『花を摘む少女と虫を殺す少女』

6/14（土）より一週間アンコールロードショー

＠九条シネ・ヌーヴォーＸ


2000年/カラー/3時間56分/配給：オムロピクチャーズ
◎監督：矢崎仁司
◎出演：ニコル・マルレーネ、川越美和、太田義孝、サイモン・フィッシャー・ターナー

『三月のライオン』で繊細な映像世界を築き上げ、国内外で熱狂的に支持された矢崎仁司監督が9年の時を経て撮り上げた意欲作。 監督がロンドン留学中に古典バレエの有名戯曲「ジゼル」をモチーフに書き上げたオリジナル脚本で、現代ロンドンを舞台に、4人の男女の愛と裏切り、夢と絶望、生と死を、デジタルビデオを駆使した独特の映像美で感性豊かに描いた作品。

＜story＞
ドイツからロンドンにやってきたバレエ・ダンサーのヴェロニカ(ニコル・マルレーネ)は、突然、次の舞台のジゼル役に抜擢される。夢にまで見たマドンナに、彼女は期待と不安を胸にレッスンを送る日々。
そんな中、アルブレヒト王子役のダンサー、サイモン(サイモン・フィッシャー・ターナー)に愛を告白される。しかし、ヴェロニカは英会話学校で出会ったケン(大田義孝)に惹かれ、やがて二人は愛し合うようになる。

日本からロンドンにやってきた女優のカホル(川越美和)は行方不明の恋人カズヤを捜していた。ある日、ホテルでカホルとヴェロニカは出会う。二人はすぐに仲良しになり、お互いの恋の悩みを相談し合うようになる。 ヴェロニカはケンやカホルと出会ったことでジゼルを演じることに自身を得ていく。カホルは恋人カズヤと再会し、再び愛し合うようになるが、ヴェロニカの恋人ケンとカズヤが同一人物であることを知ってしまう。
悲劇は公演の前夜、ドレスリハーサルの日に起こった。ジゼルを踊るステージでヴェロニカは真実を知り、ジゼルと同じ運命を辿るのであった。 　　　　　　　　　　　　　　　　


≪コメント≫

矢崎仁司はまだいきているのか、どこにいるのか、と思っているといつも彼は、いのちをたっぷりとこめた新作をたずさえてあらわれ、しずかにわれわれをおどろかせる。
この4時間の巨編もまた、こまやかな息づきのリズムが
われわれをやわらかな水のようにつつんで外的な時を忘れさせる。
フィルムだけでなくビデオテープにもここまでいのちをこめられる。矢崎だからだ。
宇田川幸洋（映画評論家）



悲劇の裏側にある美しさ……子供の頃、TVでやっていたバレエ「ジゼル」を見ていて、
亡霊となったジゼルが墓の前で踊る姿があまりにも
きれいだったので、
その辺の広告の紙の裏に急いで書いたことを、この映画を見ながら突然思い出しました。
嶺川貴子（ミュージシャン）



天使と妖精が出会って、女になった。
松井誉士彦（映画監督）



やさしさと残酷、あたたかさとつめたい、自分と愛するひと、時間。
なぜか強くそんなふうなことを思った。
魚喃キリコ（漫画家）



見ていると、なんだか自分が監督になり、
この映画を撮っているような気になる、すてきな体験だった。
忘れられないエピソードがあまりに多くて、思い出すだけで、せつない。
もし矢崎監督が、ストレートスタイルの映画を撮ったら、
誰もかなわないだろうね。この映画、大好きだ。
西田俊也（小説家）



もしかしたら登場人物たちは幸せだ。
カメラとマイクと観客が、彼らの人生を物語にしてくれた。
だって私たちには、それらがない。言葉にもならず自分の内を同道巡るだけ。
やまだないと（漫画家）



たいくつな世界をのぞきつづけながらも、日常の中に詩を発見するような実験的な手法で
ヤザキヒトシは映像による長編詩を作った。
辻仁成（作家、映画監督、ミュージシャン）





上映スケジュール
6/14（土）〜6/20（金）14:10(終18：10）/18:25（終：22：25）

※ただし、6/19（木）の18：25の回のみ休映

料金
当日のみ　一般1800円、学生1500円、シニア・会員1200円



★6/14（土）矢崎仁司監督トークショー実施！！
14：10の回上映後 矢崎仁司監督の舞台挨拶があります。




関連イベント

≪シナリオ＋スチール写真展≫
矢崎仁司 x 田中佳夕　『花虫』




６/１２〜２９
14.00-19.00（月ー水休み）

場所：【箱/2】
大阪市中央区東高麗橋1-6清水不動産ビル1F


お問い合わせ：廣田デザイン事務所
t : 06.4709.7453
f : 06.4709.7454
e : mail@hirota-design.com