春の風物詩初市が、３月２４日と２５日には馬見原で開かれ、３月２７日と２
８日には浜町で開かれます。

　ここで、初市の由来について紹介します。

　中世のころには村や町が形成され、農業や手工業なども発達しました。それに
ともなって市も発達しました。（農業や手工業が発達すると売買や交換する物が
増えます。）
　
　市とは、物資（もの）の交換取引が行われる場所のことです。寺社門前や交通
要地に定期市が開かれ、三斎市や六斎市が開かれました。三斎市というのは月に
３回開かれる市のことで、六斎市というのは同様に月に６回開かれる市のことで
す。

　「矢部町史」２８３ページに三斎市について次のとおり書かれています。
「浜町では７のつく日がその開催日であった。特に２月７日は初市、７月７日は
七夕市、１０月２７日は大市といって非常なにぎわいを呈していた。」当時のに
ぎわいの様子として続けて町史には「その日は、近在の村々からはもちろんのこ
と、熊本、川尻、宇土、小川、松橋、八代など平生取引の行われている地方から
も商人が集まったし、さらに、日向臼杵藩の那須からも山道をものともせずに出
て来て交易していた。」と書いてあります。当時の市は、たいへん賑わっていた
ようですね。

　現在は車社会になってだいぶ社会の様子が変わってきていますが、数十年前ま
では、町史に書いてあるように、お隣の宮崎県からも九州山地の山々を超えてこ
の浜町まで買い物にやって来たようです。なお、町史で紹介されている２月７
日、７月７日、１０月２７日は何れも旧暦ですから新暦だと約１ヶ月遅れとなり
ます。