名古屋・本郷L Gallery,F-1にて、11/10から『記憶の成層圏?/国島 征二展』が開催されます。

UPしたDM画像は、積層シリーズ「A-C-7A 06-23 2006」アルミニウムと自然石、鉛といった硬質な材が織り成す柔らかなラインが美しい作品です。
そして、降り積もる日々の事象を樹脂で閉じ込め、日常を普遍へと変えるラップドメモリーシリーズ「Wrapped Memory Gallery Anouncement“June.July.Aug 2006”」。

70歳になっても尚、精力的に作品を制作、国内外で発表し続けている現代美術家の国島征二さん。両シリーズ共に、新たなアプローチの作品も登場。
これまでに比べ小さなサイズの積層シリーズも並びます。小さくなってもシャープさや存在感は薄れることなく凛と其処に在る姿、作品の持つ強さに圧倒されるばかりです。

フユの匂いを鼻先に感じながら、色づいた街路樹の坂道をぬけ、ぜひ遊びにいらしてください。

記憶の成層圏?
国島 征二展
　
11/10（土）- 11/25（日）
13:00-20:00
会期中は無休
L Gallery , F-1
名古屋市名東区本郷 1-43
The Apartment LiF F-1　〒465-0024
tel 052-774-5599 fax 052-779-7978

地下鉄東山線本郷駅下車、2番出口（北方面バスターミナル側）より徒歩7分。
エントランスの呼出しボタンF-1を押してお知らせください。
お車でお越しの方は、建物南の駐車スペース N にお停めください。

　波紋、やがてそれが消えても、すべらかな鏡面の下、広がり伝わり続けるもの。一時として同じであることのない揺らぎ、その瞬間、瞬間が掬い取られたような銀色の姿。それは驚くほど冷たいのか、未だ甘く温もっているのか…月光に照らされた水の中へと思いを巡らせる。硬質な材の重なりが生み出す、柔らかなライン。アルミニウムに抱かれた石はまるで、心地よく水底に眠るよう。
　存在はこれほどにもシャープでありながら、イメージは宙へと遊ぶ、気持ちごと浮かびあがる。そしてその背後に隠されている、途方もない激しさ、厳しさに息を詰める。日々の記憶が閉じ込められたラップドメモリーシリーズも、決して発せられることのないコトバが秘められている、静かな樹脂の水面の内。作品と対峙する「私」の精神をも照らし出す沈黙。思わず姿勢を正す、向き合う、触れる、そしてまた包まれる。
　あちこちに満ちる初冬の気配、緊張感と優しい美しさとが同居した空間に、ぜひ足をお運びください。