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開催終了平成18年度秋季関西学生法律討論会

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2006年10月10日 13:01 更新

分野【民法】

 Xは、平成18年7月5日、Y銀行京都支店を通じて、同銀行大阪支店にあるAの普通預金口座に100万円を振り込んだ。それは、本来、取引先であるBへ送金するため、同銀行大阪支店にあるBの口座に振り込むべきものを、誤って、Aの口座に振り込んだものであった。
 同年8月10日、Bから、未だ入金がない旨の通知を受けて誤振込みの事実に気づいたXは、Y銀行京都支店に対し直ちに「組戻し」手続きを依頼した。銀行実務では、受取人の預金口座に入金記帳されるまでは、振込み依頼人の依頼により、振込み手続きを取りやめ、振込み依頼受付前の状態に戻す「組戻し」手続きが認められており、仮に入金処理完了後であっても、受取人の承諾があれば、組戻しの依頼に応じるのが一般的である。しかし、翌日、Y銀行大阪支店の担当者から、「本件振込みについては、すでに入金記帳がなされており、Aと連絡がつかないため、組戻しの依頼には応じられない」と回答があった。Aは、債務超過状態にあり、取立てから逃れるために行方をくらましている、という。
 ところで、Y銀行大阪支店は、Aに対し、300万円の貸付債権を有していたので、9月11日付けの相殺通知により、この貸金債権のうち、120万円を自動債権とし、預金債権120万円(うち、100万円はXの振込金)を受動債権として、これらを相殺するとの意思表示をした。この通知書は、内容証明郵便として差し出されたが、間もなく転居先不明により被告に返送されてきたため、Y銀行は、9月末に、平成18年9月11日付け相殺通知書記載の相殺の意思表示について公示送達を申し立てた。現時点では、すでに相殺の意思表示につき到達の効力が生じている。
 Xは、誤振込金を取り戻すことができるだろうか。

出題 同志社大学法学部教授 梶山 玉香先生

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