Suzukisuki (http://www.corde.co.jp/) 鈴木隆弘の音楽制作名義スズキスキーのプロフィールは、大学生活後半に芝浦GOLDに通い詰めていたときから始まる。そこで踊り狂っていた自分をいまはただ恥ずかしそうに振り返るだけの彼だが、その時期にハウス・ミュージックと出会ったことが制作のきっかけを与えたのだった。数々のトラックを聴き漁っていく中で、後にまで影響を与えることになるパル・ジョイの魅力も発見した。ひとつのサンプリングにひとつのループ。単純極まりないトラックの中に気持ちよさを見出し、自然と音作りにのめり込んでいった。 93年、ケン・イシイがベルギーのテクノ・レーベルR&Sからデビューを飾り、国内でもいくつかのテクノ・レーベルが設立された年に、スズキスキーのデビュー・アルバム『Thought』は完全自主制作盤としてひっそりとリリースされた。家内制手工業的な姿がテクノの美徳とされていた時代にいち早くそれを実現したのが彼だった。翌94年にも同じく自主でセカンド・アルバム『Big Tomorrow』をリリースしている(『Thought』と『Big Tomorrow』は03年にアルバム『Helix』と共にリマスタリング再発された)。 その後、スズキスキーは、日本のテクノ・レーベルとしてスタートした代表的存在であるTransonicをベースにリリースを重ねていった。『Waiting』『Kamakura』といった、クラブ・ミュージックの中に宿った日本独特のリスニング感覚を作品化した名作を発表し、また Transonicオーナーの永田一直らと共にファンタスティック・エクスプロージョンを結成し、リミックスやライヴなども精力的におこなった。 97年以降は、Soup-Diskをベースにしたソロ活動に徐々に専念し始め、『Joy Of Running』『Young Jam E.P.』『Message』『Utopia』『Helix』と、ゆっくりとしたペースながら、リスナーに忘れがたい深い印象を残す作品を作り続けている。06年、Soup-Diskのサポートで自身のレーベルLogicをスタートし、ソロ9作目となるアルバム『Ozma』をリリース。 単純で、いい加減で、インチキ臭くもあって、だけど気持ちよく、仄かな色気もあって、ついつい惹かれてしまう。スズキスキーの音楽の根元には、かつて彼がパル・ジョイのトラックに惹かれた理由が今もなお残っている。もちろん、やり方や形を変えてではあるけれど。シャイで多少慎み深いだけで、孤高のアーティストなんて気取りようもないスズキスキーの作り出す音楽には、作品をリリースするたびに、少なからぬ人々から共感が寄せられてきている。
Tickles(http://www.myspace.com/ticklesyukikamata) 壊れたビートの上で胸を奮わせる旋律が幾重にも交錯する夢幻の音風景。。湘南、藤沢を拠点に活動する鎌田裕樹、伊澤毅、牧島竜也の三人による電子音楽団tickles(ティックルズ) 2006年発売のファーストアルバム『a cinema for ears』リリース後から続けてきたバルセロナやローマ、韓国などを巡ったライブツアーでは、人力の生演奏を取り入れたスリリングでドラマチックなライブパフォーマンスで大きな賞賛を得た。そんな数々の経験を通過し生まれた珠玉の楽曲を詰め込んだ待望のセカンドアルバム『today the sky is blue and has a spectacular view』が2008年、自身のレーベル madagascar(マダガスカル)より発売された。多くの経験を経て、磨き築き上げられてきた分厚い音の壁は、この日本の形骸化されたエレクトロニック・ミュージックシーンにおいて一際異彩を放つ事になるだろう。