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開催終了音盤夜行 vol.13 〜 13 kwaidan

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2010年05月11日 21:33 更新

長い下り階段。
見下ろす先の踊り場で、メリーが私を待ち受けている。

「……蓮子、早く!」
「少し遅れたからって、まだパーティははじまったばかりよ? フロアが暖まるまで、もう少し時間をつぶしてきていいくらいだわ」
「もう! 誘って来たのは蓮子の方じゃない」
「メリーのテンションがこんなに高いのも珍しいわね。ハウスやテクノなんてちっとも知らなさそうなのに」
「知らないわよ? でも、窓のない屋内に、原色の電灯、それに、地上から隔絶した長い長い階段なんて、とっても私たちらしいじゃない?」
「確かに、この非現実的な灯りなんて、ともすればレトロと言いたくなるほど昔の様式だけれど、深夜の墓地のように好奇心をくすぐるわね」

そして、テクノやハウスなどを流すDJのいるクラブハウスなんて、言ってしまえば幽霊と等しかった。

「蓮子の言っているような曲は知らないけれど、レコードの演奏は見たことがあるわ」
「演奏、ね。言いえて妙だわ」
私たちが生まれたころには、音を物理的に記録する媒体は失われていた。
音楽とは、実際に楽器で奏でるものか、デジタルデータを空気の振動に変換して鳴らすものを指す。
「それで、音盤を手元で見せてくれたの。あれって、音が眼に見えるのね。溝になっていて」
私がメリーに追いつこうとすると、彼女は一足先へするりと抜けて、軽やかに階段を踏み越えていってしまう。
「……境界があるって言うの?」
メリーは振り返って、私を見上げて、答える。
「そうよ。音とビニールの境界。地上と地下の境界。日常と非日常の境界。現実と幻惑の境界。
いろんなものを、一度に踏み越えるために……蓮子は私を誘ったんでしょう?」
彼女の立つ踊り場は、終点だった。行き着いた先の先、終着であり始まりのドアが開かれる。
私はあわてて追いつこうとした。メリーの背中に飛びつくようにして――。
ざわめきを湛えた暗闇が私を包み込む。
瞬間。

「……あれ?」

そこは箱だった。クラブハウスという比喩ではなく、吊り下げられて昇降する方の箱――エレベーターだった。
「蓮子? どうしたの、狐につままれたような顔しちゃって?」
問われて、自分の来た道を思い返そうとするが、定かではない。
おぼろげながらに、階段を下っていたようではあるのだが、今現在はエレベーターに乗って上へ上へと昇っている。その間が連続していない。
考え込むまもなくエレベーターは到着を告げ、メリーが一歩早く外へ飛び出していった。私もあわててその後を歩み出す。
地響きのような低音のうねりがその先で巻き起こっている。未曾有の、音の波。渦。

さて、ここはどこだろう?
その問いは、回転するアトモスフィアに飲まれて、一瞬後には跡形もなく消えてしまった。

———

【DJs】
Jing*da*Law / MUZIK SERVANT / 天音 / 白月らび /和泉幸奇 / haLRu

【infomation】
5/19(Wed)2010
open 18:00 & start 18:30 – close 23:00
場所:渋谷 club axxcis
http://www.axxcis.net/
入場費:2drink / 1500yen

【NOTICE】
*コスプレ大歓迎です!(東方キャラのみとさせていただきます)
女性は3Fのパウダールーム、男性は開催フロアのWCをお使いください。

*貴重品について
大きいお荷物、大事なお荷物はお手元で管理してください。
心配な方はコインロッカーもございます。ご利用ください。
最近、小荷物(メガネ、カギ等)の、紛失&忘れ物が多いので、特にご注意ください。

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  • 2010年05月19日 (水)
  • 東京都 渋谷 club axxcis
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参加者
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