Alex Under (Cmyk Musik / Apnea / Plus 8 / Trapez) スパニッシュテクノにおいて彼の存在は絶大であろう。彼はCmyk Musikを主宰し、TRAPEZからリリースされた初のフルアルバム「Dispositivos De Mi Granja」は2005年クリック系アルバムNo.1と評され、Richie HawtinのレーベルPlus8から「Collage」リリース、若手実力派アーティストのひとりとして世界から注目された。また彼のライヴパフォーマンスには定評があり、細やかに展開するリズムにさえずるように穏やかな音色を配した非凡なミニマルトラックはなによりも豊かなグルーヴに溢れ、タイトで無駄のない硬質なリズムパターンに対して、ジャジーでメロディアスなフレーズや深いメンタリティを感じさせるシンセの反復が見事に調和し唯一無二の音楽性を表してきた。かねてから彼の才能を高く評価してきたThomas Brinkmannとのコラボレーションは2006年にCmyk Musikからリリースされた"Naranja Monje"にて実現、際立った才能を持つ2人のトラックメイカーの持ち味が溶け合った実に刺激的な作品となった。昨年話題となったFriendly People名義ではよりシンプルな構成と細かな変化のみで楽曲を構成するアブストラクトなスタイルの作品を展開し、自身の音楽表現の領域を意欲的に押し広げている。Cmyk Musik、Apnea、Mupa、Cyclical Tracks等のレーベルを統括するNET28の設立・運営、コンピレーションアルバム”1”リリース等成熟味を増した活動には期待が高まる。