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開催終了【Live Wire#98】『黄色い部屋はいかに改装されたか?』増補版・刊行記念トーク Why done it ? ーー何故、今『黄色い部屋』をリノベーションするのか?

詳細

2012年06月07日 08:30 更新


【出演】法月綸太郎、小森収、杉江松恋
【日時】2012年6月15日(金)開場19:00〜 開演19:30〜(約二時間)
【会場】道楽亭 Ryu's Bar
  東京都新宿区 新宿2丁目14-5 坂上ビル1F / TEL:03(6457)8366  
【料金】1500円(当日券500円up)
http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=44055488

※別途ドリンク&フードクーポンをお買い上げください。
※終演後、出演者を囲んだ懇親会を予定。詳細は追ってお知らせします。

 21世紀も、最初のディケイドを終えた西暦二千十一年、都筑道夫『黄色い部屋はいかに改装されたか?』が、版元を改め、増補版として再刊行された。これを“事件”と呼ばずして、なんとしよう。

 そもそも旧晶文社版は、本格ミステリーマニアにとって必携の名著。社会派推理小説が幅を利かせていた七十年代に、あえて名探偵の復活を提唱、「パズラー」という颯爽とした呼び名で謎と論理のエンターテイメントを定義づけ、気息奄々としていた本格ファンの喝采を浴びた。その後、横溝正史のリバイバルヒットや、新本格という大きな揺り返しのムーブメントも起き、本格推理は王道に戻った。

 初刊行から四十年。著者も鬼籍に入り、『黄色い部屋』も当初の役割を終えたかに見えた21世紀に、あえてその復刊に踏み切った出版社がある。都筑のミステリエッセイを精力的に刊行してきたフリースタイル社だ。都筑の主張を補う関連エッセイや、本書の主張に異を唱えた佐野洋との「名探偵論争」を加えたスペシャルエディションに仕上げている。

 だが、今回『黄色い部屋』に施された、“リノベーション”は、単なるノスタルジアや、“歴史の教科書”としての復刊にしては、念が入りすぎている。爛熟期といってもいい現在の本格ミステリの市場に投げ込むには、それなりの“動機”があるはずだ。今回のトークでは、編集にあたった小森収、そして濃厚な解説を寄せて本書の復活に華を添えた法月綸太郎の両氏に、その“企み”の焦点をじっくり語っていただこうと思う。

 奇しくもイベント翌日は、本年度の「本格ミステリ大賞」贈呈式。
 今回のダブル受賞作の一つ、城平京『虚構推理 鋼人七瀬』は、現在趨勢を誇るライトノベルの領域から生まれた異能の本格作品。“論理で真相を解き明かす”のではなく、“真相を隠蔽するための論理を組み上げる”という、本格推理の謎解き構造自体を“逆立ち”させた超問題作でもある。ーーかつて都筑道夫が練り上げたパズラーの定義や、ラノベのキャラクター主軸の作劇法に通底する「名探偵復権論」は、21世紀最前線のこうした作品を読み解く上でも有効なのか? 『黄色い部屋』のさらにその上に、“屋上屋を重ねる”、本格ミステリ談義に期待しよう。

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