
地図：googleマップで「カフェバーきよの」で検索
http://bit.ly/p15SIR
問い合わせ　：03-5212-4146（清野）　または　JONYあてメールで


※　なお、ご出席のかたには、今後の課題図書にふさわしい作品を推薦していただきたいので、よろしくお願いします。（原則文芸書100頁以下位の中篇か短編、文庫本等廉価で容易に入手可能なものがよい)


【紹介】（荒木優太『九鬼周造の講義ノート（昭和五年）「講義　偶然性」第一部』より）「国木田独歩の『運命論者』といふ小説も気味のわるい様な偶然を取扱つてゐる。つれあひが二三年前に亡くなつて女主人と一人娘の家があつた。其女主人といふのは二十五年前以前に或人の妻として男の子を産んだ。さうして其夫が病気で苦しんでゐる時に夫と乳飲子とをすてて他の男に駆落して了つた。捨てられた夫は非常に恨んでそのまま病気で死んだ。二度目のつれ合いが死んで一人になつてからは前の夫が幽霊に出て来る。今度娘に養子を迎へたが偶然にも前の捨てた夫と自分との子であることが判つた。それでその女主人即ち母なる人は息子に幽霊が乗り移つたのだと考へる。其男から云へば養母が生の母で、妻が父親の違つた妹であつた。この偶然のために皆三人とも非常に苦しむ。さうしてその男がかういう自分の身の上ばなしを鎌倉の海岸で他の男にするのであるがそれも全く偶然のことである。其男は自分の苦悶をはらすために酒を飲みたいのだが家で飲むわけにゆかぬので東京からブランデーを買つて来てその瓶を海岸の砂山の或場所にうめて置いて時々そこへ行つては掘り出して飲んでゐた。丁度其場所を占めてゐたといふ偶然が縁になつて二人が話をする。さうしてかうやつて話をするのも不思議な縁だと云つて居る。この小説にも二重の偶然がある。男の身の上が全くの偶然に支配されていゐる。さうしてさういふ偶然的な身の上ばなしを偶然なことが縁となつて今迄見知らない人に物語る」