mixiで趣味の話をしよう

mixiコミュニティには270万を超える趣味コミュニティがあるよ
ログインもしくは登録をして同じ趣味の人と出会おう♪

開催終了「へいけうたのあかり」第三弾

詳細

2009年04月10日 00:53 更新

おおさか弁訳、辰巳泰子本、「へいけうたのあかり」第三弾。

16:30〜18:00、JR新宿駅東南口階段下りてすぐ、JazzBarサムライにて。

「平家歌灯」詳細
http://www.geocities.jp/tatumilive/utanoakari.htm


………第三弾脚本、冒頭部

息をしてまた息をして息をして風にまみるる打たれ釘の少年     泰子
少年はたつた一つの智恵に飢えただ描いているあをい排泄

(トレンチコートを着て)

「だたっぴろいとこへ出てもぅた。ここはいつもの河原やないんか。足のすぐ下に水が流れとる。おぼつかなの未明、足のすぐ下を、水が、流れとる。雨の後水かさを増し、ごうごう唸りをあげている! あぁ、さっきから、河童が俺の足を引こうとしている! だんだん明けてゆくよるは、綾も移ろう水浅葱、やがて真っ白しろになり、衆生どもが、そこかしこへたりこんで尿ばば垂れとる、この世の河原と違うんか……」

「お父さん、何を考えていはるんですか。おとうさん、おとうさん、おとうさん、おとうさん!」

「河童が俺の足を……。重盛、おまえには見ぇへんのか、河童が、ぎょうさん、水のなかで目をぎょろつかせとる。あれは……この河原で処刑した西光法師か。いいや、西光なぞ物の数でもない、せいぜい、河童に生まれ変わるぐらいしかでけへん、くずどもが」

「お父さん、なんというお姿をしてはるんです、その絹のお召物は、今、とっさに羽織らはった……。だってその下は……鎧の下に着ける、腹巻ではありませんか。さっきから前をしきりに合わせ、隠そうとしたはる。隠そうとなさっても、胸の下から金物が、ちらちら見えたぁる。いったいこれから、どちらへゆかれるおつもりですか」

「こ、これか。む……。あいつらの謀反など物の数やないが、鹿谷の計画は、後白河法皇様のご計画。法皇様は、なんで、成親のような乱暴モンや西光のような卑怯モンを可愛がらはった。平家一門が、どれほど、朝廷に尽くしてきた思ぅたはるのンや。この清盛、平生、取りこぼしのないよう、はかろうとる。世間が何を思おうが、この清盛が政治を執るからには、国に、一度の乱れも許すわけにゆかんのや。それやのに、法皇様は、あないな極道されを身近に置き……鹿谷で、わし殺す計画ぅ、立てていはったのや。なぁ、重盛よ、わしはこれから世間を鎮める。そのあいだ、法皇様をいっそ、鳥羽の北殿へお移し申し上げよぅ思うんや。さもなければわしの目の届くとこ、この邸へ……来ていただこぅかと思ぅてる」

「何ということを……おとうさん。何という姿で、何てことをおっしゃるんです」

「なんで泣く、なんで泣く。重盛ィ」

「……武装し、法皇様を、お流しになるなぞ。ご命運も、いよいよ末となられましたか。命運傾くとき、必ず悪事を思い立つといいます。お父さんのなさろぅとしてることは、悪事ですよッ。あなたのような太政大臣にまでのぼりつめた人が、武具甲冑でよろうのは礼儀に背き、ましてやご出家なさって、解脱のしるしの法衣を脱ぎ捨てよろうのは破戒、破廉恥というもの。畏れ多くも申し上げますが、まずこの世界には、四つの恩がございます。その四つとは、天地の恩、国王の恩、父母の恩、この国に暮らす衆生の恩。なかでも重いンは、天子のご恩です。このひろい大空の下、天子の領地でない場所など、一ッつもありませんッ。あなたが太政大臣にまでのぼらはったんも、わたしのような愚か者が大臣の位につけてるンも、全国の荘園を平家一門が思うがままにでけるンも、皆、天子のご恩。これら莫大なご恩を忘れ、法皇様をみだりにお流しになるンは、神様にも背くこと。日本は神国です。神様は非礼をお受けになりません、法皇様が鹿谷で思い立たれたことには、半ば道理があります、あなたがこの国を平らげたのは、確かに、二つとない忠ですけれど、それに驕ってしまわはったら、傍若無人。聖徳太子が十七条の憲法に、『人皆心あり、心にはそれぞれのエゴがあり、あちらを立てればこちらが立たず、こちらを立てればあちらが立たず、それで誰に、物事の良し悪しを定めることができようか。みんな賢くみんな愚かである、人と人は輪っかのように丸くつながり端のないのこそが真実。それゆえ、たとえ人が怒っても、自分のほうに過失がないかどうか省りみ、自分こそ慎むよう、おっしゃってるではありませんか。とはいえ、お父さんにご運が残っておられるから、鹿谷かて事前に発覚しましたし、謀反人の身柄かて取り押さえてあります。おとうさんは、もう絶対、無益の殺生をお慎みになってください。……分かっていただけましたか。お父さん……」

「重盛ぃ……。このだたっぴろい大空のした、流れゆく水がある。ほれ、そこにも、あそこにも、目ぇ凝らしたったら、ぎらっ、ぎらっ、水の中から、ほれ、こっち刺すように閃きよる。まっ、また目が合ぅた。な、な、重盛ぃ。おまえからは、見ぇへんのんか。このままやったら、悪党どもが、また法皇様を唆し、なんぼぅでも間違いが起こってくるとは、思わへんのか。目ぇについたら、狩るだけは狩らな、この国に平和は、保たれへんのと違うんか」

「あぁ。こないにゆうても、お分かりいただけませんか。やれ平らげるとゆうては、武具甲冑で大地を踏み荒らし、死人の亡骸で埋め尽くされたこの国の水は、もぅ、腐り果てているのかもしれませんね。その腐った水をひいて作物は育たず、衆生は税金を払えず、まだ息をしながら、続々と打ち捨てられるでしょう……。お父さんがこれ以上、無益の殺生をなさるおつもりなら、わたし一つ考えがあります。君に従えば父に逆らうことになり、父に従えば君に逆らうことになる。重盛こそ、もはや進退極りました。この国司る太政大臣! さぁ、この重盛の首を、直ちにお斬りになってください。おぅい、侍どもよ。たった今、この重盛のゆうたことを聞いたろぅな。皆集まれ。わたしを本当に大切に思ってくれる忠義の者どもよ、皆武装し、今すぐここへ駆けつけよ! そして、さぁ今から、わたしの首が斬られるのを見よ。主人の首が斬られるのを見て、それから父上のお供いたせ!」

「おぉい、重盛ぃ、待て。待て。わしはおまえと仲違いしたいわけやない。法皇様にお住まいを移っていただく件は、思い留まろぅ。ささ、わしの機嫌はもう治った、おまえも機嫌を治しておくれ。腹巻は脱ごう、ほれ、金物はもぅ外いた。袈裟をかけ、こうして数珠もかけ、念仏ぅ……これでえぇんか。念仏ぅ……」

(清盛、和讃)

「これはこの世のことならず。死出の山路の裾野なる。賽ノ河原のものがたり。十にも足らぬ幼子が父上恋し、母恋し、こいしこいしと泣く声は、この世の声とは事変わり。悲しさ骨身にとおすなり。かの嬰児の所作として。河原の石を取り集め。是にて回向の塔を積む。一つ積んでは父のため。二つ積んでは母のため。三つ積んでは故里の。兄弟我が身と回向して。昼は一人で遊べども。日も入相の其頃は。地獄の鬼が現れて。積みたる塔を押し崩すぅ……」

(重盛、独言)

「侍どもよ、聴いたってくれ。昔、中国の伝説に、幽王という王があった。王には、褒似という名の、最愛の后があり、妃は、天下第一の美人であった。しかし、日頃めったに笑うことがなく、王は悲しんでいた。あるとき戦が起こった。王が烽火をあげると、この美人は、あら不思議と、そのときようやく笑った。ひとたび笑えば百の媚が生じ、美人はいっそう美人になった。王は、愛する妃の笑顔が見とぅて、それからというもの、敵もないのに次々と烽火をあげた。兵隊らは、集まっては解散し、やがて、本物の戦が起こったとき、誰も、集まらなかった……。おまえたち、せっかく集まってくれたのやが、ここは引き揚げてくれ。思った敵はいなかった。しかしこの先、同じようなことがあるとしても、どうかこれからも、集まったってくれ……」

ぬばたまの川は鏡の街あかり 一度なければ二度もなき逢ひ
わたくしは行方ひとすぢの忘れ川 だから繰り返す同じあやまち

コメント(1)

  • [1] mixiユーザー

    2009年04月10日 02:09

     サムライですか。この店、句会の会場として俳人でもある女優の藤田三保子さんから紹介いただきました。辰巳泰子さんのライヴをサムライでやるのですね。

     面白い企画です。タイムスリップして心を重ねる。感動的です。
     琵琶の音が聞こえてくるようです。

     琵琶。今はあまり聴く機会もない楽器ですが、ボクは3年ほど前に薩摩琵琶の演奏者、川嶋信子さんを紹介していただきました。その後、彼女が立ち上げたユニット「谷中スタイル」が注目されはじめてます。ネットでサーチしていただければ出てきますが、辰巳泰子さんとのジョイントも面白いと思いますよ。

     当日は先約があるため行くことができませんが、ご成功をお祈りいたします。
mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!
  • 2009年04月19日 (日)
  • 東京都
  • 2009年04月19日 (日) 締切
  • イベントに参加する
  • 気になる!
参加者
1人