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2007年02月21日16:19

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『許されざる者』

映画『許されざる者』を観た。

(1992年 米 監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド ジーン・ハックマン モーガン・フリーマン リチャード・ハリス フランセス・フィッシャー)

以前、この作品が観たくて録画をしたことがあった。そしたら、バート・ランカスターとオードリー・ヘプバーン主演の全く別の『許されざる者』だった…(笑)せっかくなので観てみたら、まずまずだったっけ。

そんなこんなを経て、今回やっと?観ることができた(笑)

イーストウッドが、ドン・シーゲルとセルジオ・レオーネに捧げた作品だと聞いたことがあったので、てっきり『夕陽のガンマン』と『ダーティハリー』を足して2で割ったような爽快な西部劇を想像していた。

…が!!! 映像は美しく、暗く、そして重ーい作品だった。

【若い頃、強盗や殺人で悪戯の限りを尽くしていたマニー(イーストウッド)は、今や年老い銃を捨て、幼い子どもたちと貧しいながらも静かに暮らしていた。ある日、一人の若者が賞金稼ぎの話を彼に持ちかけてきた。彼は、子どもたちのためにお金を稼ごうと、再び銃を手に旅立つ。】

渋いベテラン俳優たちを観ているだけでも楽しいけれど、やっぱり、このマニーという役をイーストウッド自身が演じることによって、もの凄く意味があったような気がする。

数々の西部劇で痛快に銃をぶっ放して死体の山を築き、孤独な刑事役でこれまた悪者を44マグナムでやっつける。そのイーストウッドが、年老いて馬にもスムーズに乗れず、豚を追うのも一苦労している元殺し屋・マニーを演じるのだ。

相手がどんなに悪いことをした人間であったとしても、他人の人生を自らの手で終わらせてしまうという恐怖、嫌悪、哀しみ。従来の西部劇には見られない感情が湧き起こってくる。

子どもたちのために再び銃を手にしたものの、お酒も飲まず、女も抱かず、自らの信念を曲げずにいたマニー。 …が、ある出来事が彼を怒らせてしまう。マニーが怒ってからの展開はもうゾクゾクしっぱなし!

イーストウッドがジーン・ハックマンに銃を突き付けるアングルは、『ダーティハリー』でホットドッグをほおばりながら犯人に44マグナムを突き付けてたそれを彷彿とさせるし…(笑)

ただ、暗い場面は本当に暗いので、想像力を働かせないとちょっと見づらかったかも(^_^;)

“最後の西部劇”と呼ばれるこの作品、イーストウッドが描いた殺し屋たちは、タフで情けなく、人間味に溢れていた。久しぶりに震えるような西部劇を観たような気がする。




『ダーティハリー』
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