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開催終了第23回北京日本人学術交流会

詳細

2010年05月10日 15:43 更新

みなさん

お世話になっています。
日ごろのみなさんのご理解とご支援に感謝します。
山口直樹@北京日本人学術交流会です。

第23回北京日本人学術交流会は、東京大学総合文化研究科から北京大学中文系に留学されている大橋義武さんに報告いただきます。
お時間とご関心のある方は、ご参加いただければ幸いです。
以下の要領で行われますが、資料などの関係で5月11日の深夜までに山口(ngodzilla21@yahoo.co.jp )まで参加希望のメールをお願いします。

日時:2010年5月15日(土曜)午後4時から報告90分質疑応答30分(場所を移して懇親会)
場所:北京大学東南門付近の教室(予定)(地下鉄四号線北京大学東門下車)
題目:「現代中国における白話小説の“経典化”——『三国演義』を中心とした考察」
報告者:大橋義武(北京大学中文系高級進修生/東京大学大学院総合文化研究科博士課程)
報告要旨:
 古典小説『三国演義』は、今日の中国において「文学経典」の一つとしての地位を占めている。しかしそれは、20世紀初頭からそのように認定されていたわけでは決してなかった。よく知られているように、『三国演義』を含む白話小説は伝統的な価値観の中では「小道」とみなされており、文章作品(“文学”)としてまともなものとは捉えられていなかったのである。

通常の理解では、清末の「小説界革命」を経て、民国時代に起こった「文学革命」の中でようやく白話小説というものが“文学(literature)”の重要な一支と認定された、ということになっているが、ここにも問題がある。ここでいわれる“白話小説”とは、第一に新しく創造される小説について言ったものであって、いわゆる古典小説をどう評価するかといった点には詳細な検討が加えられていないのである。果たして古典白話小説はこのときに新文学の模範として一挙にその地位を向上させたのであろうか?それとも旧時代の遺物として否定されたのであろうか?

結論を述べてしまえば、それは大体において後者であった。魯迅「狂人日記」以降、新文学・新小説の“伝統”が形成されていったのに対して、古典小説は正面からの称揚を受けることもなく、時代潮流の背後に追いやられていた。こうしてみると、1920年代の状況と現在の状況との間に古典白話小説の評価をめぐって相当のギャップがあることになる。とりわけ『三国演義』は、『水滸伝』『紅楼夢』『儒林外史』よりも一層“低い評価”を受けて出発したものであり、それが今日のような地位を占めるようになるまでには相応の曲折があったと考える他ない。

本報告は、『三国演義』を中心として、いわゆる古代白話小説が現代中国においてどのような「経典化」のプロセスをたどったのかを考察するものである。古典白話小説の「経典化canonization」を考える際に報告者が注意するのは次の諸点である。

� 白話小説が近代的な問題意識のもとで議論の対象になること——『新青年』誌上討論
� 白話小説が近代的な様式で伝播すること——亜東版標点小説の出版等
� 白話小説が学校教育に取り入れられること——学校教科書への採用と教育界の関心
� 白話小説が体系的「小説史」の中で論じられること——「小説史」の登場とその記述
� 白話小説が「文学史」の中で一定の位置を占めること——「文学史」記述の変化
 (この�〜�は互いに関連し合うものでもある。)
 
 報告では、一旦“白話小説”としてその価値を認められながらすぐにまた“旧時代のもの”として否定されそうになった『三国演義』が、“教育上の価値”を主な根拠として現代中国社会の中に少しずつ地位を築いていったこと、またそれと呼応するように古典白話小説の読者層が変容していったことなどを示す。(これは、“文学経典”をめぐる議論の焦点の一つである「(その作品は)“誰の経典か?”」という問いへの回答を試みるものでもある。)

そのことにより、単に一作品の命運をたどるばかりではなく、一つの“文学作品”を人びとがどのように受け入れたかを通じて「現代」の文学観や社会通念のあり様と変遷を明らかにしてみたい。また、『三国演義』という日本でもきわめてポピュラーな作品が、本国中国ではいったいどのような評価を受けてきたのかを考えることは、比較文化的考察をするための土台を構築することにもつながるであろう。一方で『三国演義』という作品の特殊性を再認識しつつ、他方でその作品の価値を認めて/否定してきた社会の特徴を考察するといった方法によって、ある地域文化の多面的理解を進めることが本報告の狙いである。

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  • 2010年05月15日 (土)
  • 海外 北京
  • 2010年05月12日 (水) 締切
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参加者
1人