某県某市、某月某日。
某地点で成年女性一名の死体、通報者無し。警ら中の巡査が発見。以下、司法解剖の結果判明した事実の記述。

首筋に二条の刺傷痕。致命傷ではないと判明。
該当遺体は頭部を損失。鋭利な刃物による物。直接の死因に当たる。
凶器は遺体心臓部に突き立てられたナイフ。頭部切断後に、改めて突き刺したと推定。理由は不明。材質主成分は銀。指紋無し、凶器の前科無し。

「…なんてこった…この手口…マジかよ、勘弁してくれよ…十何年前、トランシルバニアの事件と同じなら…いや、アイツはいない、死んだ…滅んだはずだ、記録の通りなら…だがもし…同じなら…」

《名無し》が来やがった。


片田舎の平凡な街を震撼させた殺人事件。

第二の事件が起きるのは、それからすぐだった。

あなたの学園で宴が始まる。

クラッカーは首無し死体。

主催は《名無し》。

その姿は、影も無し。

厄介だ。あなたにとってとても厄介だ。

正体の暴かれるその危険。
エゴを喚起するその危険。
絆を失うその危険。

あなたは《半魔》。
ヒトの中で仮面を被って、学園の中で役割を演じる、ヒトならざるモノ。

この事件の真相に迫れるのはあなた。
この事件で生き残れるかもしれないのはあなた。
大切なヒトを、モノを護るか失うか、試されるのはあなた。


宴の招待状は、既にあなた方の手の中に。


旧約ビーストバインド、『ある日宴は突然に〜名無し・首無し・影も無し〜』。

それでは皆様、良い夜を。