「罪の手ざわり」

昨年見逃したジャ・ジャンク−の新作を
アップリンクで落ち穂拾い。

急激な社会発展を遂げる中国で、
善良な人々が否応なく暴力や犯罪に手を染める瞬間を
中国伝統の京劇や武侠映画のスタイルを引用して
敢えて様式的に描いたところが画期的。
生き方やライフスタイルがどんなに変化しても、
人の心の動きはきっと大昔から変わらないのだろう。
怒り心頭に達したときや、追い詰められたとき、
人の心は、大衆演劇や娯楽映画で繰り返し誇張されてきた
劇的な瞬間と同じパターンを辿るのだろう。
だからこそ大衆演劇や娯楽映画は、
人々に愛されてきたのだと、大いに納得させられた。
とはいえ、個人的には｢長江哀歌」のほうが好きですねえ。

天注定 A Touch of Sin
2013年／中国・日本合作／129分
監督：ジャ・ジャンク−
出演：チャオ・タオ、チアン・ウー、ワン・バオ、