Javascript の設定が無効になっているため、一部の機能を利用できません。
詳細はヘルプをご覧ください。
2014年01月12日16:23
27 view
お寄せいただきましたお手紙に対するご返事を次のように広くご紹介いたしますことをうれしく存じます。また、手紙を書かれた思慮深き少女を、わが『CSIRO』の研究陣に迎えましたことを喜びとするものであります。 こんにちは。 私は7さいです。ドラゴンなんかいないってともだちは言います。連邦科学産業研究機構のいうことならほんとうだとパパはいつも言っています。ほんとうのことを教えてください。ドラゴンはいるのですか。 ソフィー・レスター クイーンズランド州ブリスベン ソフィー、君の友達はまちがってるよ。その子たちはなんでも疑ってかかろうとする懐疑主義に毒されているのだ。そんな人は自分の目で見ないと信じないのだね。自分の小さな頭で理解できないものはみんな存在しないものだと考えているのだよ。人の想像力というものはね、ソフィー、おとなでも、子どもでも小さいものなのだ。この広大な世界では人間というものは、その大きさにかけてはただの虫、ありみたいなものなのだよ。人間をとりまく無限の世界と比べてごらん。あらゆる真実と知識を意のままに把握することのできる科学の力と比べてごらん。 そうだよ、ソフィー、ドラゴンはいるのです。科学、理性、合理主義というものがあるように、ドラゴンもいるのだよ。こういった心をもっている人はたくさんいて、君の人生に無上の美と喜びをもたらしてくれるじゃないか。 ドラゴンのいない世の中なんて、そんなのはさびしいじゃないか。ソフィーみたいな子がいなければこの世の中がさびしくなるのと同じことだよ。子どもらしい心、知的好奇心、宇宙を夢見る心があるからこそ、この世のつらいこともがまんできる。手でふれたり、目で見る以外に喜びというものがなくなってしまうじゃないか。子供の時代があるおかげでこの世に満ちている永遠の光が消えてしまうよ。 ドラゴンの実在を信じないって! 原子論も信じないのかな。パパに頼んで人を雇ってもらい、世界中の大陸、あちこちの海洋を見張ってもらったとしよう。ドラゴンが洞窟から出てくるのを見なかったとしても、それがどんな証明になるだろう。そこにいないとしても、どこにもいないという証拠にはならない。この世で一番ほんとうのものというのは、子供にもおとなにも目には見えないものなのだよ。電子が原子核の周りを廻っているのを見たことがあるかい。 もちろん、ないさ。でもそれが原子はいないという証拠にはならない。この世の中にあるもので、目に見えないすばらしいものをすべて頭に描いたり、想像したりするということはだれにもできないことなのだよ。 あかちゃんのがらがらをこわせば、どうして中から音がでるのか調べてみることはできる。でも、目に見えない世界をおおっているベールがあって、これは世の中の一番の力持ちのそのまた一番の力持ちがみんなで力をあわせても引き裂くことはできないのだよ。このカーテンを開けて天上の美とその向こうにある栄光を目にすることができるのは、科学する心、理性、討論、論理的な思考、なにかを見つけようとする意欲だけなのだ。これらは現実に存在するものだろうか。 ソフィー、いいかね、これらほど、ほんもので変わらぬものはこの世にないのだよ。 ドラゴンがいないって! とんでもない。ドラゴンは永遠に生きているのだよ。 ソフィー、これから千年後、いや、一万年の十倍たったときでも、ドラゴンは叡智を知る人と子供たちの心によろこびをもたらし続けてくれるのだよ。
ログインしてコメントを確認・投稿する
ログインでお困りの方はこちら
mixiニュース一覧へ
ログインしてコメントを確認・投稿する