【曲目紹介】 アメリカ生まれで現在はフランス在住の作曲家Tom Johnson(1939-)の「An Hour for Piano」(1971)は、題名の通り1時間きっかりのミニマル的音楽で、これをコンサート後半に演奏します。この曲には、作曲者の書いた「演奏を聴きながら読むプログラムノート」が付いており、ノート自体が反復的だったり、聴きながら読むことについてさまざまに云々してあって、音楽とノートと両方でひとつの作品と言ってよいと思います。もちろんコンサート当日には、その日本語訳文と英語原文をお配りします。
コンサート前半は、四人の日本人作曲家の作品を演奏します(順序は未定)。松平頼暁さん(1931-)の「ブレンディング Blending」(1984)は、古今の欧米の作曲家の、ひとりの作品のリズムに、別のひとりの作品のピッチを当てはめて(掛け合わせて=ブレンド)作った断片(例えばケージ×ベートーベンとかワグナー×ブーレーズとか)が次々と連続していく作品。平石博一さん(1948-)の「九十九折二番」(1988)は、ひとつのモード(音列)による4つの小品からなる音楽で、時として雅楽的な佇まいも感じます。藤枝守さん(1955-)の「Begin at the beginning, end at the end, begin at the end, end at the beginning」(1982)は、J.S.バッハの「音楽の捧げ物」の素材にある操作を加えていくことで織りなされる佳品。鈴木治行さん(1962-)の「同心円」(2007)は、ピアノの中央のドの音を境にして点対称の関係にある音の列や和音を作り、それらを作曲者一流の反復・断片化・異化の手法で構成してゆく音楽です。