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2020年02月20日22:35

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ヘイト本が溢れる訳・・・『13坪の本屋の奇跡』

フツフツと、そしてグラグラと気持ちが煮えたぎる本が。

聞いたことのない出版社、でなければ出せない本がそうさせてくれた。

『13坪の本屋の奇跡』木村元彦著、ころから刊
ISBN978-4-907239-43-5
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主人公がテレビに!▼2020/09/01
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手書きのポップで本の紹介をしていたり、書店員さんが頑張っているようなお店でも、なぜ、ヘイト本が置かれているのか。

ずっと疑問に思っていた。

その理由は、この本を読めばよくわかる。

出版不況の中で弱者、本屋にしわ寄せをしていくシステムがそうさせていた。

前提として知っておくべきこと。

日本の本や雑誌の流通は、たった二つの「トリツギ」という巨大な会社(日販、と、トーハン。株主は大手の出版社)に握られている。

それが故に零細が虐げられる構造が長年続いてきた。大きく分けて問題は二つ

まず、町の小さい本屋さんを次々潰していき、小さな良心的出版社の息の根を止める、最悪の商慣行。

締め日、が徹底的に大手優先。

これを聞いただけでハラワタが煮えくり返ってくるが、詳しく説明すると

小さな書店側は、本や雑誌が納品されたら即日、売れたか売れないかに関わらず代金を入金させられる。

じゃあ、そのお金はきちんと出版社に渡されているのかというと、大手のみきちんと支払われるが、零細の出版社には2,3ヶ月まとめて支払う、のだという。

ちょっとだけでも本屋を見ていればわかるが、日本の書籍や雑誌には「返品制度」があり、売れなかったもの、特に月刊や週刊の雑誌などは、本屋からトリツギに返品できる。なので、当然のことながら、本屋からトリツギへの支払いは、返品を精算した後に発生する、のだと思っていた。

ぜんぜん違っていた。

(書店からの入金締め日、と、トリツギからの返品返金締め日、に10日のタイムラグがあるため、実質的に)弱小書店が圧倒的に不利な、全部買い取り、制度なのだ。

これが、書店側が発注を行ったものだけに適用される、なら、まだ理解は出来る。ところが、まともな神経をしていたら手に取りたくもないヘイト本など、売りたいと思わない商品が、月末に向けて大量に配本されるのだという。

その仕組みが、ランク配本(詳しく言うとそれだけじゃないけど)。


ちょっとだけ、トリツギ、というシステムの味方みたいなことを言うと、そもそも、どんな熱心な書店員でも追いきれないくらい、大量の出版物が流通している、という現状において、トリツギから自動的に本が配本される、というのは、お互いにとってメリットのある話だったのだろう。本来は。

ところが、このシステムが硬直化したことで、どんなに熱心で販売力がある本屋でも、トリツギ側が設定したランキングによって、大手書店に山積みされてる新刊が、わずか数冊しか配本されない。そのため、ベストセラーを求める顧客の要求に応えるためには、自腹で大手書店から購入して(つまり利益はゼロになる、というか赤字)渡すしかない本屋も多いのだそうだ。

なんか書けば書くほど、怒りは煮えたぎるし、ホトホトイヤになってしまった。

ここまでで、問題の一部は伝わったかな。あとは本を読んでください。

ただし・・・・・

えーと、この本、大手流通には乗ってないので、発注かけないと買えません。TSUTAYAとかには並んでませんよ。新潟で言うと、パチンコ屋さんが経営している「知遊堂」さんで見かけて買いました。

ネットで買えるかどうかは知りません。
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