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開催終了マハーバーラタのインターネット読書会

詳細

2007年06月30日 11:18 更新

昔、昔、その昔。 今の人類の文明が生まれるよりも、もっと遠い昔が、マハーバーラタの舞台。 

ヴャーサによってつづられたこの歴史物語は、ヴェーダとヴェーダーンタのエッセンス。 もっともたくさんの人々に親しまれてきた、Kamala Subramaniamによるマハーバーラタの英語の本を、日本語で解説しながら少しづつ読みすすめるクラスです。 目に見える世界だけではなくて、かすかな世界も含めた壮大な歴史物語を一緒に読み進めてみませんか?子供たちにも、大人にもたのしめます。 ゆっくりと、ダルマの意味、宇宙の意味が深まってゆきます。 英語の勉強にもすばらしい効果あり!!。

毎週水曜の夜、お休み前の1時間(22:15から23:15)
毎週水曜の昼 午後の紅茶に時間(14:30から16:00)

詳しい参加方法は、

http://vedanta.exblog.jp/i2

をご覧ください。

コメント(26)

  • [2] mixiユーザー

    2007年05月28日 16:48

    マハーバーラタ読書会については、
    http://vedanta.exblog.jp/i11


    第一回のお話のあらすじ。

    CHAPTER 1
    ガンガー(ガンジス河)の岸の上で

    王様はとても猟が好きでした。それは彼の情熱を駆り立てました。彼はガンガーの川の畔に辿り着きました。王様が彼女を見たのはその場所でした。彼女はまるで幻の姿のようでした。金のように輝く肌をした彼女が立っていました。彼女の目は大きく輝いていましたが、指でとかしていた髪が長くのびていたので、まるで、あの有名なラーフゥーが月を隠してしまうようでした。王様は目で彼女を飲み干すように立っていました。ただただ王様の目を喜ばせるために天国から地上に降りてきた妖精のように思われました。王様は彼女に近づきました。音を聞いて振り返った彼女は王様を見ました。王様から目を伏せた彼女の顔は、バラ色に覆われました。彼女のつま先は地面に模様を描き、彼女の肌色の小枝のような指は黒い髪に絡まっていました。しばらくして、彼女は伏せていた目を上げて王様を見ました。王様は彼女が自分に関心を持っていると思いました。

    王様は彼女に近寄りました。そして、とまどう彼女の手を取ってこう言いました。「あなたはとても美しい。あなたを私のものにしたい。私は、ハスティナプーラの王、サンタヌです。私はあなたを愛しています。あなた無しでは生きられません。」ガンガーは微笑んで言いました。「私はあなたを一目見た瞬間にあなたの妻になるにちがいないと思いました。あなたの王妃になります。でもそれにはひとつ条件があります。どんなときであろうと私に干渉してはいけません。私を不快にしたなら、私はあなたの元を離れ、決して戻ってきません。」「わかりました。」 恋に落ちた王様はそう言って彼女を町に連れて行ったのです。

    彼女は、思いやりという言葉の意味をそのまま現したような王様の理想の王妃でした。チャーミングさや美しさ、優しい言葉遣いや他のたくさんの優れた性格によって王様をとても喜ばせました。王様は彼女と居ると時間を忘れました。彼女はガンガーと呼ばれました。

    月日が経ち、ガンガーは、王様の息子を産みました。王様はとても喜びました。偉大なパウラバスの、由緒ある王の位を飾る跡継ぎが生まれたのですから。王様は王妃の寝室に急ぎました。ところが、彼女はいないと言うことでした。王妃は彼女の腕に息子を抱いて、ガンガーの岸に向かって急いで行ったと言うことでした。王様には何が起こっているのかわかりませんでした。王様も川岸に急ぎました。そこで王様は、記憶に染み付いてしまうほどの恐ろしい光景を見てしまいました。彼の愛するガンガーが、生まれたての子どもを川の中に放り投げたのです。王様は彼女の表情を思い出して何日も何日も悩みました。彼女はまるで彼女の心からおおきな荷物を捨て去ったように見えました。彼女に理由を尋ねたかったのですができませんでした。彼女にした約束を覚えていたからです。彼女には決して干渉しない、彼女を不快にしないという約束を。

    その出来事は、また1年後にも起こりました。そしてまた。そしてまた。7人もの王様の息子がガンガー川に捨てられました。王様は黙っていました。愛は人の目を眩ましてしまう。けれども、そうではありません。愛する人の良い面だけを見てしまう目なのです。そして他の欠点は見ない目なのです。ガンガーは、王様にとっては、まさに命でした。けれども、跡継ぎが欲しいという欲求もまた大きなものでした。安らぎがありませんでした。そんな1年が過ぎました。8人目の息子が生まれました。ガンガーは彼女の手にその子供を抱いて川に急ぎました。王様は悲しみと怒りを押し殺すように無言でした。そして、彼女のあとを追いました。背中から彼女を捕えました。初めて彼女に乱暴な言葉を吐きました。「何て残酷な行いなのだ。もう耐えられない。私の息子が全部このように殺されるのを見てられない。どうしてこのようなことをするのだ。どうして母親が、花が咲く前に花の茎を折ってしまうことができるのだ。私にこの息子をよこしなさい。もうこれ以上黙ってはいられない。」

    ガンガーの口元に、奇妙な微笑みがうかびました。悲しみと安堵が混じった微笑みでした。彼女はとても優しい声で王様に言いました。「私の王様、あなたの元を離れなければいけない時がきました。あなたは約束を破ったのです。私は急いでここを離れなければいけません。私たちのこの子は生きるでしょう。私はこの子を一緒に連れて行き、育てます。そして時が来ればあなたの元に返しに来ます。私はこの息子をデーヴァヴラタと名づけます。もう一つの名前はガンゲーヤです。」王様は悲しみに呆然としました。彼女の言っていること全てが理解できませんでした。ただ、王様にわかることは、たった今、自分にとって全てである女性が、永遠に彼のもとから離れようとしていること。それは、8人目の息子を殺さないでくれと頼んだことが理由であること。王様は無言で訴えるようにガンガーを見ていました。それは言葉として口から出てきました。「なぜ、このような事を私にするのですか。私の生は、あなた無しではありえないほど、あなたと密接に関わっているとわからないのですか。あなたは私を見捨てて、去ってはいけない。ガンガー、私を一度は愛したでしょう。その愛の名において、私はあなたにお願いします。私を見捨てて居なくならないでおくれ。」

    苦痛の表情がガンガーの顔に浮かびました。彼女は言いました。「ああ、私の王様。私が行くのは、そうするしかないからだとわかりませんか。私はガンガーです。私は神々に使える者です。ある呪いで私はこの地球で人間の生活をしなければなりませんでした。 あなたは前世、マハヴィシャクの偉大な王でした。あなたは一度、インドラの王宮に居たことがあります。私はそこを訪れたのです。あなたは私を欲望でいっぱいの目で見ました。私もあなたの王妃になりたいと思いました。でも、天の住人たちはそれを良く思いませんでした。私はあのマハヴィシャク、つまり、プラティーパの息子として生まれたこのサンタヌの王妃になるために地球に送られたのです。このように私たちの恋は実ったのです。私たちは幸せでした。王様、時間の流れを止めようとしないで下さい。起こると定まっていることは起こるのです。あなたも、そして私も、たとえ天界の神々だって、起こるべきことは起こるという秩序を変えることはできないのです。」

    王様は混乱しているようでした。「まだわからない。あなたと私の間に生まれた7人の子供たちを殺しているのはなぜ? それも呪いなのか。」「そうです。」彼女は言いました。「8人の子どもたちは、呪いのために、この世界に生まれてきた8人のヴァスーです。私は、彼らに、私が彼らを産むことを約束しました。また、生まれたらすぐに、この世の束縛から彼らを自由にするということを約束しました。しかしこの8人目の子はこの地球に長く生きるという呪いをうけていました。この子は、生きることを許されているのですから、王様、どうか悲しまないで。私はあなたに、この跡継ぎをさしあげますから。この子が、生まれてきた役割に応じた準備が整うまで、輝かしいパウラヴァスの王位を継げるように、私がこの子を引き取ります。」

    幻想の幕が引き裂かれて、目が真実を見ることを許されたとしても、目は、その真実をまともに見れるほどの力を持ってはいないということがわかります。王様の場合もそうでした。天界の女神であるガンガーは、その王様の妻の役を演じることが、自分にはふさわしいと考えました。けれども、その王様、サンタヌとは、はかない肉体を装う人間にすぎませんでした。天界の女神の夫という栄誉をうけとれるほどの偉大さはなかったのです。王様の考えは、真実と向き合い、それを受け止めることができませんでした。ガンガーが言うことを聞いて、王様は物が言えないほど混乱してしまいました。彼にはあまりのできごとだったのです。ガンガーが、彼を捨ててしまい二度とは戻らない事、そして、パウラヴァスの名前を継ぐ息子を得たことだけしか、彼には理解できませんでした。ガンガーにとっては、サンタヌ王の考えをそめている感情を見ることはとても簡単でした。愛と交じり合った悲痛にそまる目で王様を見て、やさしく声をかけました。「私の愛する人よ。どうか不幸にならないで。私は、私たちの息子を大切にお世話しますから。この息子は偉大な男になるでしょう。月の民族の王位という名誉を与えられてきたパウラヴァスの、どんな偉大な王よりも偉大な人となるでしょう。」

    ガンガーは、その姿を視界から消してしまいました。サンタヌは、悲痛な気持ちいっぱいで、最後の瞬間のガンガーの姿を記憶に蘇らせるように何時間もすごしました。やがて断念し、ため息をついて、ゆっくりと振り返ると、家路を歩き始めました。まったくの孤独が待っているその宮殿に向かって。

  • [3] mixiユーザー

    2007年05月28日 16:54

    マハーバーラタ読書会については、
    http://vedanta.exblog.jp/i11

    読書会、第二回目のあらすじ

    CHAPTER 2
    16年の歳月が流れて

    16年が過ぎ去りました。砕けてはしまわないでしょうが、ぺちゃんこになってしまった心。それが、王様の心境でした。彼の人生は空っぽでした。人生が意味を全部失ってしまいました。でも、彼が国を治めることに、それは、なにも影響しませんでした。彼は、理想的な王様でした。人々は、彼の統治の下で幸せでした。昔と同じように、彼の唯一の楽しみは、狩猟でした。取り付かれたように、ガンガー河の土手にいつも通っていました。その場所が、唯一彼に安らぎを与える場所だったのです。

    ある日、王様が川岸にそって歩き回っているとき、奇妙な光景が目に飛び込んできました。川が流れていなかったのです。何かが川をせき止めているように見えました。好奇心一杯になった王様は、何が起こっているのかを見るために川岸にそって歩いてゆきました。彼は、網状に組まれた弓矢を見ました。たくさんの弓矢が、一滴の水も漏らさないほど編み込まれていたのです。サンタヌ王は、川にできた突然のダムに驚いて、その場所に立ちすくんでしまいました。

    王様は、彼が1人で、そこにいるのではないことに気がつきました。彼の愛するガンガーが、甘くうららかな微笑みをうかべて彼のそばに立っていました。王様は、仰天しました。彼は、涙を一杯目にためて彼女を見ました。王様は口を開きました。「ガンガー。あなたは、私を哀れんだのですね。何年も、私は孤独でした。私はあなたを手に入れたい。あなた無しには生きられない。どうか、もどってきておくれ。あなたは私を忘れてしまったのだね。知っているよ。そうでなければ、今時、あなたはやって来ないもの。さあ、町へ急ぎましょう。もう一度、幸せになりましょう。」ガンガーは、あわれみの目で王様をみました。彼女は言いました。「私のだんな様。全ては過ぎたことです。私は戻りません。太陽は戻ってくるのは、次の日を導くためだけです。誰も、一瞬たりとも、もとに戻ることはできません。そういったことは全部、的外れなことです。なぜ、私が来たのかを言わせてください。せき止められている川を見ましたか?」「はい」と王様。「あなたが現れたとき、私はその光景に見入ってしまっていました。ガンガー。誰があなた(ガンガー川)をせき止めているのですか? 私の愛する富の全てであるあなたを、せき止めることなどできないのではないですか?

    彼らが話をしているときに、突然、耳をつんざく音がしました。それは、たった今、せきをはずされて流れ出した川のうなりでした。遠くから、彼らに向かって、ひとりの少年が走ってきました。高貴な顔立ちの美しい少年が興奮した様子で。その少年は、手を伸ばしてガンガーに抱きつきました。そして、言いました。「お母さん、お母さん! 私は、川をせき止めました。 もう一回、できたんだよ!」ガンガーは、王様を見ました。彼は、驚きのあまりの絵のようでした。「あなたの子供?」と彼は尋ねました。「そうなら、その子は、私の子供にちがいない、ちがいない!」「そうです、だんな様」とガンガーが答えました。「あなたの推測は正しいです。この子は、あなたの息子です。」彼女は、若い男の子を振り返って言いました。「デーヴァヴラタ。あなたのお父さんだよ。挨拶をしなさい。」サンタヌ王は、彼の足元にひれ伏す彼の息子を持ち上げて、抱きかかえました。ガンガーは言いました。「これが、私が来た理由です。私は、あなたの息子を連れてきたのです。あなたを癒すために、一緒に彼を連れてゆきなさい。彼は、クシャットリアが知るべき技術を全部よく学んでいます。ヴァシスタが、彼の先生でした。彼からヴェーダとヴェーダーンガを学びました。聖なる先生であるブルハスパティからは、政治学をならっています。私の頼みで、クシャットリアの敵であるバルガヴァが、彼に弓術を教えました。今では、私の息子は、全ての技術において熟達しています。パンダヴァスの王位をとるに値する跡継ぎとして、私は彼をふさわしく育てました。あなたに、この英雄をあげましょう。この英雄を連れて帰りなさい。」ガンガーは、消え去りました。

    16年前と同じように、王様は家路につきました。しかし、今日は、1人ではありませんでした。彼の息子、ガンガーとの間に生まれた息子が彼の横にいました。サンタヌ王は、あまりに長い間、孤独であった彼の唯一の正式な跡継ぎである、このハンサムな息子を誇りに思いました。父と息子は、共に、ハスティナプーラの都への道のりを歩みました。

  • [4] mixiユーザー

    2007年06月02日 01:14

    マハーバーラタ読書会については、
    http://vedanta.exblog.jp/i11

    読書会、第3回目のあらすじ


    CHAPTER3
    漁師の娘


    四年が過ぎ去りました。サンタヌ王は、息子と一緒に、たくさんの幸せな日々を送りました。彼は、彼の息子であるデーヴァヴラタを溺愛していましたし、息子の方も、お父さんに夢中になっている理想的な息子でした。まるで、お父さん無しで、孤独で過ごした年月を取り戻したいと思っているかのようでした。彼らは、お互いに離れることができない関係でした。王様は、デーヴァヴラタにユワラージャ(プリンス)としての地位をあたえました。国の人々は、喜びでいっぱいでした。ところが、いつも運命は、待ち伏せを楽しんでいます。まったくの幸せの光景など、彼女(運命)には、うんざりなのです。彼女は、コップ一杯の喜びには、いつも苦い一滴を加えることで、調節するのです。

    ある日、王様は、狩に出かけました。彼は1人でした。彼が獲物を追っているとき、奇妙な香りが彼の鼻を刺激しました。今までには、匂ったことのない香りでした。その甘い香りが彼を圧倒しました。その奇妙な香りに興奮させられた王様は、その香りを追って行きました。彼は、その香りのもとまで、たどりつきたかったのです。どんどんと進んでゆくと、その追求のはてに、その香りのもとが、ひとりの女性であることがわかりました。彼は、ヤムナ河の岸にたどり着いていました。その河の岸に美しい女性を見つけたのです。彼女は、舟を岸につなごうとしていました。彼女の姿に欠点はありませんでした。彼女は完璧です。彼女の手足や、顔立ちや、目の美しさを表現できる他の言葉はありませんでした。王様が彼女をまじまじと見ることの強烈さに耐えられないかのように、恥ずかしくて、彼女の視線は下におちました。彼女の姿は、漁師の娘の衣装に粗雑に覆われていました。サンタヌ王は、彼女を見ました。彼は、彼女を求めました。そして、そばに近寄って言いました。「あなたは、誰ですか? ここで、何をしているのでしょう?」 彼女は、やわらかい声で答えました。「私は、漁師の娘です。私の父は、漁師の中の王です。この、ヤムナ河の両岸の間を行き来すること(渡し舟)が私の仕事です。」

    王様は、その若い女性のお父さんのところへ、まっすぐに行きました。そして、言いました。「私は、月の民族の王であるサンタヌです。私は、ハスティナの町からやってきました。森で狩をしているときに、奇妙な香りが私を駆り立てました。私はその香りをたどって、ヤムナの川岸まできたのです。そこで、私は、美しい女性をみました。彼女は、あなたの娘だと言います。私の妻として、私は彼女が欲しいのです。」漁師の王は、その懇願の言葉にたいして、気前よく言いました。「王様。あなたのおっしゃるとうりです。その香りは、私の娘のもで、あなたを彼女のもとまで導いて来ました。この世界全体の中で、高貴なあなたほど、私の娘を妻にするのにぴったりの人はいません。パンダヴァの王妃となることは、まずしい漁師の娘にふりかかることのできる名誉としては、最高の名誉です。私は、結婚の相手として、私の娘をあなたに捧げたいです。けれども、王様。ひとつ条件があります。もし、その条件を満たすように保障してくれるなら、私の娘は、あなたのものです。」

    王様は、イライラして言いました。「もし、保障できることなら、あなたが『条件』と呼ぶ、それを、私は確かに保障しましょう。」 それならばと、漁師は、こう言いました。「王の位をとる跡継ぎは、私の娘の息子であると、そういうことなのですが。もし、娘に生まれる息子を、あなたの後の、ハスティナの王にすると約束してくれるなら、私の娘をあなたに捧げたいのです。」それを聞いて、王様は、何も言葉がありませんでした。彼は、ガンガーのことが頭に浮かびました。デーヴァヴァラタを、王様のところへ連れてきたときのガンガー言ったこと―「私は、このヒーローをあなたに捧げましょう。ヒーローたちの家に、この子を連れて帰りなさい。」 プリンスとして、位を与えた、彼の愛する息子の顔が心の目に浮かびました。彼とデーヴァヴァラタの間をつないでいる絆を考えました。無言のまま、サンタヌ王は、彼の馬車に戻りました。かなえることのできない切ない願いや、そのつらい気持ちで一杯になった心のまま、王様は、町へ戻りました。

  • [5] mixiユーザー

    2007年06月14日 13:29

    マハーバーラタ読書会については、
    http://vedanta.exblog.jp/i11


    読書会、第4回目のあらすじ

    CHAPTER 4
    禁欲の誓い


    デーヴァヴラタは、彼のお父さんが突然変わったのがわかりました。いつも連れ立っていた幸せな日々が過ぎ去ってしまいました。この、新しいお父さんは、いままでとは違って、彼に話さないようでした。王子(デーヴァヴラタ)は、お父さんの、この落胆の原因をあばくためにベストをつくしました。けれども、それは、うまくいきませんでした。王様は、全てのことに、興味を失ってしまいました。彼の好きな狩りにでさえ興味を失いました。そして、ある日ついに、王様は、デーヴァヴラタに話をしました。彼は言いました。「このクルの偉大な家で、あなたはたった一人の息子です。私にとって、あなたは、100人の息子を一緒にするより大きな存在です。私は、とくに、もう一度結婚をしようという気はありませんが。しかし、あなたが、たった一人の息子だということを恐れているのです。それは、ちょうど目が1つしかないようなものです。神は、あなたが長生きすることを約束しました。私はそれを知っています。けれども、私の考えは曇っています。子供を1人しか持っていないということは、まったく子供をもっていないのと同じことだと賢者は言います。あなたは、偉大な戦死です。なにかの戦争で、あなたに、もしものことが起こったら、クル一族の偉大な血筋は、後継ぎ無しになります。クルの王国は、破壊されてしまうでしょう。これが、私の考えにおこっている大混乱なのです。」 デーヴァヴラタ王子は、しばらくして静かに立ち上がりました。そして、言葉なしに立ち去りました。

    すぐに、デーヴァヴラタは、王様の御者(馬車の運転手)のところへ行きました。デーヴァブラタの知性は、彼のお父さんの作り出した言葉の幕を貫いていました。彼は、何の前触れもなく、その御者に声をかけました。「あなたは、私の父の友人であり腹心です。さあ、私の父のハートを捕らえた女性は誰なのか、私に言いなさい。すぐに言いなさい。それによって何か必要なことができるし、彼を幸せにすることができるから。」かなり、ためらった後で、その御者は言いました。「旦那様である王様は、私があなたに言うことを許さないかもしれませんが---。その女性は、漁師の娘です。彼女は、あなたのお父様のハートに入り込んでしまいました。王様は、その漁師に、彼の娘との婚約を求めました。(ところが)ひとつの条件に同意してくれないかぎり、王様の意思にはそえないと、その漁師は、王様を拒んだのです。その条件とは、彼(漁師)の娘に生まれる息子がパウラヴァスの王位をつぐ王様として即位されるべきだというものです。あなたのお父様は、あなたのことを考えました。(王位をあなた以外のものに譲るなど)そんな想像もできないことはできないと、王様は、ハスティナプーラへの帰路につかれたのです。」

    お父さんに話すこと無しに、デーヴァヴラタは、森に向かって出発しました。彼は漁師の住んでいる場所に着きました。彼のお父さんが愛した女性は、ヤムナ河の岸の近くにいて、舟を岸につないでいました。彼女は彼を見て、一瞬、王様だと思いました。デーヴァブラタは、彼女にあいさつをして、彼女のお父さんのいるところへ連れて行ってくれるように頼みました。その漁師は、最大の敬意をしめして彼のお客様を歓迎しました。なんの前置きもなしに、王子は話しました。「ハスティナプーラの偉大な皇帝である私の父が、あなたの娘との愛になやまされていると聞いている。いったい、あなたは何が望みなのだ? あの世界全体の王が、あなたに願い事をするために訪れたということで、あなたは、じゅうぶんな名誉を与えられていないと、あなたは考えるのか? あなたは、王の心からの欲求を拒むずうずうしさを持っていると、私は聞いている。」「旦那様」と漁師は答えた。「私は、代償が欲しいのです。あなたのお父様が、私の娘と婚約したいとは、とても大きな名誉が私に与えられて、そのことを私はよく知ってます。しかし、サッテャヴァリの息子が皇帝になるだろうということが予測されたのです。私は、あなたのことをよく知っています。あなたは、王位継承を約束された王子、ユワ‐ラージャです。王様はあなたのことを愛してらっしゃいます。だから、王様は私がこの条件を申し出たときに、黙ってしまわれました。彼は、私の条件を保障してくださいませんでした。これが、起こったことのすべてです。」


  • [6] mixiユーザー

    2007年06月21日 13:40

    (つづきです)

    デーヴァヴラタの顔に不快な表情が横切りました。彼の愛するお父さんが何かを望んで、それが手に入らないというのは、想像もつかないことでした。彼はこう言いました。「あなたの孫が、私のお父さんの後の王になることを望んでいるのですね。では、そうしましょう。私は、王位につく権利を手放しましょう。さあ、これで満足しましたか?」世界の希望であるその若い王子は、彼の言葉によって、その漁師を驚かしました。信じられないという表情が漁師の目に表れました。普通ではないやり方で、その若い王子が王位を手放したことに、彼は、物が言えないくらい驚きました。彼は、微笑みをうかべて言いました。「旦那様。あなたは本当にりっぱな王子です。あなたのお父様の幸せが、あなたにとっての全てです。あなたの高貴さによって、あなたは、王位を手放しました。しかし、あなたの息子たちが、あなたと同じように無欲だと、どんなふうに、私は確信をもてるでしょう。彼ら(あなたの息子たち)が、サッテャヴァリの息子の主張と争わないという、どんな保障を私は持つでしょう?」 王子(デーヴァヴラタ)は、その男の貪欲さの程度にショックを受けました。侮辱の微笑みをうかべて、彼は言いました。「まだ、満足しないのですね? 私は、あなたを満足させましょう。私は、結婚しません。天界と、この世界と、地獄の住人たちの目の前で、私にとって親愛であり聖なるすべての者の名のもとに、私の先生であるバガヴァーン バルガヴァの名のもとに、私の母であるガンガーの名のもとに、ダルマの名のもとに、私は、私が生きている限り、結婚をしないことを誓います。さあ、あなたは、ほんとうに満足しましたか?」 

    天界から、彼の上に花がふり注ぎました。彼のしてしまった誓いが、あまりに恐るべきことであったために、あらうる方向から、『ビーシュマ(恐ろしい)』という言葉がとどろきわたりました。「彼女はここです。あなたのお母さんです」と言って、漁師はサッテャヴァリを連れてきました。彼は、彼女を王子の前に立たせました。デーヴァヴラタは、彼女に挨拶をして、彼の馬車に彼女を乗せて、ハスティナプーラへ向けて急ぎました。

    デーヴァヴラタは、急いで彼のお父さんの目の前に行きました。彼は、お父さんである王様にその若い女性を紹介して言いました。「お父さん。あなたのために、私は、彼女を連れてきました。彼女を受け取ってください。そして、その落胆をふりはらってください。どうか、幸せでいてください、おとうさん。」 空は、まだ、『ビーシュマ! ビーシュマ!』という叫びで、とどろいていました。サンタヌ王は、何が起こったのかの全部を聞きました。彼は、悲しみに打ちのめされました。たぶん、彼の良心が彼を打ちのめしたのでしょう。あまりにも男らしく、美しく、あまりにも神聖であり、永遠に独身でいる誓いの生き方を自分自身で背負いこんだ彼の息子を思うことに耐えられませんでした。しかし、一度でも編れてしまった織物は、ほどくことはできません。サンタヌは、彼の心の欲望をかなえました。彼の感謝の気持ち、彼の愛する息子への愛で、王様は、彼のその愛する息子に願い事をかなえました。(王様の願いが祈りとなって働いたので)デーヴァヴラタは、死ぬことが彼の希望であるときだけに死ぬことができました。死が、彼を待たなければなりませんでした。王様が今まで積み重ねてきたタパス(修行とその報い)は、この彼の願い事に使い果たされました。王様は、彼自身のやり方で、デーヴァヴラタが、その人生で失ったもの全てに対しての埋め合わせができるように尽くしたのです。

  • [7] mixiユーザー

    2007年06月28日 18:00

    (つづきです)

    サンタヌ王とサッテャヴァティの結婚がお祝いされました。王様は、彼女と共に、数年の幸せな年月をすごしました。二人の子供が生まれ、チットランガダと、ヴィチットラヴィーリャと名づけられました。時はあまりにもはやくながれ、王様は年をとり、まもなく、彼の先祖たちに呼び寄せられて、この世を去ってしまいました。今、はっきりとしていることは、ビーシュマとして知られるようになったデーヴァヴラタが、王国の重い責任に耐えなければならないということでした。王子であるチットランガダは、王国の責任をとるには、あまりに若すぎました。ビーシュマは、彼をユヴァラージャとして即位させて、ビーシュマ自身は、彼の摂政として働きました。

    こうして、ビーシュマは、普段どおりの年月をおくりました。何もこれといった事は起こりませんでした。あまりにも突然、雷のように悲劇が襲いました。(ユヴァラージャに即位したチットランガダと同じ名前の)チットランガダという名前で呼ばれる、ガンダルヴァ(空の住人)の王がいたのです。彼は、同じ名前を、はかない肉体をもった人間が名のっていることを好みませんでした。彼は、その名前は彼にふさわしいことを自己証明しようとして、人間のチットランガダとの戦いにいどんできました。クルクシェットラ(クル一族が治めていた大地)の上で、二人のチットランガダの間での戦いがくり広げられました。そして、サンタヌ王の息子は滅ぼされて、殺されました。ビーシュマは、悲しみに打たれました。彼は、サッテャヴァティの下の息子の即位式をとり行いました。再び、摂政の仕事がビーシュマの肩にのしかかってきました。彼は、彼の弟の名前で王国を統治しました。人々は、とても幸せでした。ビーシュマという、即位をしていない王のもとに、ハスティナプーラの皆は、幸せでした。

  • [8] mixiユーザー

    2007年06月28日 18:06

    マハーバーラタ読書会については、
    http://vedanta.exblog.jp/i11

    (今までの、登場人物の名前や用語集は、下をクリック↓)
    http://vedantajapan2.blogspot.com/2007/06/blog-post.html

    読書会、第7回目のあらすじ

    CHAPTER 5
    カーシーの国のソヴァヤムヴァラ(カーシーのお姫様がご主人を選ぶためのイベント)


    今では、若い王子のヴィチットラヴィーリャが、サッテャヴァティの希望の中心でした。彼が彼女の唯一の息子でした。ビーシュマは、彼のお父さん役でした。数年が過ぎて、ビーシュマは、彼(ヴィチットラヴィーリャ)の結婚を考える時期になりました。カーシーの王様は、アンバ、アンビカ、アンバーリカという愛する3人の娘を持っていました。ビーシュマは、これらのお姫様たちは、彼の弟の花嫁として、じゅうぶん適していると考えました。カーシーの王様が、その娘たちのためのソヴァヤムヴァラを開催しようとしているという知らせがビーシュマに届きました。ビーシュマは、彼に対する侮辱に耐えられませんでした。カーシーの国の娘さんたちは、クル一族の王子たちに(花嫁として)与えられるという習慣があったのです。ビーシュマは、通例の習慣から離れた行いに激怒しました。彼は、ソヴァヤムヴァラが開催されている町に下ってゆきました。

    ソヴァヤムヴァラの準備は、まったく完璧でした。バーラタの全ての国々からの王たちがそれに出席していました。そこに集まった王子たちが着飾っている宝石で、会場は明るく輝いていました。空気は、彼らが身につけている花の香りでいっぱいでした。全員が、ビーシュマを見ました。彼らは、軽蔑の現われである、あざけりの笑いを浮かべていました。誰かが言いました。「あのデーヴァヴラタを見てみろ! あの、永遠に独身を決め込んだやつが、この、かわいらしいお姫様たちのソヴァヤムヴァラに来ているぞ! まったく、自然の法則にさからえる者などいやしないのさ。彼女たちの美しさは、たとえリシの禁欲的な生き方ですらぐらつかせてしまうのに充分だから。デーヴァヴラタのような、あわれな肉体を持った者に何ができると思う? 彼は、彼のお父さんを満足させるためにした誓いを忘れてしまったようだ。彼は、王子のうちの1人として選ばれることを期待してここにやって来たのさ。何と空しい望みだろう! 彼は、何てうぬぼれやなんだ! われわれ全員がここいるのに、若さの適齢期を過ぎてしまったあの男を、誰が相手にするというのか。」

    (つづく)
  • [9] mixiユーザー

    2007年07月13日 18:54

    (つづきです)

    雷の一撃のような声が、集まっている王様たちに答えました。ビーシュマが、こう言ったのです。「そうだとも。私は、ソヴァヤムヴァラに来た。私は、ハスティナプーラに、この乙女たちを連れて帰る。彼女たちは、私の弟のヴィチットラヴィーリャの花嫁になるのだ。クル家の王妃たちになるのだ。もし、お前たちに勇気があるなら、私から彼女たちを救ってみるがいい。大胆にも私に挑戦する者がいるなら、いつでも、私は戦う準備ができている。」 ビーシュマは、その手で一人づつお姫様たちをつかんで、彼の馬車の中に置き、家に向かって出発する準備ができました。王様たちは、激怒しました。カーシーの王様は、その王様たちに助けを求めました。王様たちは、出発しようとしている王子(ビーシュマ)に突進しました。ビーシュマは、馬車を止めました。王様たちとビーシュマの間で猛烈な戦いが起こりました。王様たちは、かんたんに負けてしまいました。馬車は、クル一族の都であるハスティナプーラに向かって、再び進みました。

    サルバの王様は、偉大な英雄で、ソヴァヤムヴァラに出席するために来ていた多くの中の一人でした。彼は、ビーシュマに戦いを申し出ました。彼の戦いは、並ではありませんでした。彼は、ビーシュマの胸を傷つけました。ビーシュマを傷つけることができたサルバの戦いぶりに、誰もが驚かされました。サルバの挑戦に怒って、ビーシュマは、それまで見せたよりも、もっと勢いを得て戦いました。ビーシュマは、サルバの御者(馬車の運転手)を殺し、馬を殺しました。サルバは、馬車も武器も失ってしまいました。彼は、地面の上に投げ出されて、対戦者であるビーシュマの慈悲を待つのみとなりました。堂々とした態度で、ビーシュマは、彼を殺さずそのままにしておきました。そして、誰に挑戦されることもなく、ハスティナプーラへの道を進んで行きました。

    ビーシュマは、町に着きました。捕らわれの身の上である三つのお月様のような三人の乙女たちを見るために、人々が大通りに混みあいました。彼女たちはとてもきれいでした。まもなく、王様の住居にたどり着きました。ビーシュマは、馬車から降りて、お姫さまたちもその後に続きました。彼は、サッテャヴァティの住居にたどり着き、サッテャヴァティの前にお姫様たちを立たせました。そして言いました。「お母さん、見てください。ヴィチットラヴィーリャのために連れてきた花嫁たちを見てください。」 サッテャヴァティは、嬉しくて、若い王子(ヴィチットラヴィーリャ)を呼んで来させました。彼は、乙女たちを見て喜びました。彼は、愛と尊敬のこもった目でビーシュマを見て、ビーシュマの足元にひれ伏しました。彼を抱きしめたビーシュマの目は、愛の涙でぬれていました。ビーシュマは、お父さんが息子を愛するように、彼の弟を愛していました。

    「どうか私の話を聞いて欲しいのですが」と、恐れに震える声が言いました。ビーシュマがふり返りました。その声は、三人のお姫様の長女であるアンバでした。一枚の葉っぱのように震える姿の彼女が、王妃である王子の母(サッテャヴァティ)とビーシュマとに話しかけていました。「ビーシュマ様が会場に入ってきたとき、そして、私たちを力ずくで連れ去ったとき、私は、サルバ様に花輪をかけようとしていました。私は、私のご主人様として、すでに彼を選んでいたのです。」「な、なぜ、それをその場で、私に言わなかったのだ?」とビーシュマが答えました。「それは、カーシーを出発する前に、私に言うべきことだ。どうして黙っていたんだ。」「どうしてそんな事が言えたでしょう。」とアンバ。「あなたの行ったことはあまりにも突然でした。私が話す勇気をしぼりだす前に、旅の半分まで来ていました。だから、今、話そうと思ったのです。」その場にいた人たちは、皆、この新しい問題のはじまりに動揺させられました。若い王子が言いました。「誰か他の者を心に決めている女性と結婚するのは、正しいこととは思えません。」ビーシュマもサッテャヴァティも、彼が正しいと思いました。ビーシュマが、アンバに話しかけました。「あなたは、すでにご主人を選んだのだから、あなたをここに引き止めることが良いとは思えません。私は、あなたに、しっかりしたお供をつけましょう。あなたは、サルバのところへ行く自由の身です。」

  • [10] mixiユーザー

    2007年07月13日 18:55

    (つづきです)

    愛に満ちた心で、アンバはサルバの王国にたどり着きました。彼女は王のところへ駆けつけました。「私をみてください、ご主人様! ソヴァヤムヴァラの会場で、ビーシュマが私たちを連れ去ったとき、私はあなたに花輪をかけようとしていました。(ビーシュマと)私たちが、ハスティナプーラに着いたあとで、私は、私のご主人様をとっくに選んでいたことを(皆に)話しました。高貴なビーシュマ様は、私をあなたのもとに送りつけました。どうか、私を(妻として)受け入れてください。」大きく笑って、サルバが言いました。「受け入れろだって? 私を、敵からの贈り物を受け取るような乞食だと思うのか? デーヴァヴラタは、お前の右手を掴んだ。彼は、お前を戦い取った。彼は、私たち全員を負かしたのだ。クシャットリヤ(軍事や政治をつかさどる階級や家柄)のダルマ(法律)によると、戦いによって女性を勝ち得た男が、その女性の夫なのだ。ビーシュマが、お前の夫なのだ。彼のところへ行って、結婚してくれるように頼むがいい。私は、お前を受け入れられない。」

    屈辱の悔しさで辛い思いを胸にかかえて、アンバはハスティナプーラへの道のりをたどって戻りました。そして、彼女は、今、ビーシュマの前に立ちました。涙が、彼女のほほを流れ落ちます。若い乙女のこの様子に、ビーシュマは、動揺しました。「純粋な乙女よ。何があなたを悲しませるだろう? ここであなたを見て、びっくりしました。サルバのところに見送ったのに、なぜ、ここに戻ってきたのだね?」 アンバが答えました。「私の旅は、実りの無いものでした。私は、ダルマシャーストラ(ダルマに基づいて成文化された法律の本)の知識に詳しくなりました。サルバは、私を彼の妹のように見ています。彼が言うには、戦いで女性を勝ち取った男が、その女性の正式な夫だということです。あなたは、私の右手を掴んで、あなたの馬車に私を乗せました。それから、そこにいた王たち全員と戦いました。あなたが私と結婚しなければならないと、わたしは聞いてます。今、私は、誰でもありません。あなたが私に人生を与えなければなりません。私が女性であることを、どうか無駄にさせないでください。どうか、私と結婚してください。」
  • [11] mixiユーザー

    2007年07月19日 12:32

    (つづき)

    ビーシュマは、彼の目の前に立って泣いている女性に対する同情の気持ちでいっぱいになりました。彼の心は、彼女への同情で苦しくなりました。こらえて流さなかった涙にむせて、彼は、話すことができませんでした。彼のために人生がだいなしになってしまった女性にたいして、すまない気持ちでした。彼は、やさしく言葉をかけました。「こんな形になったことは、辛いです。私は、あなたと結婚できません。私が、生涯独身ですごす誓いをたてたことを、あなたは、知っているでしょう?どうして、私があなたと結婚できるでしょうか?どうか、そんな考えをすてさってください。結婚は、不可能です。すでにご主人を選んでいことを、あなたがカーシーにいるときに言ってくれていたら、こんなことにならなかったでしょう。しかし、誰も運命を変えることはできません。あなたは、けっして私の花嫁にはなれません。サルバのもとへもどれるし、あなたと結婚するように彼をなだめなさい。この困難な状況からあなたを救い出すことは、私にはできません。別のことだったなら、救えたかもしれませんが。しかし、私は、私の大変な誓いに縛られていて、あなたが言っているやりかたでは、あなたを救うことはできません。」 ビーシュマは、彼女の目の前から立ち去りました。

    星まわりの悪い、かわいそうなアンバは、こうして、空しく6年間をすごしました。彼女の不幸の原因であったビーシュマを嫌う気持ちでいっぱいになった心で、彼女は、森に行きました。そこで、何人かの修行者と会いました。彼女は、自分の人生を話し、彼らとともにいて、修業をしたいと申し出ました。修行者たちは彼女を怪しんで、彼らの中に若い独身の女性はいてほしくないと思いました。彼らは、どうすればよいのか、わかりませんでした。彼らを助けるために、アンバの偉大な祖父であるホートラヴァーハナが、その修行者たちの住み家にやってきました。ホートラヴァーハナは、アンバにおこった悲しい出来事を聞き、癒しの言葉をかけました。「偉大なバルガヴァは、わしの親しい友人だ。バルガヴァは、ビーシュマの先生だ。彼は、弟子に従うよう命じるであろう。彼が、ビーシュマをお前と結婚させるであろう。ビーシュマは、自分の先生には逆らえない。」

    数日後、バガヴァーン バルガヴァが森にやってきました。ホートラヴァーハナは、アンバの痛々しい話を彼に話しました。偉大な聖者(バルガヴァ)は、彼女をかわいそうに思って言いました。「このことを、私は、必ず、ビーシュマに話しましょう。私がビーシュマに、あなたと結婚するように頼んだら、彼は、必ず私に従うでしょう。」彼は、最愛の弟子であるビーシュマに、使いを送りました。ビーシュマの先生が彼を呼んでいるのを聞いて、彼は、先生のいるところに急ぎました。ビーシュマは、彼の足元にひれ伏して言いました。「なぜ、慈悲深いあなたが、ここに、お現われになったのでしょう? なぜ、私を呼びよせたのでしょうか? バルガヴァは、立ち上がってビーシュマを抱きしめて言いました。「わが子よ。苦しみの中にいる一人の人を、お前に助けてもらいたいのだ。この美しい女性を知っているかな? ビーシュマは、振り返ってアンバを見ました。彼は言いました。「知っています、先生。彼女は、運命から裏切られた女性です。彼女はサルバと結婚したかったのです。しかし、サルバは、彼女とは結婚しませんでした。私は、結婚はしないという誓いをたてたので結婚できません。だから、彼女はハスティナプーラを去って行ったのです。しかし、あなたのところに私が来たことで、彼女は何をすべきでしょうか?」 バルガヴァは、言いました。「私は、お前を彼女と結婚させると彼女に約束したのだ。お前は、私の言葉を守らなければならない。お前は彼女と結婚しなければならない。」ビーシュマは、辛い目をして、先生をふり返って言いました。「先生。あなたは、私が、たいへんな誓いをたてたことをご存知です。私は、結婚できません。たとえあなたが私に頼んでも、私は結婚できません。」

  • [12] mixiユーザー

    2007年07月19日 12:34

    (つづき)

    ビーシュマの義務は、彼の先生の言いつけに従うことだと、ビーシュマをわからせるために、バルガヴァは、ベストをつくしました。しかし、ビーシュマを納得させることは、彼には不可能でした。ビーシュマは、変わりませんでした。バルガヴァは、彼に怒り狂って言いました。「私は、お前を呪うであろう。さもなければ、お前は、私と決闘しなければならない。」ビーシュマは、ジレンマに陥りました。彼は先生を愛していました。先生から呪われたくはありませんでした。それは、おそろしい選択でした。彼は、選ばなければなりませんでした。彼は、むしろ戦うことを選びました。「先生。あなたは、私がどれだけあなたを愛しているかご存知です。あなたは、私に、あなたと戦うように言いつけました。私は、あなたと戦うほうがよいです。私は、あなたに呪われたくはありません、先生。私を愛しているあなたに(呪われたくありません)。」

    恐ろしい戦いが二人の間で戦われました。その光景は、天国の神々にも見物されました。その戦いは、日も夜も、何日も荒れ狂いました。お互いの武勇は、少しも衰えませんでした。戦いの最後の日、ビーシュマは、プラスヴァーパと呼ばれるアストラを発射することを決めました。それは、世界の破壊を意味していました。ナーラダと、ルッドラによって率いられた神々が仲裁に入って言いました。「ビーシュマ。この戦いをやめなさい。アストラを発射するのは、やめなさい。お前は、世界を破壊する役割を担っていない。それは、他の者によってなされなければならない。」もし、彼の先生が最初に戦いをやめれば、それは先生への侮辱になるので、彼がまず最初に戦いから身を引かなければならないことを、神々は、ビーシュマに納得させました。ビーシュマは、同意しました。戦いは終わりました。バルガヴァは、彼の弟子を抱きしめて言いました。「お前は、戦死の中の最高の戦士だ。私は、お前を打ち負かすことができなかった。」彼は、アンバのほうに振り返って言いました。「わが子よ。あなたが見たように、私はベストをつくした。私は、ビーシュマの決心を動かすことができなかった。彼は、真実の道からそれることがないだろう。あなたの望みは、達成されなかった。」

    http://vedantajapan.blogspot.com/
  • [14] mixiユーザー

    2007年07月26日 12:40

    CHAPTER 6
    復讐を切望するアンバ

    アンバは、森を去ってどこかに行きました。彼女は、とてつもない苦行を行いました。彼女は、最低必要な物でさえ拒んで苦行を続けました。シャンカラ神の息子であるシャンムカが、彼女をほほえましく思いました。シャンムカは、彼女の前に現われました。彼は、永遠にみずみずしい蓮の花輪を彼女に与えて、こういいました。「わが子よ。この花輪を受け取りなさい。この花輪を首につけた人が、ビーシュマを殺す人となるでしょう。シャンムカの贈り物に喜んだアンバは復讐を追求する旅にでました。

    アンバは、国中のすべての強い王様を訪れて、彼女の申し立てを引き受けてくれるように彼らを説き伏せようとしました。彼らは、誰一人残らず、それを断りました。その花輪は神に与えられた花輪であって、成功する確かな証拠であるから大丈夫だと彼女が言っても、役に立ちませんでした。ビーシュマは、あまりにも強い個性であり、彼にあえて対抗して彼を敵にまわそうというクシャットリア(武人)は、一人もいません。アンバは、パンチャラの王様であるドゥルパダの宮殿に行きました。彼女は、王様の前に事実をならべて助けを乞いました。彼女の話を聞いた王様は、言いました。「私は、あなたの辛い状態を見て、とても気の毒におもいます。もし、それがビーシュマではなくて他の誰かなら、私は、あなたの申し立てをかばうでしょう。けれども、ビーシュマとなると違った事になります。彼は、正義の男です。彼と戦う理由が見つかりません。彼は、強いだけではなくて、良い男です。お気の毒ですが、あなたの願いごとを断らなければなりません。」

    アンバは、絶望しました。彼女は、ドゥルパダの立派な大広間の柱のまわりに花輪を投げ捨てました。王様は、肝がつぶれるほどの驚きに打ちのめされました。誰も彼もがビーシュマを恐れていました。ドゥルパダは、このアンバの衝動的な行動にあわてました。彼女は、怒り狂って大広間から出て行きました。花輪は、その柱にかかっていました。誰もそれに触れようとする勇気ある人はいませんでした。その花輪はとても慎重に守られました。

    アンバは、もう一度、森に行きました。彼女の厳しい苦行が再び始まりました。彼女の心は、ただ一つの感情に占められていました。憎悪。ビーシュマに対する憎悪。彼女は、ビーシュマを憎みました。そして、彼の死を見とどけることだけが望みでした。彼女の苦行は、長い期間続きました。ついに、シャンカラ神が彼女の前に現われて、こう言いました。「わが子よ、悲しまなくてよい。次にあなたが生まれ変わるときに、あなた自身がビーシュマを殺すであろう。」アンバは、耐えられませんでした。そして、こう言いました。「私が次に生まれ変わった時では、私は、この憎悪を覚えていないかもしれない。私がビーシュマを殺したとしても、その復讐の喜びを味わえないかもしれない。私は、今、彼を殺さねばなりません。」シャンカラは、微笑んで言いました。「心配はいらない。生まれ変ったとき、あなたは、この生に起こったたくさんの出来事の全てを思い出します。あなたは、パンチャラの王様、ドゥルパダの子供として生まれてきます。あなたは、最初は女性です。後に、あなたは男になります。あなたが復讐をすることを私が保証しましょう。あなたは、敵であるビーシュマを確かに殺します。」

    アンバは、大きく火をおこして彼女の身を火の中に投げ入れました。後に、彼女はドゥルパダ王の娘として生まれました。ある日、王様の大広間で遊んでいて、アンバは、その柱にかかっている蓮の花輪を見ました。彼女は、それをはずして彼女の首にかけました。このことを聞いて、ドゥルパダは、走ってきました。そんな大胆なことを彼女がしてしまったことに、彼は、肝をつぶすほどの驚きと恐れに打ちのめされました。アンバは、彼女のお父さんに、なんでもないように笑って、こう言いました。「驚かないで、お父さん。私は、この花輪をかけるためだけに、あなたの子供として生まれてきたのですから。あなたは、平和に生きれるし、私を平穏にさせておくことができます。」

    彼女は、シカンディーと呼ばれました。彼女の教育は、ドロナによって与えられました。ドロナは、世間の人と同じように、彼女を男性だと思っていました。年月が過ぎて、ヤクシャの好意によって、アンバは、女性を失って、男性になりました。彼女の心にたいまつを灯すように燃やし続けていたビーシュマへの憎悪をもちながら、彼女は、ドゥルパダ王の家で育ちました。
  • [17] mixiユーザー

    2007年08月04日 09:54

    CHAPTER 7
    サッテャヴァティーとビーシュマ


    二人お姫様であるアンビカとアンバリカとヴィチットラヴィーリヤの結婚式が正式に行われました。二人の妻は、こんなにもハンサムで、優しい性質のだんな様を持ったことをとても幸運だと思っていました。彼女たちはとても幸せな人生を過ごしました。しかしそれは長くは続きませんでした。その国の大事な行事に精を出すのはビーシュマで、まだ幼く責任をもてなかった王子ヴィチットラヴィーリヤは、いつも、愛すべき妻たちと一緒に時を費やしました。運命は、再び行き詰まってしまいました。若いヴィチットラヴィーリャは、恐ろしい病気、肺病を患い、苦しんでいることが発覚しました。国の民がどんなにつくしても、最高のお医者さんたちの技術も、早すぎる死から彼を救い出すことはできませんでした。

    サッティヤヴァティは、降りかかってきた大きな不幸によって気を失ってしまいました。彼女の二人の息子を失ったことは、あまりにも悲惨でした。しかし、もっと彼女を傷つけたことは、クル一族には後継ぎがひとりもいなくなったということでした。これが彼女の心を打ち砕いてしまった事実なのでした。彼女は消えてしまった火を再び灯す方法を考えようとして何時間もすごしました。彼女はビーシュマを彼女の前に呼び出しました。彼女はいいました。「私を見なさい、息子よ。私には今、幸せの希望がありません。私は最愛の旦那様(シャンタヌ)を失いました。彼は祖先たちのもとに呼び寄せられました。彼は年をとっていました。それは、「年老いたものは死する」というルールに従っていたので、私は耐えることができました。チットランガダは殺されました。私自身が死んでしまうほどの空しさを私自身が受け入れる前に、ヴィチットラヴィーリャの死を知りました。クル一族の唯一の希望が、若さの花盛りに破壊されてしまいました。私は絶望しています。(クル一族の)血統は続いていかなければなりません。私は、これからどうして行くかの方針を決めました。私はクル一族の血統を絶やさない方法を知っています。クル一族の血統を再び蘇らせる務めは、あなたにかかっているのです。

  • [18] mixiユーザー

    2007年08月04日 09:54

    (つづき)

    ビーシュマは驚きました。彼はいいました。「お母さん、どうやって、この独身を固く誓った私が血統を保てるというのでしょう?」 サッティヤヴァティは言いました。「私の息子、ヴィチットラヴィーリャは子孫を残さず死にました。お前が彼のためにつれてきた二人の妻はまだ若く、彼女らの心には満たされない欲求があります。唯一、私にとってはっきりしているダルマ(正義、為すべきこと)は、お前が彼女たちを(妻に)とり、彼女たちをクル一族の未来の子供の母としなければなりません。家系は、続いて行かなければなりませんから、お前は、それをしなければなりません。このルールは、多くの祖先たちによっても従われてきたルールです。これが唯一の方法です。お前は、弟たちの妻たちを(お前の)妻としなければなりません。お前の息子は、やがてクル家の正当な子孫になるのです。こうすることがお前の重要な役割なのです。」

    本末転倒な(サッティヤバティの)指示によっても、落ち着いていたビーシュマは、彼女に忍耐強く答えました。彼はいいました。「お母さん、突然おこった喪失による悲しみと衝撃にうちのめされ、あなたは、そのようなことを私に指図しているのです。あなたが指図したようなルールがある事は、疑いもありません。私もそのことを知っています。世の中のしきたりもまた、このルールを認めています。しかし、お母さん。あなたが私にこのルールに従うように言い聞かせるのは、間違っているし、ふさわしくありません。あなたは、私が王位や結婚生活を差し控える誓いをたてたことを知っています。あなたのために私がそうしたことを、絶対に忘れる事はできないはずです! 私がたてたあの酷い誓いをあなたは思い出さないのですか? 私のこの人生において、女性がはいりこむ余地はありません。今あなたは、そんな私に死んだ兄弟の妻たちを娶るべきだと提案します。実際にあなたは、最愛のヴィチットラヴィーリャの死によって相当に困惑しています。さもなければ、こんなことを私に提案しないでしょう。ごめんなさい、お母さん。どうかこんなことを私に頼まないでください。」

    サッティヤバティはいいました。「私は、お前が悲惨な誓いをたてた状況も、その誓いも覚えています。私は、お前のお父さんと私のために、お前がその誓いをたてたことも覚えています。しかし、今や状況が変りました。デーヴァヴァラタ。私の息子が王にならなければならないという理由で、お前はその誓いを立てました。けれども、私の息子は、すでに死んでいます。一族が死に絶える恐れにあります。だから、アーパッドダルマによって、つまり、緊急事態に従うべきこととして、最後のよりどころとして、私はこれを指図しているのです。お前は、クル一族を死に絶やしてはいけません。私はお前の母です。私を喜ばすことをすることが、お前の務めです。素直でなければなりません。そのことのほうが、お前の誓ったこと全部よりも、もっと大切なダルマです。」
  • [19] mixiユーザー

    2007年08月09日 11:01

    (つづき)

    ビーシュマはこの瞬間まで怒りをコントロールしていました。しかし彼はもうこれ以上怒りをもちこたえることができませんした。多分、彼の心の目には、露の一滴の中に写っている景色のように、過去の出来事が呼び戻ってきたのでしょう。彼の母ガンガ。彼の幸せな少年時代は、天国で、母とともにありました。彼の教育。最初にブリハスパティとシュクラから政治科学を、そしてヴァシスタからヴェーダとヴェーダンガを学びました。ビーシュマの心は、その瞬間、弓を学んだ彼のグルであるバールガヴァと過ごした日々に帰っていました。ビーシュマの母は、彼をクル一族にふさわしい立派な人間にしたかったので、彼にこれらすべてを学ばせたのでした。彼女は、彼を理想的な王に育てたかったのです。彼女はよく彼にそう言っていました。彼の心は、父親といつも連れ添って過ごした4年間の幸せな日々に戻っていました。彼らは仲間でした。彼の父、シャンタヌ王は、彼をとても愛していたし(夢中になっていたし)、一方ビーシュマもシャンタヌに一身をゆだねていました。ビーシュマは、ユヴァラージャ(次の世代の王位を継承する王子)の地位を与えられました。それから突然、このサッティヤヴァティが現れました。彼の父と彼女の父の貪欲さを満たすために、彼はこの世のすべての美しさ(喜び)をあきらめました。彼は、若かったのですが、まさにその瞬間に年老いていくようでした。それ以降(ビーシュマにとって)やりがいのある事は何一つないように思えました。彼は、彼の人生を、何の面白みも無い白と黒のパターンにあわせました。そこに、アンバが現われました。――彼が織り成していた黒と白の生地の上行き来する赤い糸がアンバで、あのような大混乱をおこしました。彼は、彼女を(妻として)とることができませんでしたから、そうしませんでした。彼は自分のした厄介な誓いのために、彼女を傷つけ、彼女の女性としての人生までを台無しにしました。彼は、アンバを(お嫁さんに)迎えるようにと指示されたときも、グルであるバールガヴァに従いませんでした。そして今、これらすべての出来事の後に、義理の母(サッテャヴァティ)は、彼に死んだ兄弟の妻たちをお嫁さんに迎えなさいと「命令した」のです。

    彼のすべての怒りは爆発し、激怒のために震えおののく声で話しました。彼は言いました。「お母さん、あなたは私の心の強さを知らないのです。あなたは私のダルマの堅さを知らないのです。あなたは、まるで私のことを知らないのです。あなたが私に命令しているようなことを、私にさせるというのは、どんなことがあっても、決してないでしょう。地球はその香りを失うかもしれません。水はその甘さを失うかもしれません。太陽はその輝きを、月は雪のような冷たさを失うかもしれません。ダルマの神はダルマを捨て去るかもしれません。けれど私は真実の道からそれる事はしないでしょう。私にとって真実は、天国で約束されたご褒美よりも重要なのです。世界はおわるかもしれませんが、私の心の強さは終わることがありません。決して何も私を動かすことはできません。あなたでさえ、母としての力を持ってしても、(無理)です。私は、この誓いのために、私のグルさえも生意気にも拒んだのです。私はあなたの言葉によっては動かされません。どうかこの馬鹿げた企てを思いとどまってください。

  • [20] mixiユーザー

    2007年08月17日 10:11

    CHAPTER 8
    ヴャーサの出現(登場)


    何度も何度も、サッティヤバティはビーシュマに忠告しようとしました。しかし、彼は、押寄せる波にもビクともしない岩のように頑なままでした。彼は、考えを変えさせられませんでした。サッティヤバティは悲しみにくれました。

    ビーシュマは、サッティヤヴァティの不幸を気の毒に思いました。彼女を哀れんだビーシュマは、こういいました。「お母さん。あなたにとっては、跡継ぎがとても重大なことですから、ひとつ提案があります。貴族の血筋が、絶滅の危機に瀕したとき、高貴なブランミンに生まれた息子によって蘇らせることができるといわれています。私の(弓の)先生であるバールガヴァが、クシャトリア全体を絶滅させたときに、多くの王家の血筋が、この(ルール)によって続いていくことができました。もしあなたが、誰かふさわしいブランミンを思いついたら、私たちは、その人に、王位の跡継ぎを与えてくれるように頼めるでしょう。これは、過去にも行われてきたことです。偉大なリシ(賢者)たちによって認められてきた慣習です。かわいそうなサッティヤヴァティは、この案に自分自身を納得させる他ありませんでした。彼女は、クル一族の純血を保つことがもはや不可能だという、ビーシュマに落胆していました。サッティヤヴァティは、さんざんためらった後、遠い昔に起こった出来事、つまり、シャンタヌとの結婚の前に、彼女が偉大な賢者パラシャラを生んだいきさつをビーシュマに話しました。その子が、ヴャーサでした。彼女はビャーサを呼びだそうと言いました。ビーシュマはサッティヤヴァティの提案に賛成しました。

    サッティヤヴァティは彼女の最初に生んだ子供(ヴァーサ)を思いました。ヴャーサは、彼女のもとに急ぎました。彼女はヴャーサを歓迎し、全てのことを話しました。ヴァーサは言いました。「あなたは私の母であり、私に命を与えてくれた女性です。何であれ、あなたが私に言いつけることをしましょう。」そして、彼は少し考えて言いました。「私は、本当にあなたの心からの望みをかなえてあげたい。やってみましょう。そしてあなたを喜ばせましょう。ヴィチットラヴィーリャの妻たちを受け入れましょう。けれども、彼女たちに私を受け入れさせるのはあなたの役目です。彼女たちは、私の外見や、私の黒い顔色を見て怖がるにちがいありません。」サッティヤヴァティは、彼女たちに言い聞かせておくことを了解しました。まず、サッティヤヴァティは、アンビカの元に行き、全ての状況を話しました。偉大なクル一族存続のために子供を1人つくることが彼女の義務であることや、そのために彼女は、正しい作法でリシ(賢者)を受け入れなければならないことを話しました。アンビカは、言われたようにすることを同意しました。彼女には、他の選択などなかったのです。

    その日は、暗い夜でした。アンビカは、彼女の部屋で賢者ヴャーサがくるのを待ちました。彼女はヴャーサを見ました。その賢者の外見はあまりにも不気味で恐ろしく、かわいそうな少女は、このひどい外見をした男に対する恐れと嫌悪に圧倒されました。しかし、彼女はこの恐ろしい夜をやり過ごさなければなりませんでした。彼女は目を閉じ、ヴャーサのさそいに対しても何の反応も示しませんでした。苦悩の夜が終わりました。サッティヤヴァティは、心配しながらヴャーサが来てくれるのを待っていました。ヴァーサが、サッティヤバティに言ったことは、アンビカにはやがて強くて力強い息子ができるけれども、アンビカは、ヴャーサの姿を見るのを恐れて夜どうし目をつぶっていたため、子供は盲目で生まれてくるということでした。サッティヤヴァティはとてもがっかりしました。彼女は義理の娘(アンビカ)に対して狂ったようにあたりました。しかし、すでに起こってしまったことを振り返ってみても。どうにもなりませんでした。サッティヤヴァティは、ヴャーサにもう1人の少女、アンバリカに子供を与えるように頼み、ヴャーサは、それを了解しました。

  • [21] mixiユーザー

    2007年08月17日 10:12

    (つづき)


    アンバリカは、同じようにこのリシ(賢者)を恐れました。彼を見ると、彼女の血は冷たくなりました。彼女の体は恐れと嫌悪で青くなりました。夜がすぎました。朝になって、ヴャーサがサッティヤヴァティに言ったことは、この女性がハンサムで優しい性質の子供を授かるということでした。けれどもヴャーサは、その子が彼女の子宮に入ったときのお母さんと同じように、青白くなるだろうと付け加えました。気の毒なサッティヤヴァティは、どうしてよいかわかりませんでした。「息子よ。」彼女はいいました。「少女たちは愚か者です。どうか私のために許してください。息子が生まれたら、アンビカをもう一度訪ねてください。その間に、彼女をしかっておきますから。私のために、もう一度(彼女を)訪ねてください。」ヴャーサは、「そうしましょう」と言って、ハスティナプーラを後にしました。

    しばらくして、2人の子供が産まれました。1人は盲目で、1人は真っ白でした。彼らは、それぞれドリタラシュートラとパンドゥと名づけられました。名前は、ヴャーサ自身によって指示されました。サッティヤヴァティは、ヴャーサがもう一度アンビカを訪れるべきタイミングが来たと思いました。サッティヤヴァティは、義理の娘のアンビカの前回の失敗をとがめて、その間違えにより盲目の子供が生まれたことをアンビカに言いました。同じリシが、再びアンビカを訪ねるであろうことを、アンビカは告げられました。

    アンビカは、恐れなしヴァーサを考えることができませんでした。彼女はその夜、彼女のメイド(召使い)をヴャーサのもとにやろうと決意しました。ヴャーサはメイドと会い、結ばれました。彼女は、思いやりをこめてヴャーサのすべての要求に答え、ヴャーサはとても彼女のことが気に入りました。朝になって、彼はサッティヤヴァティに、賢く良い息子が生まれるだろうといいました。その子は、ダルマの神の化身であるだろうといいました。サッティヤヴァティの喜びは、大変なものでした。「しかし、」ヴャーサはいいました。「この子供の母は、あなたの義理の娘ではありません。アンビカは昨日の夜、メイドを私によこしたのです。このメイドは、私の子供たちの中でも最も良い子を産むという幸運に恵まれました。私は、あなたを助けるためにベストをつくしました。しかし、結局どれも成功はしませんでした。私のために、どうかこれ以上の願いごとを頼まないようにお願いします。この俗世間のすべてのものから顔を背けた男(身を引いた男)にとって、女性と3回以上結ばれることは正しいことではありません。お母さん。私は、あなたが私に命令したからこそ同意したのです。どうか、私を二度と呼び出さないでください。」そういったお別れの言葉を残して、偉大なビャーサは、修行を再開するために雪に覆われたヒマラヤの頂上へ帰ってゆきました。

  • [22] mixiユーザー

    2007年09月13日 17:45

    CHAPTER 9
    パーンドゥとダルタラーシュタラ、それぞれの結婚

    3人目の子供が生まれました。彼はヴィドゥラと呼ばれました。ビーシュマは、ダルタラーシュタラとパーンドゥが年頃になるまで、もう一度子供を育て、国を統括するという役目をこなさなければなりませんでした。こうして数年が過ぎました。

    3人の子供たちは、叔父のビーシュマにとっては息子以上に大切なものでした。彼は、子供たちにクシャトリヤの王子として必須だと思われる全てを教えました。最初の子供ダルタラーシュタラは、類稀な強さを授かっていました。パーンドゥは弓の技術に優れていることを証明しました。ヴィドゥラ は、3人の中で最も賢い子でした。彼らへの教育は完了しました。ビーシュマは、長男のダルタラーシュタラをユーヴァラージャ(若い王)に任命しました。パーンドゥはすべての武器の使い方に熟練した人となり、軍隊の司令官に任命されました。ヴィドゥラ は王のための大臣として訓練されました。ダルタラーシュタラが盲目のために、国を統治できなかったからです。ヴィドゥラのアシスタントに支えられ、パーンドゥは彼の名の下に国を統治しました。

    3人の少年は年頃に達しました。ビーシュマが即座に考えなければならなかったことは、若い男の子たちに花嫁たちを見つけることでした。彼は、スバラというガンダーラの王様に、美しいと評判の娘がいることを聞きつけました。彼女はシャンカラ(シバ神)に献身していることでも有名でした。マドラ デーシャの王の娘は、その美しさと優しさで注目されていました。ビーシュマは、彼女たちについてヴィドゥラに話しました。彼は言いました。「これら2人のお姫様たちは、私たちの若い青年の妃として、じゅうぶんにふさわしいと思われます。階級において、私たちと釣り合いが取れる王は他にありません。これら2つの王たちだけが、よい遺産を授けられています。これら2つの王家の娘たちは、クル家の王子たちの妃となることができるでしょう。」ヴィドゥラ はいいました。「あなたは私たちにとって父であり、母であり、先生であり、すべてです。あなたが私たちに対して決める事は、何であれベストなことに違いありません。」

    ビーシュマは、ガンダーラの王に使いを送りました。王は、王子であるダルタラーシュタラが盲目である理由から、最初は意義を唱えました。しかし王の娘であるガンダーリは、クル族の王子と結婚することに反対はありませんと王を安心させました。彼女の次の行動は、たいへんな自制力を示した行為でした。どのようなことであれ、彼女の旦那様より優れているべきではないと、彼女は堅く信じていました。ですから、旦那様が見ることができない世界を見ることを拒むために、彼女はシルクの布で目を縛りました。王のスバラは、娘を彼の息子のシャクニとともにハスティナープラへ送りました。結婚式は首都で祝われ、シャクニは妹の結婚式の後、ガンダーラに帰りました。

    マドラ王国の王は、娘のために、ソヴァヤムヴァラ(婿選びのイベント)を開催しました。そして、彼女の旦那様としてパーンドゥが選ばれました。パーンドゥは彼の人格の美しさと高貴な姿で、他の求婚者を隠してしまいました。(あっとうしてしまいました。)ビーシュマは、偉大なクル家の妃としてやって来たすばらしい妃たちに、とても喜びました。
  • [23] mixiユーザー

    2007年09月13日 17:51

    CHAPTER 10
    太陽の誕生

    ソーラ王は、ヴァルシニーたち(ヤーダヴァ族とマーダヴァ族の名前)の1人でした。彼は、ヴァスデーヴァと呼ばれる息子と、プリタという娘がいました。この王には、クンティボージャと呼ばれる子供のいない従兄弟がいました。ソーラはこの従兄弟のことがとても好きでした。彼は、クンティボージャに子供がないことをとても気の毒に思いました。彼は、愛娘プリタを、クンティボージャ自身の子供として育てられるように、贈りました。プリタはとても美しい子供でした。彼女の作法(態度)はとても素晴らしいものでした。彼女は、彼女の養父のもっとも大切な宝物でした。彼女は、クンティと名づけられました。

    ある日、聖者ドゥルヴァーサがクンティボージャの都にやってきました。彼は、その苦行と気質ゆえに世界中で知られていました。彼は、クンティボージャ王と何日か過ごしたかったのです。クンティは、彼女の父親から、聖者ドゥルヴァーサの身の回りのお世話するように頼まれました。そのような難しい仕事を頼まれたにもかかわらず、クンティは見事にこなしました。実際、聖者はとても彼女を気に入って、何かごほうびを授けたいと思いました。彼は、クンティを彼の元に呼び、あるマントラ(呪文)を教えようと言いました。もし彼女が、それを唱えれば、彼女の思うどんなデーヴァ(神々)も彼女の元にくるはずでした。彼女は、王の娘として、謙虚にこの贈物を受け取りました。ドゥルヴァーサは都を去りました。

    彼女は全く少女であり子供でしたので、ドゥルヴァーサが意味したこと、つまり、彼女がそれを唱え祈ることで、デーヴァ(神々)たちがやってくるという意味が理解できませんでした。彼女は、新しいおもちゃをもらった子供のようにはしゃぎました。それは、ある早朝のことでした。クンティは、まさに東の窓から太陽が昇ってくるのを見ました。東側は黄金色に染まっていました。川の水はお城の壁で、ぴちゃぴちゃと音をたてていました。それは、忘れがたい景色でした。太陽とその柔らかな光。夜明けの冷たさをもったその光。昇ってくる太陽の赤や金で輝く光の道をもった美しい川。その風景は、幼い子供の心を感動させました。彼女はその美しさに我を忘れました。太陽はあまりにも素晴らしく見えました。クンティは、もし太陽が彼女の側に来てくれたらどんなに素晴らしいだろうと思いました。その瞬間、彼女は偉大な聖者ドゥルヴァーサが彼女に教えた呪文を思い出しました。なぜなら、もし彼女がそれを唱えれば、太陽が彼女のもとに来るかもしれないのです! そうです、「(どんな神も)彼女の元にやってきます。」と、そんなふうに言われましたから。彼女の元に、神が来るのです。かわいそうな子供は、無知の喜びの中にいました。彼女は手の平をあわせ、蓮のつぼみのように固く握りました。そして彼女は、教えられた呪文で、太陽を呼びました。

    彼女は目を開きました。奇跡がおこりました。川の水の道をつたって、太陽の光がすばやく走りました。彼女は、突然の明るさに目が眩みました。太陽は、彼女の隣に立っていました。彼は、からかうことを楽しむかのように、笑顔で彼女を見つめて立っていました。クンティは、呪文が成功したことをとても喜びました。彼女は、あどけなく、幸せそうに笑っていました。興奮した彼女は、パチパチと拍手をして言いました。「聖者ドゥルヴァーサは、この呪文が役に立つといいました。私は、東に昇っているあなたを見ていました。その光景はあまりにも素晴らしく、あなたはとても美しかったので、私はあなたをここに呼びたくなりました。だから私は聖者によって教えられた呪文を唱えました。そしてあなたがやってきたのです!なんと素晴らしいことでしょう!」

    太陽は、まだ微笑んでいました。彼はいいました。「さあ、私はやってきました。あなたが私にさせたい事は何ですか?」

    「なぜですか?(あなたにさせることなど)なにもありません。」クンティはいいました。「私はただ、もしあなたが私の隣にいたらどんなに素晴らしいだろうと、想像しただけです。それだけです。」

    「それが全部ではありません。」と太陽の神はいいました。「聖者があなたに呪文をおしえた時、彼の言葉の意味することを、あなたは何も理解していなかったことが明らかですね。彼はこう言いました。『あなたが祈った、どんな神もあなたのもとになってくるでしょう』と。そうではありませんでしたか?」

    「そのとおりです。」彼の言葉の意味が全くわからず、クンティは答えました。

    「わかりませんか?」と神はいいました。「それは、神があなたを抱きしめて、あなたが呼び出した神と同じくらい美しい子供をあなたに授けるということを意味しているのです。」
  • [24] mixiユーザー

    2007年09月13日 17:52

    (つづき)

    クンティは驚きました。彼女はどうしていいか、何をいうべきか知りませんでした。「私はそのことを知りませんでした。」驚いた子供は言いました。「私は、その言葉の意味することを何も知りませんでした。どうか私の子供っぽさをお許しください。どうか、ここを立ち去って、私を恥ずかしい思いから救ってください。」「でもそれは不可能なのです。」と神はいいました。「一度でも呼び出されたなら、あなたを得るまで帰ることができません。あなたは、私を受け入れなければなりません。あなたは、考えなしに使ったとはいえ、マントラの力から逃れる事はできないのです。」

    クンティは、悲しみで我を忘れました。「私は幼い少女でしょ?」彼女は言いました。「私は、結婚もしていません。なんて世間はいうでしょう? 私のお父さんはなんと言うでしょう? もし彼が自分の娘が処女ではないことを知ったらきっと悲しむでしょう。それでもあなたは帰ることができないのですか?」太陽は、彼女の愛嬌ある振る舞いに惹きつけられました。彼は、まだ少女でしかないこの女性を愛しました。彼は、彼女に微笑み、優しい言葉と安心させる笑顔で彼女の心を勝ち取りました。彼は言いました。「愛しい人よ、心配しないで。子供が生まれた後、あなたは今と同じように処女にもどります。誰もこの出来事を知る人はいないでしょう。」幼い少女は、彼の言葉と美しさに納得させられてしまいました。彼女は、結果を恐れることなく彼を受け入れました。

    太陽は、立ち去る準備ができました。彼はいいました。「あなたの息子は、カヴァチャ(鎧)とクンダラ(イヤリング)とともに生まれてくるでしょう。彼は、私に良く似ているでしょう。気前のよさにおいて、誰も彼に匹敵する人はいないでしょう。彼は、慈善者の中の慈善者として世界中で有名になるでしょう。例え私が、与えることを控えるように彼に願ったとしても、彼は決して誰にも、そしてどんな物も、与えることを拒んだりしないでしょう。彼はまた、自尊心があり、繊細な男になるでしょう。太陽と月がそれぞれの定められた軌道を動く限り、彼の名声はこの世に残り続けるでしょう。」このような言葉とともに、太陽はクンティの視界から姿を消しました。

    しばらくして、1人の子供がクンティに生まれました。彼女は、どうすればいいか知りませんでした。母親としての喜びを知るには、幼すぎました。彼女はただこのことを恥ずかしいことだと思いました。彼女は窓の外を見ました。川が穏やかに目の前を流れていました。クンティの心だけに、嵐が吹き荒れていました。彼女は決心しました。一枚のシルクの布にその子を包んで、木でできた箱にいれて、それを川岸までもって行きました。彼女は川の上にその箱を浮かべ、部屋に戻りました。窓からその箱が水に浮かんで、彼女から遠く、さらに遠くへと流れていくのを見ました。彼女の心の中は、力強く流れる川の真ん中に浮かんでいる救いようのない可愛そうな子への言葉に出せないほどの切ない思いと激しい痛みで、息が詰まってしまっていました。涙が彼女の目から流れ落ちました。太陽に懇願するように手をあげて、彼女は泣き叫びました。「ああ神様、私はあなたと私の間に生まれた美しい子に、大きな不正をしてしまいました。どうか、彼をお守りください。どうか彼にどんな悪も降りかかりませんように。」

    彼女は消えていく子に話しかけました。「あなたの道(将来)は幸先のよいものになるでしょう。水の神があなたを守るでしょう。あなたは死にません。高い天国の全ての神があなたを守るでしょう。私はあなたに遠い未来のいつの日かにあうでしょう。私はあなたのカヴァチャとクンダラによって、あなただということが解るでしょう。あなたを見つけ、自分の息子のように育てる人は、とても幸運な女の人のはずです。彼女はあなたを成人するまで育て、そんなあなたをみる幸せな女性となるでしょう。でも私は全ての女性の中で最も不幸です。私は決してあなたを息子にできないでしょう。神はあなたを祝福します。私の子、私の最初の子。」

    あどけなく笑っていた少女は、突然女性になりました。心配事のない幸せな少女時代は告ぎました。寝ても覚めても、彼女はたった一つのことを見つめていました。木の箱と一切れのシルク。朝の太陽の光の中で輝いて、シルクの中にくるまれ、カヴァチャとクンダラを身に着けた美しい子を。
  • [25] mixiユーザー

    2007年09月24日 11:04

    CHAPTER 11
    呪いにかけられたパーンドゥ

    何年かが過ぎました。幼いクンティは今やじゅうぶん結婚できる年頃になりました。彼女は、ソヴァヤムヴァラで、クル一族のハンサムで力強い息子、パーンドゥを旦那様として選びました。マードリは、マドラ王国のお姫様で、パーンドゥを旦那様として選んだもう一人の女性でした。ビーシュマはそれぞれの階級や民族に適したやり方で2つの結婚式をとり行うようにアレンジしました。

    それはクル一族の黄金時代でした。パーンドゥは立派な戦士でした。彼は全ての王たちを統括するために、バーラタの国の全土に遠征しました。まず、ダサルナ、カーシ、アンガ、バンガ、カリンガを征服しました。その後、マガダ王国に下りましたが、そのマガダの王を簡単に打ち負かすことができました。チットランガダとヴィチットラヴィールヤが子孫を残さずに死んでしまった後、ビーシュマは、3人の幼い子供たち(ダールタラシュタラ、パーンドゥ、ヴィドゥラ)と国を管理しなければなりませんでしたので、周囲の小さな国の王たちは、やがてクル一族の栄華が衰えていくと考えていました。ですから、このパーンドゥの遠征は、多くの意味で効果がありました。クル一族の主権の再確立でした。パーンドゥの名声が得られました。パーンドゥは、その時代の最もすぐれた戦士として認められました。

    遠征が終わったあと、パーンドゥと2人のお妃は、森にくつろぎに行きました。パーンドゥは、狩の名人でもありました。雪の積もるヒマラヤの南斜面で、彼は2人の若い妃と幸せな多くの日々をすごしました。森の住人は、パーンドゥたちのことを、楽しむために地球に降りてきた神々だと見間違えたほどでした。パーンドゥたちにとって、それは幸福な日々でした。何年か後には、これらの喜びに満たされた日々の記憶こそが、クンティを生き続けさることとなりました。

    その森の中には、1人のリシが彼の妻と一緒に住んでいました。2人はお互いに強く愛し合っていました。リシはどんな束縛もなしに、愛の喜びを楽しみたいと思いました。動物だけがそのことについて自由で、素直に、どんな考えもなく愛することができましたので、リシとその妻は2匹の鹿に姿を変えました。彼らは、いつも一緒でした。ある日、その鹿たちが全てを忘れて一つになる喜びに没頭していたとき、パーンドゥが彼らを見ました。2匹の鹿は格好のターゲットとなりました。パーンドゥの中にある狩人の心が、『愛の中で抱き合っている2匹の動物を邪魔してはいけない』という規則を忘れさせました。彼は矢と弓を取り上げ、2匹の鹿に的を絞りました。次ぎの瞬間、牡鹿が地面に倒れ、致命的な傷をうけました。その鹿が、人間の声で王(パーンドゥ)にこう言いました。「正義の証として世界中に知られている家族に生まれたものが、どうしてこのような罪深いことができたのか? あなたは、私たちが愛の抱擁に没頭していたのを見たではないですか。どうして私たちを邪魔することができたのでしょうか? 私はリシで、これは私の妻です。私たちは共にいて、とても幸せでした。これから後何年も、この凶悪な行いは、あなたの人生に高い代償をもたらすでしょう。愛に圧倒されて、あなたがあなたの妻に近づく時、私がそうであるように、あなたにも死が訪れるでしょう。」パーンドゥの許しの懇願は、無駄でした。怒ったリシは、その怒りを和らげることはありませんでした。パーンドゥには、待ち受けている運命から逃れる希望もありませんでした。リシは死に、彼の妻もそれに続いて死にました。
  • [26] mixiユーザー

    2007年09月24日 11:05

    (つづき)

    その気の毒で不運な王子は、思慮に欠けた自分の考えを自己非難しながら、重たい心を抱えて、アーシュラマに向けて旅立ちました。運命のやり方は本当に摩訶不思議です。ほんの少し触れただけで、人の全人生を変えてしまうのです。パーンドゥは何も心配することなどない最も幸せな人でした。彼は、王冠を頭にのせてはいないけれどもクル一族の王国の王でした。その彼の栄華の絶頂のとき、彼は雷の稲妻によって打ち倒された緑の木のように打ちのめされました。パーンドゥは全てのことに興味を失いました。彼は、王国に帰りたくはありませんでした。彼は、残りの人生を森で過ごすと心に決めていることを妻たちに告げました。王のこの決意の背後にある理由や落胆の原因を知っているので、妻たちは何も言いませんでした。自己非難の火が、パーンドゥを焼き尽くして、この世での欲望を駆り立てるすべての事柄から彼を解き放ちました。彼は、ただ、平和を望みました。リシたちが暮らしていた生き方によってのみ達成される平和です。彼が次に獲得すべきものは、自分自身であると堅く決めていました。それは、彼の偉大な挑戦になりえました。彼は、自分自身を法の秩序の中に置きました。彼は言いました。「ここから先、私は違う人間になるでしょう。決して、喜びも悲しみも私を傷つけることはありません。私は、人々の賞賛も非難も同じように扱うでしょう。(勝ち負けや、喜びと悲しみ、富と貧困のような)世の中の二極のものは、私に影響を与えないことを知るでしょう。私は、この人生を愛してもいないし、憎んでもいません。目を閉じて木の下に坐ることによってではなく、精神的に全ての世俗的なことを放棄することによって、私は苦行に入ります。(この決心をして)彼は、すべての従者を彼の周りに集めました。彼の持ち物を全部を与えてしまってから、こう言いました。「どうかハスティナプーラへ帰り、私の愛する母アンバリカと私の祖母サッティヤヴァティ、そして尊敬する叔父ビーシュマに宜しくおつたえ下さい。そして、私が、私自身について立てた人生の方針について、彼らに伝えてください。私は町に帰るつもりはありません。」クンティとマードリは彼女たちの宝石や高いシルクを全て、彼らのことを知らせるために国に向かう者たちに与えました。

    パーンドゥが、レナンシエーション(義務や権利を放棄して世間的な生活を引退すること)したことをきいて、ハスティナプーラの町は悲しみに沈みました。ビーシュマはこの不幸な出来事にとても悲しみました。アンバリカに至っては、彼女の目から、とめどない涙がこぼれつづけました。彼女を慰めることなど誰にも出来ませんでした。軍の司令官であり王国の統括者である力強いパーンドゥと、盲目の王ダルタラーシュタラの大臣として仕えている、賢く優しいヴィドゥラ があってこそ、ビーシュマは、王国を維持する重圧を彼の肩からおろすことが出来ていたと考えていましが、ここで再び、(国を治める)重荷が再び自分にのしかかってきたと、ヴィーシュマは感じていました。今、ヴィーシュマの短い休憩は終わったということが証明されました。彼はまた王国を統括しなければなりませんでした。彼はどれくらい長くそれが続くのか知りませんでした。父のためにこの世俗とその喜びを放棄したあの忘れられない日に、ビーシュマの心に入ってきた氷が、さらに堅く凍りつきました。ビーシュマはすべての苦痛に無感覚になったと感じました。

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