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開催終了第2回アキネイターリレー小説

詳細

2009年06月30日 20:58 更新

前回が面白かったので第2弾開きたいと思います!

☆心構え
しりとり、いつどこでゲームのようなゲームとして捉えてください。
自分の作ったキャラや設定を次の人がぶちこわすこともあると思います。(元にしたラノベ部はそれこそぶち壊しまくりです)
そんなのでも笑って許せる方を募ります。

☆ルール

・40文字×17行のMFJフォーマット1ページ分
 例え文章の途中だとしてもそこで打ち切ること。
 なるべく全行埋めること。

・締め切りは前の人が完成して発表してから三日以内に書く事。
 もしなんの連絡もなく三日過ぎたら作者急病に付き次の人に回します。
 締め切り延ばすとしてもせいぜい1日か2日程度に、できそうになかったらパスを宣言すること。

・なるべく最後の人で完成させること。
 なるべく最後の人で完成させられるよう後半の人は協力してあげましょう。

今回は募集は3日にしておきます。
そしてまた順番は俺が管理します。

ぜひお誘い併せの上やりませう!^^

コメント(41)

  • [2] mixiユーザー

    2009年06月30日 21:12

    参加致します!ほっとした顔

    今度こそ無茶振りするんだっ!!
  • [3] mixiユーザー

    2009年06月30日 21:17

    前回は様子見だったので今回は参加しますw
    もちろんあのお方にも参加するんでしょうねぇw(*´Д`)

    友達から「お前の文章幼稚だな」って言われますがヨロシクお願いします^^
  • [4] mixiユーザー

    2009年06月30日 21:25

    こんな面白いイベント、見逃すはずないじゃないですか〜。
  • [6] mixiユーザー

    2009年06月30日 21:28

    もちろん今回も食いつくわけでwww
  • [7] mixiユーザー

    2009年06月30日 21:29

    今回ももちろん参加しますよ^^
    今度こそカオスにしてみせるw
  • [8] mixiユーザー

    2009年07月01日 16:03

    まさに期末試験直撃なので今回もこっそり見てます∩^ω^∩楽しみにしてますw
  • [9] mixiユーザー

    2009年07月01日 19:55

    こっそり参加しまふ。
  • [10] mixiユーザー

    2009年07月02日 14:01

    時間厳しいかな・・・
    でも参加します
  • [11] mixiユーザー

    2009年07月03日 21:15

    さて、順番決めのメール送りました。
    確認よろしくお願いします。

    あと、一応まだ募集中なので駆け込めば間に合いますw
  • [12] mixiユーザー

    2009年07月04日 07:12

    あの、メッセージ来てないですよ???
  • [13] mixiユーザー

    2009年07月04日 08:51

    え?あれ?
    それじゃ申し訳ありませんが俺にメッセージで1〜3で希望書いて送ってもらえますか?
  • [15] mixiユーザー

    2009年07月04日 15:43

    ……めぇるもきてません……(涙)

    なのでとりあえずメッセージ送りました。
    お騒がせしましたー
  • [16] mixiユーザー

    2009年07月04日 15:50

    おおぅ、参加しそびれたw
    でも10人なので人数は丁度よさそうですね、では観戦させていただきますw
  • [18] mixiユーザー

    2009年07月04日 22:43

    順番決まりました!

    1 やしお
    2 KOUさん
    3 エリックさん
    4 まことさん
    5 やまもとさん
    6 僕ださん
    7 カザトさん
    8 虚空さん
    9 金魚鉢さん
    10 落書士さん

    以上でお願いします!
    また以降の書き込みは本文のみで雑談は雑談所でお願いしますm(..)m
    それではスタート!
  • [19] mixiユーザー

    2009年07月04日 22:44

    8月31日
    近所では有名な安岐根神社。
    小高い丘の上にあり、平野である羅野辺市を一望できる境内はお盆や秋になれば賑やかなお祭りが模様され、市民であれば必ず一度は訪れたことがある場所だ。
    そんな場所でも夏休み最後の日ともなれば人っ子一人おらず、秋の虫達が鳴き始めている。
    私は鳥居を横に見ながら、神社の右手の森へと進んでいく。
    クヌギの木の間をくぐり抜け、おそらくやんちゃな男の子達が夜にカブトムシやクワガタムシを捕まえるために作ったであろう木の傷を眺めたりしながら、奥へ奥へと進んだ。

    「……ここだ」

    私を迎えれたのは、町の先に広がる大海原と、気持ちのいい潮風。
    「変わらないなぁ、ここは」
    思わず私は呟く。
    まるで時が止まったのように変わらない景色を見ながら、私は思い出していた。8年前の今日、ここで交わしたある男の子との約束を……
  • [20] mixiユーザー

    2009年07月07日 01:46

    8月31日
    ボクは今、お気に入りの場所に向けて自転車を走らせている。
    ・・・みんなは今頃大慌てで宿題やってるんだろうな。
    あの場所に行くのに宿題を気にしたままなんて嫌だったので、徹夜してなんとか片付けた。
    おかげで日光が少し目に痛かったけれど、この達成感に比べれば些細なことだ。
    あそこはあの子との思い出がいっぱい詰まった大事な場所。
    ともに過ごしたあの輝ける日々は、8年がたった今でも鮮明に思い出せた。
    ひとつの約束を残して引っ越してしまったあの子は、今頃どこで何をしているんだろう?
    ひょっとしたらこの市に帰ってきているかもしれない。
    あそこに行けば彼女が待っていてくれるかもしれない。
    そんな期待を抱きながらあの場所に定期的に通っているけれど、毎回待っていてくれるのは変わらない景色だけである。
    それにもし奇跡的に再会できたとしても、あの子はボクのことが誰かわからないだろう。
    名前を告げたとき、どんなに驚かれることか。
    嘘をついていた自分も自分だし、騙されていた彼女も彼女なのだけど。

    「ボクが女の子だって最後まで気付かないんだもんなぁ・・・」
  • [21] mixiユーザー

    2009年07月09日 10:04

    八月三十一日 (月) 天気:快晴
     めちゃくちゃ気持ち良かった。
    プールに行くのは久しぶりだったし、夏休み最後の日の市民プールはどこまでも混雑していて、芋を洗うどころの騒ぎじゃなかったけど、それでも受験戦争に疲れた高校三年生には、砂漠でオアシスくらいの潤いを与えてくれた。
    「これで夏休みも終わりかぁ。もうちょっといろいろ行けたらよかったんだけどね」
     帰り道、みんなと話しながらしみじみ呟く。高三の夏休み、あまり日程を消費して遠出をするわけにもいかず、さすがの仲良しグループも日帰りで遊びに行くのが限界だった。
    「でもさー、うちらも華がないよねー。どうせだったら、こういうとこに来るんでもカレシとかと一緒の方がいーじゃん」
    「それ、受験勉強でも何でも一緒じゃない?」
    「……ぐわ」
     ツッコミに涙目になる沙織に笑いかけると、ちょっと用事があるから、と、いつもと違う角で別れる。
     ふと、思い出したことがあったのだ。
     八年前の今日、安岐根神社で交わした約束があったこと。約束の相手はもう忘れちゃっているかもしれないけど、思い出の確認に行ってみてもいいかもしれない。
  • [23] mixiユーザー

    2009年07月09日 12:38

     懐かしい町並みを眺めながら私は、もしかしたら彼がここに来るのではないかと待っていた。
    もう約束なんて忘れているのではないか、不安になる私が心の中にいた。
    しかし、そんな思いを振り切る。私は予感した、彼は必ずここに来ると・・・。

     私がここに来て少し経つと、私が通って来た道の奥からガサガサと音が聞こえてきた。
    振り返ってみると男の子が「ここに来るのも久しぶりだな、懐かしいなぁ」と呟きながらこちらに向かってきた。
    「ねぇ!」
    私がそう声をかけると彼は私に気づいたのか、私の方に歩いてきてすぐ近くまで来た。
    「もしかして君は・・、8年前ここで俺と・・・?」
    そこまで聞いてやっと確信することができた。この男の子が8年前に約束した彼だ。
    「うん、そうだよ。久しぶりだね」
    そう言うと、彼の顔が綻んだ。子供が浮かべるような明るい笑顔にちょっと心をくすぐられた。
    8年前のあの子の面影はなかったが、8年も経てば男の子の顔なんてすごい変わるだろうし、約束を覚えていたんだ。きっとあの子だろうと私は思っていた。
  • [25] mixiユーザー

    2009年07月09日 23:55

     沙織たちと別れてから、あたしは黙々と山道を歩いた。
     汗だくになりながら安岐根神社に到着すると、鳥居の下に自転車が置いてある。
    (あたし以外に誰か来てるのかな?)
     そう思って周囲を見回すが、境内には蜩の鳴き声が響いているだけで、人影はどこにも見当たらない。
     誰かが置きっぱなしにしているだけだろう。と見当をつけると、あたしは男の子と約束を交わした場所に続く、細い獣道へと分け入っていく。

     数分後、あたしは違和感に気付く。
     誰も知らないはずの獣道に、人が通ったような形跡があるのだ。
     繁茂した夏草が倒れ、地面が踏み固められている。それによく見ると足跡まで残っている。昨日は夕方まで雨だったので、ここを人が通ったのはおそらく今日。
     思い出の場所に誰かがいるかもしれない。あたしは、もしかしたらあの男の子が。という期待と、思い出の場所が2人だけの秘密の場所でなくなっていたら、という不安を、同時に感じながら、山道を急ぐ。

     そして獣道を抜ける。そこであたしを待っていたのは、遠くに光る海と3人の少年少女だった。
  • [26] mixiユーザー

    2009年07月10日 01:06

     「キミは誰だ?……一体この子のなんなんだ?」
     あたしが『思い出の場所』につくや否や、そんな悲鳴みたいな声が聞こえた。
     その場にいた二人が、びっくりした表情を浮かべていた。
     (あれ、どうして三人もいるんだろう?男の子としか約束してないはずなのに…)
     正直どうしていいのかがわからなかった。
     ただあたしには凄い剣幕の二人がいるこの状況で質問できる度胸がある訳がない。
     結局そのまま話かけられずに『思い出の場所』から逃げ出してしまった。
     
     私はわけがわからなくなっていた。
     8年前約束したのは男の子だったはず。
     なのに目の前にはその男の子に向かって「誰だ」と尋ねる女の子。
     (………いや、お前が誰だよっ!)
     凄くつっこみを入れたかったけど、つっこめる状況ではない事は明らかだ。
     その時もう一人の女の子が唖然とした表情でつっ立っていた。
     その女の子は私達を見てすぐに、走り去ってしまった。
     「あっ、ちょっと待ってよっ!」
     私は走り去っていく女の子を追いかけるべく、全力で走り出した。
  • [27] mixiユーザー

    2009年07月12日 00:28

     夏休みの終わりともなれば、いつの時代の子も宿題に追われると相場は決まっているのだが、この子らは違ったようだ。
    「約束、だよ」
     指と指を絡ませ、幼い少女達は約束をする。きっと、この子たちはこの約束を忘れないだろう。過程や理由が欠落し、その約束の内容自体が歪んでしまってもだ。約束をした、という事実が、彼女達の約束になる。それでも、私は覚えていよう。それまで、私はここを守り続けよう。
    「うん、約束っ!」
     約束を終えると、二人の少女は手を繋いで帰っていく。その後ろ姿に、私は妄――もとい、思いを馳せるのだった。幾許かが過ぎ、幼い男女の二人組がやってきた。そして、深呼吸をして少年は言った。
    「覚えていたらでいいんだ! 海外から帰ったら結婚してくれ! 一目惚れなんだ!」
    「え……」
     見ていて鳥肌が立ちそうになる。女の子も満更じゃなさそうだ。所詮、私は路傍者ですから、手も出しませんし口もだしませんけど。でも、そうね――。
    「約束、だよ」
     4人とも“ちゃんと”覚えていたら、何かしてやらなくはないわよ?
  • [29] mixiユーザー

    2009年07月14日 23:02

     突然現われた見知らぬ女の子は、ボクたちの間の緊張した雰囲気に驚いたのかすぐに背を向けて走り去って行った。
    「あっ、ちょっと待ってよっ!」
     彼女は女の子を追って駆け出す。そして男もそれに続いた。正体を問い詰めたボクには目もくれずに。
    「え……あの、ちょ……」
     ボクはぽつんと一人取り残される。
    「む、無視しないでよっ!」そう怒鳴り、十秒ほど遅れて獣道へと踏み入った。
     八年ぶりにあの子の姿を見られて、嬉しかった。心が躍った。なのにその一分後の今、ボクは誰からも相手にされず、息を切らしながら全力疾走している。なんでこんなことになっているんだろう。泣きたくなってきた。
     前方の三人が足を止めたのが見えた。彼女が逃げ出した女の子に追いついたようだ。
    「ね、ねえ……ど、どうして、突然、逃げ出したりしたの?」
     彼女が息を整えながらそう尋ねる。瞬間――空に稲光が閃き、雷鳴が轟いた。ボクは思わず大きな悲鳴を上げて座り込んだ。雷は大の苦手なのだ。耳を塞いだボクの背中に、大きな雨粒が当たる。水滴はすぐに激しい夕立となってボクたち四人の上に降り注いだ。
    「あー、参ったなあ。雨宿り出来る場所でもあればいいんだが……」
     男がそう言った。
  • [30] mixiユーザー

    2009年07月15日 12:53

    「確か……近くに町会とかで使う集会所があったと思うたけど……?」
    「本当か!?じゃあ取り敢えずそこで雨宿りさせてもらおう!」
    「…でも、集会所って普段は鍵が掛かってるんじゃないの?」
    「でも雨宿りくらいは出来るだろ?このままじゃ皆ずぶ濡れだ!」
    「そうだね…じゃあ私が案内するからついてきて」
    「君も、ボク達と一緒に来なよ。このまま雨に濡れてたら風邪ひくかもしれないし……」
    「あっ……えっと…じゃあ、お言葉に甘えさせてもらいます……」

    〇※☆□♪

    「ここか…一応軒先でも雨は防げそうだな」
    「そうだね…あれ?ここ、開くよ?鍵が掛かってない」
    「…いいんですか?勝手に入っちゃって…?」
    「まぁ緊急避難って事で……別に物取りに入るわけでもないし、雨が止んだらすぐに出ていくから良いだろ?」
    「そうですけど…きゃあっ!?」
    「おわっ!!?」
    「ぅきゃあんっ!!?」



    「…結構、近かったね今の雷」
    「…あ、ああ。どっかに落ちたんじゃないか?」
    「凄い音でしたね………!?だ、大丈夫ですかっ!?」
    「………ひっ、うぐっ…ひぃ……!?」
    「おい、大丈夫かよ!?………あー…こんなとこで尻餅なんてつくから…ズボン、びしょ濡れじゃねぇか………」
    「……ッ!?うっ、うるさい!!今のは……そう、泥に足をとられて転んだだけだからっ!!か、雷に驚いたワケじゃないから!?」
    「…と、取り敢えず皆中に入りましょ?」

    〇※☆□♪

    「…ふう、取り敢えずしばらくここで雨宿りさせてもらうか…そういや、まだ名前言ってなかったな?俺は角川文彦。最近まで海外に住んでたんだが…しばらくぶりに日本に帰って来たんだ」
  • [32] mixiユーザー

    2009年07月16日 06:23

    何でか知らないがあの男が話を仕切る立場になっていた。
    そりゃボク等の中で唯一の男だから目立つのはわかるけど、なんでよりにもよってあの男なんかに仕切られなきゃいけないんだ。
    あの娘を取ろうとしているあの男に……
    やがてあの男(角川と言うらしい)が自己紹介を終わらせた、次はあの娘の番だ。
    あの娘はボクとの約束を覚えてくれて居るのだろうか?
    「では、私の番ですね、私は外記文子(げきあやこ)です、この街には親戚が住んでいて八年前にも一度だけここに来たことがあります」
    今更ながらボクはあの娘がなぜこの羅野辺市に来たのかを知った。
    文子が自己紹介を続けようとしていたが、それを遮るようにもう一人の女の子(まだ名前を知らない)がボソリと呟いた。
    「……なんか焦げ臭くない?」
    言われてみれば確かに……ボク達は周りを見回した。
    すると窓から外を見ていた角川が叫んだ。
    「おい!神社の御神木が燃えてるぞ!」
    なんだって!ボクはその言葉を聞いて集会所から飛び出した。
    雨は嫌だ、雷は怖い、だけどあの娘との思い出を失うのは嫌で、そして何よりも怖かった。
  • [33] mixiユーザー

    2009年07月18日 22:38

    雨の中でもお構いなしに燃え続ける御神木を前に、ボクは何も出来なかった。
    一人の女の子が何とかできるような事態ではない。
    そうはわかっていても、激しい無力感に苛まれる。
    結局、大切な思い出の一つが失われていく様を目に焼き付けることしかできなかった。

    私は雨に濡れるのも忘れて、後ろから彼女を見ていた。
    ほとんど燃え尽きてしまった御神木と、それを前に打ちひしがれている背中から目を離すことが出来なかった。
    何か大切なものがすっぽりと抜け落ちてしまったような空白感。
    あの木に思い出があったのは私も同じだった。
    けれどこの感覚は、思い出の象徴の喪失からではなく、あの子への共感によるものである気がした。
    私は、この娘を知っている?

    「ねぇ」
    ・・・あの子の声がする。
    ボクの後ろから聞こえてきたその声は、8年前と同じように優しかった。
    「この場所が好きだったの?」
  • [34] mixiユーザー

    2009年07月21日 01:22

    「そうだね」
     言いながらボクは振り返る。
    「確かに、この場所は好きだったんだけど……でも、好きだったからだけじゃないよ」
     あの木が燃えていくのが、こんなに辛いのは、この場所が、あの木が大切だったからだけじゃない。キミは憶えていないかもしれないけど、キミとの想い出が残ってるから。
     目から何かがこぼれおちて、慌ててぬぐう。きっと雨粒が目に入ったんだ。
     そんなボクたちの横を、白いシャツ姿の女の子が駆け抜けていく。
    「なら、ぼうっとしてないで手伝って!」
     怒ったような、悲しそうな、そんな声を残して、女の子はバケツの中身をぶちまけていく。御神木の火の勢いは、もちろんそんなくらいで弱まるほどのものじゃなかったけれど、彼女はめげずに、集会所わきに積まれた防火用のバケツを手にとってはかけていこうとする。
    「あたしは、最後の夏休みがこんななんて認めない! まだ、想い出だって何だって、終わっても、叶ってもいないもの!」
     夕立ちは、さらにざあざあ降りつける。炎はいよいよ燃え盛る。
     物理法則をあざ笑うかのように、黒い天を焦がす炎は、ボクたちを嗤っているように見えた。
  • [35] mixiユーザー

    2009年07月21日 18:50

     火が燃え広がっている、俺たちの思い出の場所がなくなってしまう。
    もしかしてこれは夢なのではないかと思った、しかし御神木が燃え尽きたあとの匂い、これが現実なんだと認識させる。
    女の子が叫びながら燃え盛る木に水をかけている。何を無駄なことをしているのだろうか、俺もここがなくなるのがイヤだが、俺たちが何かできる状況ではない。
    「なにやっているのよ、文彦くん!男の子でしょ、手伝いってよ!」
    俺が動けずにいるとそう怒られた。でも、なんだろう、懐かしい感じがする……。
    「お前こそ、何をやっているんだ。そんなことしても無駄だ!そんなことで火が消えるわけがない。ここは消防署に連絡をして逃げたほうがいい!」
    「わかってるよ、でもここは失いたくないの!ここは思い出の場所なの!大好きだった男の子との大切な……。今はもう顔も名前もあまり思い出せないけど……。ここがなくなったらあの子との思い出がなくなって二度と会えなくなると思うの!だから、だから私は!」
     一緒にいた女の子たちもバケツを持って火を消そうとしていた。
    俺はただ怖かった。ここを失うのもそうだがこの中にいるはずの女の子を失うのを……。
    伝えたい。俺は思い出の子に伝えたい。顔も名前もうまく思い出せないが、伝えたい。
    「帰ってきたよ、約束したよね?……俺と結婚してほしい」
    そう頭の中で呟くとあたりが真っ白になった。そして声が聞こえた。
  • [37] mixiユーザー

    2009年07月23日 02:14

     あたしの視界を、突然まばゆい光が覆い、つらい現実からあたしの心を引き剥がす。
     心が折れかけたあたしを、現実に引き戻そうとする言葉が聞こえる。いや、心に直接語りかけてくるこれは、言葉などではなく『想い』。
     その『想い』はあたしに向かってこう言った。

    『大丈夫、あなたたちの思い出はちゃんと守ったから』

     そして、ゆっくりと光が引いていく。同時に周囲の音も戻ってきた。
     最初に聞こえてきたのは、自分自身の泣き声、隣では外記さんたちも泣いている。文彦君は少し離れたところで立ち尽くしていた。そして雨が止んでいたことにようやく気付く。
     さっきのことを思い出す。
    思い出は守った? あたしたちの思い出の場所は、たった今失われたっていうのに……
     しばらく考えたが、やがて諦め、海のほうを見ると、空は綺麗な夕焼けに染まっていた。
    (この風景懐かしいな、あの時もこんな夕焼けだった……あ!)
     思い出した。あたしが八年前のこの場所で、あの男の子と交わした約束を。
    (男の子にいきなりプロポーズされて、おもちゃの指輪をもらったんだ)
    そのあとあたしが、「また会えたら一緒に指輪を取りにこようよ」って言って、二人で一緒に御神木の根元に埋めたんだ。間違いない。
  • [38] mixiユーザー

    2009年07月23日 13:21

     あたしはまた意識が遠のくような感覚に陥った。
     そして微かにだけど、確かに耳に残る声が御神木があった場所から聞こえてきた。

     『……手伝えるのはここまでだね。もう時間が無いんだ、これが。最後まで見届けられなくて残念だなぁ。でも思い出したのならもう大丈夫だね。後は自分自身を信じなさいな』
     ピカッ!
     あたしの周りの世界が光っていた。
     私はその光で現実に呼び戻される感覚がした。

     あたしが意識を覚醒させたその時、衝撃の光景が飛び込んできた。
     なんと、そこには角川くんしかいなかった。
     いや、正確には角川くんらしき男の子だ。
     「約束思い出してくれたかな、みぃちゃん」
     そう、あたしは確かに昔、みぃちゃんと呼ばれていた。
     これは昔の記憶らしい。ちなみにあたしの名前は富士魅衣子、通称みぃちゃんだ。
     「うん、ふみくん。ちゃんと思い出したよ、あたし」
     そしてまた急に景色が歪み始めた。そして意識が徐々に醒めていく…
  • [39] mixiユーザー

    2009年07月27日 19:25

    『私は覚えてるわよ、じゃあ、あなたは?』
     そう、私は――
    「昔ね。大好きだったお父さんが死んじゃったんだ。ボク。悲しくて、悲しくて。終いには、お香の臭いがする家にいたくなくて飛び出したんだ。色んなところを歩き回って、日が暮れて……そんなときにある女の子と出会ったんだ」
     覚えている。あの時、薄汚れた半ズボンを履いていた子の事。鼻水垂らして泣いていた。
    「こんな時間にここにいるのを怪しまれないように、神社の子だって嘘ついたんだ。ここが家ってのも嘘。――性別は、勝手に決めつけられたけど」
     だって……腕白そうに見えたんだもん。仕方ないじゃない。
    「私、来たよ。この町に」
    「うん」
    「この町に引っ越してきたの。だから――」
     火が消えたご神木の前に彼女は歩を進める。そして振り返り、手を広げて高らかに言った。
    「ようこそ、羅野辺市へ! 安岐根神樹の防人、能生通子(ノウミチコ)が約束通り、この町の深淵までご案内仕りましょう」
     舌を出して「ちょっと嘘入ったけど」という彼女に、あの日見た少年の顔はなかった。
  • [40] mixiユーザー

    2009年07月30日 23:52

     次の瞬間、ボクは歩み寄ってきた文子にぎゅっと抱きしめられた。
    「うん、覚えてる。私は全部覚えてるよ。――久しぶり。約束、ちゃんと守ってね」
     密着した肌の温かさ。耳元で聞こえる息遣い。胸の辺りに、自分のよりも豊かで柔らかい感触。女の子同士のはずなのに、なぜかボクは耳まで赤くなった。
    「……通子ちゃん?」
    「あ、う、うん、もちろん!」
     ボクは言って笑った。ようやく笑うことができた。今日一日の――いや、八年前からの想いが、やっと実を結んだのだ。パズルのピースが全て嵌ったような、何もかもがあるべきところへ収まったような、そんな気がした。
    『もう手助けはいらないよね? さようなら、子どもたち』
     そのとき、どこからかそんな声が聞こえ、そしてふっと何かの気配が消えた。
    「え? あれ?」
     ボクが目を瞬かせると、文子が呟くように言った。
    「今、消えちゃった……よね?」
     その感覚はこの場にいる全員が共有していたらしい。何か話し合っていた角川くんと女の子も、怪訝な顔で周囲を見回した。
    「繋ぎ止めてくれたの……かな?」
     誤解からすれ違って、あやうくばらばらになってしまうところだったボクたちを。
  • [41] mixiユーザー

    2009年07月31日 23:06

    9月6日、夏休みが終わって最初の日曜日。



    「いやいやいや、『夏休みが終わったから海に泳ぎに行こう!!』ってのはおかしいだろっ!?っつーか…こんな海近いとこに住んでんだから夏休み中に行っとけよ…」
    「まぁまぁ…こうして四人が知り合ったのも何かの縁だし、皆で夏の終わりに海に行くのも悪くないじゃない文彦?」
    「そうそう!通子ちゃんも『行きたい行きたい!!』って言ってたし」
    「!?いや、私はそんな事言って……というか、文子と魅衣子二人が勝手に盛り上がって――――!!」
    「まぁまぁ恥ずかしがらないでー!それに意外と通子ちゃん胸が大きいから合う水着も――――」
    「っなぁっ!?むっ、胸は関係ないだろっ!?―――って!!何笑ってんだ文彦っ!?」


    ♪☆※◎〆


    四人が遅めの海水浴の計画を立てている喫茶店を見下ろしながら、電信柱の上に立つ傍観者の神は一人微笑む。


    その顔に8年越しの約束を果たせた子供たちと同じ笑顔を浮かべ、くっくっと嬉しさを堪えきれないかのように笑いを漏らす。
    その笑い声は、どこまでも高らかに高らかに―――――――



    ♪☆※◎〆

    「落ち着いて通子ちゃん!!文彦君のそれ多分笑ってるんじゃなくて痙攣だからっ!!あああマウントとらないでマウントとらないで!!」
    「あああああ!!!!見るな見るな見るなバカ文彦っ!!」
    「くぁwせdrftgyふじこlp;@!!!!っぷぎゃるぁぁぁ!!!?」
    「きゃあああっ!?ふっ、文彦くぅぅぅんっ!?」



    ――――――子供たちの夏の思い出は、まだまだ終わらない。



    【了】
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  • 2009年07月03日 (金)
  • 埼玉県
  • 2009年07月03日 (金) 締切
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参加者
10人