手作りはエラクない！

■服を自作する人はいないのに、なぜ料理は手作りが賛美されるのか
(まぐまぐニュース！ - 09月07日 01:20)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=240&from=diary&id=5277868

　このコラム、わっかる！スゲーわかる！
　私は手作り手仕事を否定するわけじゃないけど、むしろ、そういうこと全般には惹かれる人だ。
出来れば家庭菜園でそだてた野菜や果物で保存食を作ったり、糸を紡いだり草木染をするような生活に憧れがあるんだけど。
　
だた、主婦の手作り礼賛には、すっごく疑問を感じるんだよね。

手芸店で働いている人が以前ツイッターでつぶやいてたんだけど。

この時期（３月ごろ）になるとママさんたちがお店に来るんだけど、
幼稚園で使うもの（上履きいれとか）には保護者が刺繍をしないといけないらしくて、
「アップリケはＮＧでく刺繍」という決まりがあるらしくて、
手芸店に勤めていてこういうのなんだけど、イマドキ、こんな決まりがあるんだってモニョモニョしたと。
私は、むしろ、こういう強制が手芸離れを起こしてるんじゃないかと思った。
刺繍の好きな人なら別に苦にならないし、むしろ、どんな柄を刺そうかと楽しみになる。
でも、針仕事が苦手な人、そのうえ、仕事とか専業主婦でも下の子どもの育児とかで忙しかったり、心に余裕が無い時には、それってストレスでしかないんじゃね？

　趣味って本来は「好きで楽しいから」やるものだし、興味ない人にはなんでそんな面倒くさい大変なことするの？
としか思えないけど、やってる本人はそれが楽しくて仕方ないのが趣味です。
だから、やったからって別にエラクもなんともないんだけど、
なぜか、家事系の趣味って、苦しい思いすることに価値がある！みたいな傾向があるし、その苦行をドヤ顔でエライ！って言いたがる傾向がある。

ひとつは、「家事労働」と「趣味」の境があいまいだからだろうね。

•合わせ調味料じゃなくて自作
•習い事バッグはママのお手製
•ルンバじゃなくてホウキと雑巾

これらにしても、自作の調味料や習い事バッグは、半分は趣味かなあと思うけど、掃除は、多分趣味じゃなく労働、だよね？
で、労働なら本来、合理化して効率を上げることが正しい筈なのに、なぜか「家事労働」は、非合理的な手間をかければかけるほど「優秀な主婦」になって、合理化すればするほど「手抜き主婦」になる。変な話。
これって、女は嫁いだら、家のために己を無にして家のために身を犠牲にして働け、という、日本会議チックな悪習がどっかに残ってない？
（まあ、これは家事に限らず日本の特徴かもしれない、だから、日本人は長時間労働してるのに産業効率が悪い）

で、ボーダーがあいまいな家事系趣味に分類される「料理」とか「お菓子つくり」とか「洋裁」とか「手芸・編み物」とかって、特に女性がそれを趣味にすると
「いい奥さんになる」とか「家庭的」とか言われる。
　実際には、上記の趣味は男性だってたしなんでいる人はいるのにね。
あと、家事系趣味をする時に、どこかそれをやってる自分が「頑張っててエライ」的にならんだろうか？
　このつぶやみみても、ちゃんと読めば

＞ごく少数の人たちが家庭内で裁縫や編み物を楽しんでいるんです

とあるように、服を自作する人を否定しているわけでもないし、一般的には現代では服は家庭内で自作するものではなく店で買うものだ、という事実を言ってるだけなのに、なぜか
「私は作ってます！」
とドヤ顔のコメントが多いこと、多いこと。
　悪いけど、どっか、服を買うより作るほうがエライって思ってない？
　これが、もし、マンガだったら、プロが描いた作品を読むのがデフォなのに、わざわざ面倒くさい思いして自分で拙い漫画を描くことをドヤ顔で自慢しないでしょ。
プロよりずっと下手糞なマンガを描くのは本人が楽しいからだけだから。
そういう人たちが作った本が夏と冬のビックサイトでは大量に出てるし、ね(^_^)v


あと、例えば鉄オタの人、新幹線や飛行機使えばその３分の一の時間でいけるのに
わざわざローカル線に乗る。非効率だけど、それが楽しい趣味だからいいの。
でも、一般人からするとただの物好きに過ぎず、別に新幹線で３時間で着くところをローカル線乗り継いで１０時間かけるのがエライとは誰も言わないし、思わない。
　ところが、レトルトカレーならお湯に３分で出来るカレーを半日かけてスパイス何種類も使って作るのは、偉くなるんだよな、変な話。


まあ、家事の中でも料理は特に毎日のことだし、人間食べないと死ぬから、性別や既婚未婚問わず、最低限出来るようにはしたほうが良いとは思う。
思うけど、反面、「手料理は趣味だ」くらいに思って、手をかけたものを作るが好きな人、今日は手の込んだものが作りたいと思った時、だけ、作る。
くらいになったほうが良いのかもしれない。
ましてや、今は、片働きでパートナーの一方が家事労働だけをやっていられるのは、よほど余裕のアル人だけ。
そのくせ、まだまだ家事労働が女性側に偏ってるケースがすごく多い。

手作りを節約だという人もいるけど、いやいや、それに費やす時間でパートにでもでたほうがよほどの節約です。

家事に手をかけるのは偉いのでもなんでもなく、単なる趣味、くらいに割り切りましょう。
お母さんが心身の疲労とストレスを抱えながら、手作り調味料で何品ものおかずを作るより、オリジン弁当並べて笑って元気にすごせるほうが、家庭も幸せになります。