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開催終了「中国黄土高原 紅棗がみのる村から」写真展

詳細

2007年11月27日 17:01 更新

7月に共同通信のビルで始まり全国で開催されてきた写真展がついに京都にやってきました。見逃した方、興味のある方は是非足を運んでください。

「中国黄土高原 紅棗がみのる村から」写真展

◎11月22日(木)〜11月25日(日)←終了
京都大学11月祭(学園祭企画)
■10:00〜18:00

◎12月2日(日)〜12月13日(木)
ひとまち交流館(1F作品展示コーナー)
■10:00〜21:00
http://www.hitomachi-kyoto.jp/access.html

□写真展実行委員会・京都/090-1913-9786

◎写真展に寄せて 大野のりこ
2003年10月、北京行きのバスが土砂崩れで迂回路をとった結果、私は黄河の畔にひらけたとある小さな村に降り立ちました。
高原の頂まで耕された段々畑には、棗の実が赤く熟して収穫を待つ季節でした。
思えばそのとき、石段の陽だまりに座って孫たちを見守っていたひとりの老婦人から、「どこから来たの?」と問われたことが、私の長い旅の始まりになったのです。

「日本から来ました」という答えを聞いたとたん、彼女の日焼けした顔はみるみる憤怒の色に染まり、唇から激しい言葉がほとばしりました。まったく偶然訪れたその村が、“三光作戦”の村であり、私が戦後初めてやってきた日本人であることを、そのとき初めて知ったのです。

翌2004年8月、私は9人の学生たちと共に、再びその村を訪れ、84歳になる陳老人から聞き取りを行いました。
盲目の老人は、日本人に母を生きたまま焼かれた過去を、まさにその焼かれたベッドの傍らで、静かに語り出しました。

彼の口からは一度として激しい言葉が発せられることはなく、遠い昔の記憶を静かに手繰り寄せ、自らかみ締めるような口ぶりでした。そして最後に、60数年ぶりの日本人の来訪をどう思うかという私たちの問いに、彼は一呼吸おいた後、「感動した。ほんとうに遠いところをよく来てくれた」「今日聞いたことを、日本に帰ったらみんなに伝えて欲しい」と応えたのです。

過酷な自然環境と社会条件の下に、今も常に貧困と向き合わねばならない村人たち。政治の言葉で語られる謝罪や補償とはまったく無縁に、過去の記憶をひっそり抱いたまま残り少ない生を生きる老人たち。私は彼らが60数年もの長い間、“私たち”がやってくるのを待っていたのだと思いました。そして同時にこれ以上は待てないこと、つまり証言者たちがどんどん亡くなっていくという現実を目の前にしたとき、私は待たれていたことへの責任を、自分なりに果たしたいと考えたのです。2005年6月、北京を引き払って、私はひとり“ 紅棗(なつめ) がみのる村”に転居しました。

あれから2年、私は高原に点在する村々で老人たちの記憶を聞き取っています。
しかし、私は社会学や歴史学にいう「聞き取り調査」をして、記録に残すことだけが目的でこの村にやって来たのではありません。

一日2食、洗面器いっぱいの水を使いまわし、30Wの電球をつけ惜しむ、“国家級貧困地区”に指定されている小さな村で、私は村人たちと生活を共にしています。村人たちにとって私は単なる一日本人ではなく、名前も個性もあるひとりの人間であり、彼らもまた単なる“戦争被害者”ではなく、その後の60数年間を過酷な環境の中で生き延びてきた、ひとりひとりの個性ある村人たちです。60数年前の記憶を証言している現在は、まぎれもなく2006年、2007年の今日です。

だからこそ、老人たちの磐石な記憶を削除したり変更することは不可能であると同時に、私たちが出会った今現在、私たちの間に新しい記憶の糸を紡ぎ始めることは可能ではないか?2003年に始まった長い旅の、これが私の中間点での応えであり、今回の写真展は、いわば私の旅の中間報告です。老人たちの表情から、私の考える“現在進行形の記憶”の端緒を読み取っていただければと願っています。

なお、私は写真を撮るときに2つの条件を付しています。ひとつは、私が日本人であり、戦争中の記憶を聞き取る活動をしていることを老人たちに認識してもらった上で、シャッターを押すこと。そして、紙焼きした写真は必ず彼らの元に届けること。ときに生涯たった1枚のポートレートともなる写真を受け取るときの彼らの笑顔は、“山の郵便配達人”の苦労など、あっという間に吹き飛ばしてくれます。

同時に展示する写真は、私の旅を応援してくれる3人の日本の仲間たちが撮った黄土高原の暮らしと風景。そして私の活動に賛同してくれる中国の友人たち、山西理工大学撮影科の学生2人と、隣人の画家郭敏超、臨県で写真館を営む劉奮愛、写真家梁達の作品です。

2007年6月20日

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  • 2007年12月02日 (日) 13日の木曜日までの開催です
  • 京都府 ひとまち交流館
  • 2007年12月02日 (日) 締切
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