つまらない。勝っただけ。

そう言われた、前節の横浜FC戦。

スペクタクルなサッカーをしようと、負けは負け。退屈なサッカーでも勝ちは勝ち。何もそれは、サッカーに限った話ではない。スポーツにおける一般論である。

内容が良くても勝てなかった岐阜が、内容が悪くとも勝った。この事実を、いかにプラスにとらえるか。上位に行くチームとは時に、そういう試合をするものだ。悲観する必要はない。この結果をプラスに捉え、内容と結果が伴うクラブに成長しようではないか。

さて、早くも絶対に負けられない相手の襲来。

内容もさることながら、求められるのは勝利のみの今節。ここは落とせない。トップ・オブ・北アルプス以上に、負けられない相手。個人的にはそう思っている。

その名は栃木SC。

岐阜より１年遅れでＪ２入会。そこへ１０年には高木和正が移籍、１２年には菅和範が移籍。さらに大分経由で今年は、永芳卓磨が加入。かつて岐阜を支えた選手たちが新天地に選んだクラブ。きっと偉大なクラブなのだろう。それは認める。

しかし、だからこそ見せてやりたいのだ。岐阜の力を。思い知らせてやりたいのだ。今の岐阜の魅力を。あぁ、いま俺が岐阜にいたらどうだったのだろう。そう思わせたい。それほどまでに岐阜は変わったのだ。

その鍵を握るのは、三都主アレサンドロ。かつて日本を沸かせたその左足は、いまや岐阜を沸かせるためにある。そして栃木に引導を渡すためにある。

様々な思いが交錯する、聖地・長良川。今節、最もセンチメンタルな気持ちになる一戦。愛しさと切なさは、少なからずある。しかし、それに浸っては始まらない。岐阜を愛する勇者たちよ、あの時と変わらぬ熱き緑の魂で、奴らを迎えようではないか。