マーク・ニュートンは、ケンタッキー州の音楽一家に生まれ、家族とともにブルーグラスが盛んなワシントンDCに近いバージニア州フレデリックスバーグにうつり、毎週末に父親とブルーグラスのショーやフェスティバルにでかけるようになる。14歳で初ステージ。プロとしての演奏で注目を浴びたのは、70年代末にノックスビル・グラスに加入したときから。80年代の半ばに、ヴァージニア・スクワイアーズに加入。サミー・シーラー、リッキー・シンプキンス、ロニー・シンプキンスとともに、「現代風(コンテンポラリー)」のスタイルでブルーグラス界を牽引した。90年に来日公演を成功させた。10年の活動後にスクワイアーズが解散した後は、自身のバンド「マーク・ニュートン・バンド」を率いて精力的に活動している。自身の音楽活動のみならず、プロモーションやプロデュースにも才能を発揮し、運営にかかわるグラブス・マウンテンのフェスティバルは、全米では屈指の規模に成長し、豪華客船でのカリブ海クルーズ・ツアーでは草分け的存在。また、自身のバンドでのCD以外に、オールスター・キャストでの「Living Dream」で好評を博し、女性ブルーグラッサーを集めての企画「Follow Me Back To The Hold」は2001年にIBMAのRecorded Event of the Yearの賞に輝いた。2004年にナッシュビルに本拠地を移し、カール・ジャクソンをプロデューサーに迎えた「Hillbilly Hemingway」のCDも好調である。
ブルーグラスの中で生まれ、育ち、それを生業にして35年。もう「ベテラン」という呼び方が当然のキャリア。それぞれの時代のメインとなるスタイルに自分の音楽を上手く合わせながら、今もブルーグラス産業の中心を走っている。