進化したイルカたちの姿
イルカのことで、今でも忘れることのできない思い出があります。
思い出といっても、私自身が体験したことではありません。
10年くらい前に本かなにかで見た体験談にすぎないのですが、おそらく一生忘れることはないというくらいのすさまじい衝撃をともなったお話でした・・・・・
それは、イルカ漁の現場に、たまたま立ち会ってしまった人のお話です・・・・
たしか、外国ではなくて日本での出来事だったと思います。
立ち会ったといっても、たまたま通りかかったとか、あるいはたまたまやっていると聞いて、何とはなしに見物に行ってみたといった程度のことでした。
はじめのうちは・・・・
行ってみると、イルカたちはまさに一頭一頭順番にのどをかき切られていっている真っ最中だったそうです。
ふと見ると、家族がどんどん殺されていくのを横目で見ながら、順番がやってくるのを少し離れたところで待っているイルカが一頭、目の前に横たわっていました。他のイルカたち同様、そのイルカもすでに身体に無数の傷を負っていました。
ふとその人は、その目の前のイルカにすいよせられるように、なぜか近づいてみたくなり、そのイルカの側へと行きました。周りにいる人々は、「危ないから、やめなさい!!」と口々に叫びましたが、その人は何かに導かれるかのように、どうしても近づくのを止めることができなかったそうです。
そのとき、イルカは、側に立ったその人を本当に穏やかな目で見あげたそうです。そして、なんと、うれしそうに鳴き声を上げ、口を大きくあけたのです。その人は、すいよせられるようにイルカの身体を、そしてなんと口の中にまで手を入れ、そのイルカをなでたのです!!
それも、なぜか分からないけれども、そうせずにはいられなかったのだそうです・・・・
イルカは口の中(舌)をなでられると、もっと!というように、さらにうれしそうに口を大きく開け、身体をくねらせて甘えるようなしぐさをとったそうです。
そしてそのとき・・・・・順番がやってきました。漁師が静かに近づき、のどにナイフを突き立てました。
イルカは静かに目を閉じ、水のなかへと落ち、水底へと消えていきました・・・・
・・・・これが、イルカの姿なんですね。
私が<u>イルカやくじらたちを、人間より進化したものだと感じる</u>理由が、ここにあります。
私なら、もしかしたら・・・家族を殺されていく怒りのあまり、自分が殺される恐怖のあまり、明らかに関係ないと分かっている側にいる人間にでも、腕の一本でも食いちぎってしまえ!! と、思ってしまうかもしれません。
イルカの歯は、人間の手など軽く食いちぎれてしまうほどの強力なものです・・・・
イルカはきっと、たとえば人間が事故などで傷ついたときなどにも、たまたま近くにいる人誰にでも、側についていてほしい、なぐさめて力づけてほしいと思うものですよね。それと同じように、イルカも、側にいた人間に側にいて、見取ってほしかったのでしょうね。
その人は、それまで特にイルカファンというわけではなかったそうですが、それ以来、イルカに対する見方が完全に変わってしまったそうです。
私はきっと、このことを一生忘れることはないでしょう。
すばらしい、調和に満ちた、イルカたちの姿です・・・・・
てか、日記ではないですね。思い出話です・・・・
☆ l.misaki ☆
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