ブルゴーニュ好きの人は、ブルゴーニュこそが唯一無二のワインの産地だと思っている人も多いと思いますが、私個人としては、シャンパーニュの方がそういった唯一無二の産地としての印象を強くしています。


今、ワイン漫画といえば「神の雫」がメジャーですが、今年の年初から、ビジネス・ジャンプに「ソムリエール」という漫画の連載がはじまりました。

堀賢一というワインジャーナリストが監修をしています。紹介されているワインを見る限り、やはりワイン・スノッブ族の一員ですが、神の雫の作者よりはワインの理解度は深く、問題意識ももっているようです。

そんな「ソムリエール」の第１巻で、ブランド好きな下卑たオヤジにすばらしいシャンパンを飲ませることとなり、主人公の樹カナが探し出し、納得して出したのはシャンパンではなく、なんとイギリスのスパークリング・ワイン「ナイティンバー1999」でした。ブランド好き野郎は、イギリスのスパークリング・ワインということでハナからバカにして飲みませんでしたが･･･

実はこの話をビジネス・ジャンプで読んで、すぐに楽天で「ナイティンバー」を買い求めました。1996年物しかなかったので、それを２本買ったら楽天から在庫が消えてしまいました。ぎりぎりの飛び込みセーフだったのですが、実際のところ非常にすばらしいスパークリングで、ミネラル感が異なるためにシャンパンと同じ個性ではありませんでしたが、確かに質は同等以上。

「神の雫」同様、「ソムリエール」も各連載の巻末にはワインの記事が書かれています。この話のときは、堀賢一がスパークリング・ワインについて書いていて、シャンパーニュを除いて、スパークリング・ワインの生産は非常に難しくなっているというなかなか興味深い内容でした。

そんな中、彼が最上のシャンパンに匹敵するものとして挙げていたのが２つの泡で、それが「ナイティンバー」（英国）。そしてもうひとつは、シャンパーニュの名門ルイ・ロデレールがカリフォルニアで造る「エルミタージュ」です。


今回の企画では、この２本に加え、堀賢一は飲んでないと思われるスペイン最上のスパークリング・ワインと、最も入手困難なシャンパーニュのジャック・セロスがイタリア最高のワイン生産者のひとつとともに造る、今一番話題の泡も加えて、シャンパンにぶつけてみることにしました。

用意した泡は、すべてシャンパンと同じく瓶内２次発酵した泡です。


美しくキラキタ立ち上る泡を見つめて、一夜だけでも暑い夏を忘れましょう！



■名称：ワイン一期一会 Meet the Wine World !!＠神戸 Vol.18
　　　　　チャレンジング・シャンパンの会

■日時：８月３日（金）　午後７時〜

■会場：広東料理 かどや飯店（ＪＲ六甲道駅から北西に徒歩２分）
　　　　　灘区六甲町１丁目３−１
　　　　　078-843-3744

■定員：１４名

■会費：ひとり７５００円（ワイン代＋料理代）

■参加登録：「このイベントに参加する」をクリックしてご登録ください。
　　　　　　　また、同時にコメント欄にも一言、参加登録をした旨の
　　　　　　　投稿もお願いいたします。

■ワイン：ひとり頭4/5本〜6/7本飲みます。


(1)スペイン
Carles Andreu, Cava Brut NV
▼ワイン・アドヴォケイト誌88点。「卓越したカヴァである。印象的なワインで、清潔なスパークリングは、高品質のシャンパーニュにもひけをとっていない。スペインからきたまさにきらめくワインである。」


(2)スペイン
Ferre i Catasus, Cava Reserva Brut
▼スペイン国内のミシュラン星付きレストランにオンリスト。マカベオ45％、パレリャーダ25％、チャレッロ25％、シャルドネ5％。


(3)スペイン
Robert Jota Mur, Cava Reserva Brut "Especial Tradicio" NV
▼世界中で最も予約の取りにくいレストラン「エル・ブリ」他、スペイン国内ですべてのミシュラン３つ星レストランにオンリスト。チャレッロ34%、マカベオ33%、パレリャーダ33%。


(4)スペイン
Robert Jota Mur, Cava Gran Reserva Brut "Natule" NV
▼ロベルト・ホタ・ムール最高のカヴァ。カヴァとしては別格の値段。質もすばらしいらしい。ワインのエチケットに誇らしく「カリスマ・レストラン〈エル・ブリ〉が認めた最高品質のカヴァ」と書かれています。


(5)米国
Gruet, Brut Blanc de Noir "Methode Champenoise" NV
▼ワインスペクテータ誌86点。ニューメキシコの珍しい泡。シャルドネ25％、ピノ・ノワール75％。


(6)米国
Roederer Estate, Anderson Valley Brut NV
▼シャンパーニュの名門ルイ・ロデレールがカリフォルニアで造る泡。ワインスペクテータ誌で90点の評価をされたこともある。シャルドネ70％、ピノ・ノワール30％。


(7)米国
Roederer Estate, L'Ermitage Anderson Valley Brut 1999
▼1999年の暮れにニューヨーク・タイムズ紙主催の「２０世紀最後に飲まれるべきワイン」を選ぶ催しで、クリュグ等のシャンパンを含む中で堂々第１位。ホワイトハウスの晩餐会で使用される米国最高のスパークリング・ワイン。


(8)英国
Nytimber, Cardonnay Traditional Method Premiere Cuvee 1999
▼漫画「ソムリエール」第１巻でシャンパンを超える泡として紹介された。監修者の堀賢一によると、シャンパーニュと同等以上の泡はナイティンバーと上記(7)ぐらいしか見当たらないという。シャルドネ100％。


(9)フランス・シャンパーニュ
Mailly, Champagne AOC Premier Cru "Les Galipes" Brut NV
▼シャンパンの標準的なレベルのサンプルとして。F1の表彰で使われるモエやマムのNV（ノン・ヴィンテージ）よりは確実に美味しいです。


(10)フランス・シャンパーニュ
Arnaud de Cheurlin, Champagne AOC Brut Reserve "A Celles sur Ource" NV
▼秀逸なRM（レコルタン・マニピュラン＝シャンパンの小生産者）のひとつ。シャンパンらしく繊細で美しい味わいです。


(11)フランス・シャンパーニュ
Alfred Gratien, Champagne AOC "Cuvee Paradis, Epernay NV"
▼1993年のワイン・スペクテーター誌のシャンパン特集で、アメリカ市場に出回っている100種類以上テイスティングした結果、クリュグ等の並みいる強豪を抑えて最高の評価を受けた。「貧乏人のクリュグ」とくちさがないことを言う人もいるが、個人的には少なくともクリュグのNVよりは上だと思っている極めて優れたシャンパン。キュヴェ・パラディは、ヴィンテージ表記こそないものの、単一畑の葡萄のみで造られたプレステージ・シャンパン。今回の中身は偉大な年の1996年物と思われます。


(12)イタリア・カンパーニャ
Domaine Jacques Selosse & Feudi di San Gregorio, Vino Spumante di Qualita Falanghina "DUBL" Methodo Classico
▼今一番話題のファランギーナ100％という稀有な泡。イタリアはカンパーニャ州の雄、ファウディ・ディ・サン・グレゴリオがジャック・セロスのアンセロム・セロスの全面的な協力の許に造った野心作の初ヴィンテージ（ヴィンテージ表記はありませんが）。アンセロム・セロスの指導の許、果たして「カンパーニャの土着品種からクオリティの高い泡を作りたい」という目的は成就しているか？！