早いものであの時からすでに13年が経とうとしています。私たちは歳を重ねましたが、快さんの遺影は当然ながらシワのひとつもなく、同じ姿のままで私たちの心の中にあります。
　今回の式場、会費等の負担はすべて、快さんがお勤めになっていたほっかほっか弁当株式会社さんが行ってくれました。
私としましては感無量といったところです。

　社長の山下さんとこの間打ち合わせもかねて食事をしてきたときのことです。つい快さんの思い出話に花が咲き話し込んでしまいました。快さんは本当にお弁当が好きで、事務職員として雇ったのに気がつくといつも本社からカローラで飛び出し、毎日各所の店舗に出向き、厨房でお弁当をつくっていたようです。
山下さんは穏便な方でそれを咎める事もなかったといいます。
　ただ一度、快さん頭にたんこぶを作り、両目を腫らして会社へ戻ってきた事があったそうです。
わけを聞くと、どうやら快さんは休憩中に勝手にチクワ弁当をオリジナルで作り、こっそり食べていたところを店長に見つかり、ひどく怒られたとゆう事でした。
　それ以来快さんがカローラで会社を出る事はなくなったそうです。彼はとり憑かれたようにオフィスで新しい弁当メニューを考えるようになりました。チクワ弁当を世に出すため、彼は身を粉にして働き上げたのです。チクワ弁当の完成間近、快さんは亡くなりました。13年前、快さんの棺に、快さんの顔が見えないほどぎっしりと詰め込まれていた弁当はチクワ弁当だったのです。

余談にはなりましたが、こんな快さんのために是非ご参加ください。

生前快さんは、自宅にある水しか入っていない水槽に、いつもチクワを２本沈めていました。