[Alton Miller] http://www.myspace.com/altohit デトロイトハウスのオリジネーター。Derrick MayやChez Damierとも共に活動をしていた重鎮であり、今もなお語り継がれる80年代後期のデトロイト・ハウス/テクノ・シーンを支えた伝説的なクラブMusic InstituteのレジデントDJ兼オーガナイザーである。91年から制作を開始、Serious Groovesからデビューした後、精力的に世界有数のハウスレーベル、Planet-E、Guidance、King Street、Trackmode、Moods Grooves、Mahogani Music、Lifeline、KMS等から、ソウルフルでトライバルなディープ・ハウスの作品をリリースする。ソウルフルなヴォーカル、パーカッショニストでもある自らの巧みなボンゴ・プレイ、流麗なエレピやストリングスが調和したトラックは、暖かくエモーショナルで心地よいダンスを与えてくれる。フル・アルバムは 「RhythmExposed」、「Stories from Bohemia」の二作だけだが、どちらも非常に高いクオリティを誇っている。現在はDJとして、モータウンのディスコ、Pファンクのソウルをルーツとしたプレイにより、世界中のクラウドをブラックミュージックの深い境地へいざなっている。かつてURのMad Mikeは”Hard Music From a Hard City"と言ったが、Alton Millerが鳴らす音はきわめて優しい。それは、過酷な町、廃墟とさえ呼ばれるデトロイトの環境に鍛えられた、マホガニ色の大人のダンスミュージック。
[THE ANCIENT a.k.a. ABDUL QADIM HAQQ] Mad MikeやJeff MillsがURを結成した1989年、HAQQはデトロイトテクノを視覚的に表現するアーティストとして活動を開始。その翌年からURにメンバーとして参加、グラフィックを担当し、Underground Resistance関連諸作品のジャケットワークで多くの作品を残した。また、Derrick MayやJuan Atkinks等とも進行が深く、その存在はビジュアルのみならず、彼らの作品に多大な影響を与えている。Model 500(Juan Atkins)のアルバム「Classics」をはじめとして、PlanetE/R&S/Transmat/Maurizio等のジャケットデザイン・・・、今日我々が、SFとデトロイトに視覚的な繋がりを感じるのは、廃墟デトロイトのブラック・マシン・ミュージックを、ヴィジュアル面で支え続けてきた彼の存在があるからだ。デトロイトの廃墟と黒い歴史を咀嚼し昇華した、その独自のアートワークは、宇宙的でいて、どこか人間くさい。SUN RAが自分達の宇宙を音で鳴らしたように、HAQQもまた自身の宇宙を絵で表現する。デトロイトにおけるアートワークの最前線に居続ける彼のペインティングを期待したい。