MAKII MASARU FINE ARTSにて
http://www.makiimasaru.com/mmfa/exhibition/index.html

2007年5月21日（月）〜6月2日（土）
〒111- 0053 東京都台東区浅草橋1-7-7
　Tel＆Fax 03-3865-2211

矢野　静明（やの　しずあき）

人間にとって絵を描くとはどういうことなのか、それは矢野静明の絵画をみればわかるだろう。
油彩、水彩、木炭の仕事を通して矢野が追い求めたのは、本来の「装飾」というプリミティブな呪術性の回復を通じて、人間の生の全体性に対する感覚の場所をつくることだ。
そこでは線が刻み込まれ、形態が遊び、物質化した色彩と重なり、地層をなしていく。
その地層は、日々の人間の具体的な営みの中で、反復される時間が織り込まれ、同時に私達の日常の世界を越えて、もうひとつの世界との通路を開く場所である。
矢野の絵画をじっと見ていると、遠い時間の中に迷い込み、暖かい気持ちに包まれるだろう。

中津川浩章