アインシュタインが予言した「重力波」を直接捕らえることができれば、一般相対性理論の検証になるばかりでなく、宇宙を探るための新しく強力な観測手段を手にいれることができます。国立天文台でも夢の実現を目指してTAMA300と呼ばれる重力波望遠鏡を建設・運転し、LCGTやDECIGOといった次世代装置の開発研究も進めています。今回の講座では、重力波の基礎からコンピュータによる重力波発生源の予想、検出装置の現状と将来計画まで、最新の成果を踏まえてお話します。

＜日時＞２００６年１１月８日、１１月１５日、１１月２２日
毎水曜日（全３回　通し受講）

第一回目（１１月８日）は・・・

＜講師＞藤本　眞克（国立天文台教授　重力波プロジェクト推進室長）

＜内容＞・重力波入門　−アインシュタインが予言した「重力波」とは何か？−
電磁気に電磁波があるように、重力にも波として伝わる性質があることはアインシュタインの一般相対性理論で予言されました。しかし重力波の効果は小さく、予言から90年たった今日でも人類は重力波を直接捕らえることに成功していません。それでも近年の精密計測技術の進歩はめざましく、重力波検出の成功は時間の問題となっています。捕らえにくい重力波を検出できるようになれば、重力波の特徴である大きな透過性のため、他の観測手段では決して観測できない天体の中心部やビッグバン宇宙の開始直後の様子を知ることができるようになります。重力波とその特徴についての説明から検出方法の原理やなにが難しいのか、などをこれまでの歴史を交えてできるだけやさしくお話します。

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https://www.kouza.mitaka-univ.org/kouza/C0651700.php