3.『 !Kung San Series-2 』1961年から1974年 の制作作品 この1950年代を通じてカラハリ砂漠のナイナイには、1200人が狩猟し、採集し、自律した自給生活を維持していた、と見ていたジョン・マーシャルの見解を、今ではどう評価するべきであろうか。これは、ジョン自身の主観と経験に依拠したものだが、しかし当時の人類学の学問的風潮をも考慮する必要がある。 当時、人類学ではバンド〜部族〜首長制〜国家という政治社会的結合が議論されていて、これと関連した生計経済様式の進化が問題とされていた。今日の孤立した狩猟・採集という生計様式は、旧石器時代の窓としての科学的な合理性が認められていた時期でもあった。
6:15−6:45 ?『 N/um Tchai 』 1966年 19分 1957/8年に撮影された。撮影され10年以上経てから制作された。!Kung San Seriesの中では初期の作品群の一つである。一部(6分)で、静止画を使用して、複雑な治療儀礼をナレーションで説明される。2部で編集の段階でうまく同期された音つきで、ナレーションなしで13分のトランス(神懸かり)踊りのシークエンスが示される。
6:50−7:05 ?『 Men Bathing 』 1973年 14分 ジョンが、1958年に南アから追い出される直前に撮られた映像。ナイナイでは 雨季に水が溜まる湖(パンとよばれる)がある。5人の男がナマ湖を訪れた。ティカイは、バンドの女を白人から救出に行ったときに手に入れた衣服を洗う。他の男達は、性的な冗談をかわし、素っ裸で、楽しく騒ぐ。
7:10−7:30 ?『 An Argument about a Marriage 』1969年 18分 この映像は、「個々のイヴェントに焦点を合わせることによって、また、自然の音、構造、持続するイヴェントを忠実に再現することによって、観客が独力でフィルムのさらなに広範な分析、判断ができるような証拠」としての試作作品の一つであり(デイヴィット・マクドゥーガル1979:97)、画面に字幕がつけられた初期の作品でもある。最初に静止画で人物を紹介し、ナレーションで論議を説明し、解明しようと試みている。後半部で論議と喧嘩を辿っている。論議の内容が理解できる最低限の字幕が付けられている。だが、論議の内容は、かなり複雑で、一度見ただけでは理解は難しい。
7:35−8:00 ?『 A Joking Relationship 』 1962年 13分 この映像は、若い妻ナイと彼女の大叔父チカイの間にくりひろげられた、いちゃつきの様子を描写している。クン族では、冗談関係が認められる間において、このような親しみ、情動の開放が認められている。
8:10−9:10 4.『ナイ:クンの女性の物語 N!ai, The Story of A !kung Woman 』 1980年 59分 1958年、ジョン・マーシャルは、マーシャル一家が作った行路をたどってナイナイを訪れた警官の訪問を受けて、南西アフリカから追放される。アパルトヘルト政策下で入国を長らく禁じられ、再びジョンがサンの土地を訪れることが出来たのは20年後であった。1980年にこの作品を制作している。 1978年、30歳代半ばのクイの女性ナイが自分史を語る。その話の中で過去30年間のクンの劇的な生活変化が示される。1950年代の映像と1978年の映像が、彼女の語りを補完している。 この映像は、民族誌と歴史が統合されていて、クン社会の30年間における激変を語りながらも、ナイという女性個人から離れることはない。
5.『 A Kalahari Family-1 』 5部作品、6時間分を一挙上映 ?『 part-1 Far Country 』 2002年 84分 ?『 part-2 End of the Road 』2002年 54分 ?『 part-3 The real Water 』 2002年 54分 ?『 part-4 Standing Tall 』 2002年 54分 ?『 part-5 Death by Myth 』 2002年 84分