＜フランス＞ブルカ禁止法は「合憲」　来年にも施行

http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1367409&media_id=2
（毎日新聞 - 10月08日 10:43）

　【パリ福原直樹】フランスで法律の違憲審査を行う「憲法会議」は７日、イスラム教徒の女性が顔や全身を覆う衣服「ブルカ」や「ニカブ」の着用を全面禁止とした法律を「合憲」と判断した。仏では９月に同法が成立したが「人権侵害」との批判が強く、同会議の判断が待たれていた。これで仏は、欧州初のブルカの全面禁止国になる。

　仏の報道によると、同会議は同法を「合憲」とする一方、イスラム寺院など礼拝場所では、宗教の自由との関係から「法を強制すべきではない」と判断した。合憲判断に仏政府は「自らの尊厳を守ろうとする全女性に、強力なメッセージを送った」と評価した。

　同法は学校など公共の建物のほか、一般の道路や商店、交通機関などでのブルカ着用を禁止。妻など女性にブルカを強制的に着用させた男性にも、３万ユーロ（約３５０万円）の罰金刑や禁固刑を科した。半年間の周知期間を経て来年にも施行される。

　仏のサルコジ大統領は昨年以降、ブルカを「女性の隷属の象徴」と強く批判。政府が今年、禁止法案を出していた。だが法案には、仏内外のイスラム団体から「イスラム批判につながる」との懸念が噴出。イスラム教徒が約６００万人と国民の８％を占める仏で、ブルカ着用者は約２０００人。

　欧州ではベルギーやスペインも全面禁止法を検討中で、イスラム人口の増加などを背景に、他の欧州各国が追随する可能性もある。だが今後、欧州の人権擁護機関「欧州人権裁判所」が、同法の運用に関し否定的な判断を下した場合、同法の実効性が失われる可能性もある。