この作品を観たのは2年前のCO2上映展でした。障害者を扱った内容というのでよくあるドキュメンタリーのような柔らかい内容だろうとタカをくくっていたのですが、全くその逆、過激でヴァイオレントでナンセンスと言ってもいいようなシーンもあるのですが、とにかく圧倒されました。
主人公住田雅清は四肢不自由ゆえ電動車椅子の生活、聞くことはできても話すことができないため小さなキーボードを押し電子音で意思を伝えます。そんな住田の住む家に介護実習のため、女子大生たちがボランティア研修に来るというところからストーリーは始まります。そのうちの一人に、住田は恋心を抱くのですが…。
自由の利かない体に閉じ込められるという抗えない運命、言葉にするとしっくり来ないんですが、押し黙らせれている者、被抑圧者が抱く怒りが、「健常者」「障害者」なんて区別やその他諸々全てを突き抜けて、胸にズドンと届きました。
エンディング曲はworld's end girlfriendという有名な現代音楽のユニットから提供を受けています。緊張がクライマックスに達し、観客にも登場人物にもことの全てが明らかになった後に流れる『singing under the rainbow 』は印象的な電子音が終始続くのですが、赤ちゃんの無邪気な笑い声か、切実に母乳を求める泣き声か、住田の心の中の絶叫か、はたまた人間は上の口から食べて下の口から出す無機的なチューブに過ぎないというメタファーなのか判然としません。住田の孤独と絶望とだけが強く心に残ります。
私事で恐縮ですが、この作品を観て映画をやろうと決意しました。是非皆さんご覧になってください。
おそいひとの灰色の自由と虹色の死刑を見届ける会
Dear late bloomer ; monochrome freedom and DEATH under the rainbow
〜『おそいひと』上映&トークセッション〜
●日時
5月6日(火・祝)
13:00開場 13:30スタート ※上映の後、トーク
●会場
「大楽 新僑飯店 大ホール」サンポードシティ4F
※第七藝術劇場と同じビル