アニメThe Last Unicorn の映像表現について、原作の文章表現と比較しながら解説します。 お出で下さった方には、原作に注を付けた『Annotated Last Unicorn』と、研究書『アンチファンタシーというファンタシー2 ピーター・S・ビーグル「最後のユニコーン」論』を差し上げます。
原作のレッド=ブルに関する記述を検証して、アニメにおける巧みな反映記述と代替記述のありかたを指摘する予定です。原作については注釈付きテキスト『Annotated Last Unicorn』、論考については研究書『アンチファンタシーというファンタシー2 Peter S. Beagle The Last Unicorn 論』に所載の「レッド=ブル 無知と盲目の影』を参考にすることができます。当日お出での方達には、この2冊の関連資料を差し上げます。
ユニコーンはその名の通り「一角獣」、それに対して牡牛は「二角獣」(バイコーン)です。世界の本質を理解するための基本概念として、「1」と「2」の対照を考える形而上的発想があります。この象徴哲学的な解釈の詳細と原作The Last Unicornについてのより深い考察は、『アンチファンタシーというファンタシー2 Peter S. Beagle The Last Unicorn 論』に収められている、ユニコーンとレッドブルのそれぞれについての論考をご覧ください。これらは別途ネット上にも、以下のリンクに公開されています。
You can find your people if you are brave. They passed down all the roads long ago, and the Red Bull ran close behind them and covered their footprints.
p. 15
“His firstling bull has majesty, and his horns are the horns of a wild ox. With them he shall push the peoples, all of them, to the ends of the earth.”
p. 15
お答え
こうした隠れた遊戯的記述は、作者の遊びでもあり読者の喜びでもあります。文学作品だけでなく、アニメや映画にもよく導入されているものです。しかし主題的には、意識の奥底を通じて時間と空間の隔たりに関わりなく世界の全てが繋がっているという、The Last Unicorn の世界観を表現する優れた技法と考えられます。宇宙の全てが、各々の個物を認識しそれぞれの存在と全体との関連を把握する意識の力が備える、「意味を作り出す力」によって密接な関係で結びつけられていると考えられます。
3 アニメ The Last Unicorn では、ユニコーンがとても女性的に描かれていましたが?
お答え
神話や伝説を通じて語り伝えられているユニコーンは、いかにも男性的なイメージです。お城のタペストリーに描かれていた姿に、それがうかがえました。The Last Unicorn では、人々が信じてきたそのユニコーン像は偽りのものとして否定されることになっています。
ユニコーンを雌として描く試みは、常識をひっくり返す大胆な行為だったわけです。